2018-11-27

迫りくる大暴落と戦争刺激経済-9~金融市場で何が起きているのか~

VIX指数

現代の市場経済は、株よりも値動きの激しいVIX指数(恐怖指数)取引という500%に及ぶ値動きのある博打の世界にのめり込んでいるようである。「恐怖指数」という名称からして、刺激ある取引というイメージが湧くが、市場参加者ほぼ全員買っているとのことで、その活況ぶりが伺える。

2月5日の暴落のきっかけは、このVIX指数取引に絡んだフラッシュ・クラッシュだった。とのこと。

この暴落は誰かが操作して起こったらしく、そのターゲットとなったのが、ロスチャイルド系のクレディスイス(VIX指数取引の胴元のひとつ)とのこと。「元本が9割以上毀損して、吹き飛んだ」と言われています。

 

他に日本の銀行に触手を伸ばす中国が、アメリカの証券取引所の買収に乗り出したとのこと。金融市場における中国の役回りも興味あるところ。

 

金融市場はわれわれ庶民にとっては中々難解ですが、対談形式の本文で比較的理解しやすいものでした。

 

『迫りくる大暴落と戦争“刺激”経済』(副島隆彦 著)からの紹介です。

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第3章 金融市場で何が起きているのか

1月26日に市場最高値(2万6616ドル)をつけていたニューヨーク・ダウが、2月5日に暴落した。これで金融市場は一気に不安定化した。その背景には迫り来る戦争経済に向かって、FRBのパウエル新議長が金利を上げたことがある。この暴落のきっかけは、VIX指数(恐怖指数)取引に絡んだフラッシュ・クラッシュだった。実際にファンド・マネージャーとして、金融市場の現場で活躍している大谷慎一氏に市場で何が起きているのかを聞いた。

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■史上最大の大暴落のきっかけはフラッシュ・クラッシュだった

 

副島 2月5日にニューヨーク・ダウが1175ドル(下げ幅では1597ドルの暴落)と言う史上最大の下げを記録しました。この大暴落のきっかけになったのは、どうもフラッシュ・クラッシュだったようですね。

 

大谷 そうです。フラッシュ・クラッシュがらみで、今、市場で言われているのは、VIX(ヴィックス)という恐怖指数で、この取引で操作が行われている、という内部告発が出てきました。

 

副島 アメリカのVIX指数とは別に、日本版のVIX指数の至上がありますが、これは連動しているのですか。日本版の方は、あまり面白みがない、と言われています。

 

大谷 ええ、連動しています。日本のVIX指数も全部、シカゴ・ボード・オブ・エクスチェイジング(CBOE)に上場していて、ここでしかやっていません。

 

副島 他に大阪大学の銘柄が二つ公開されていますね。

 

大谷 日本では阪大のグループが作って指数化はしていますが、取引はされていません。以前は「スパン証拠金」でも取引されていました。今はCBOEだけです。

今回のフラッシュ・クラッシュは、このCBOEに上場されているVIX指数の、ボラティリィティ(変動率)の数値を誰かが操作して、売りを仕掛けたという話が出ています。テキサス大学の大学院生が去年、VIXは操作されており、その仕掛けについて書いた論文を発表しました。この論文がきっかけとなって内部告発が業界に出てきて、それで売りが売りを呼ぶ展開になったようです。

クレディスイス(VIX指数取引の胴元のひとつ)は、VIX連動商品で、プット・オプションの売りをやっているノックイン債を取引清算すると発表しました。ふざけているのは、この商品が1日を超える投資ができない日計り商品らしいことです。この商品は日計りで、日をまたいで買ったり売ったりすることができない。そのために、元本が9割以上毀損して、吹き飛んだわけです。これを買っていたのが、マーケットメイカー(売り手と買い手の取引を成立させる証券業者)なんです。

 

副島 それは2月5日の暴落の話ですか。

 

大谷 そうです。この根付け業者がフラッシュ・クラッシュと絡んでいる。CTA(コモディティ・トレーディング・アドヴァイザリーズ)やアルゴリズミック・トレーディングの連中と繋がっているやつらです。このVIX指数の不正な操作が、おそらくこのマーケットメイカーに伝わって、さらにマーケットメイカーからCTAに波及していって、それがフラッシュ・クラッシュになったんでしょう。

 

副島 日本のファンド(投資会社)の連中も、VIX指数に投資しているそうですね。ファンド・マネージャークラスがやっているのですか。

 

大谷 VIX指数はヘッジできるからという理由で、彼らが買わされているんです。VIXは基本的にはすべてプット・オプションです。

 

副島 プットを買うということは空売りでしょう?金融市場全体が下がったときの保険ですよね。下がったときに儲かるわけですね。

 

大谷 ええ。下がるときの保険みたいな感じで買われています。

ところが。われわれ投資家はプット・オプションを買いますが、クレディスイス側はプット・オプションを売っているので、下がるとやられる。私たちは下がるとヘッジできますが、彼らは逆になりますので。従って大損する。どうもクレディスイスが狙い撃ちされているみたいですね。リーマン・ショックのときはBNPパリバ(フランス最大の銀行)がババを掴まされましたが、次のターゲットはクレディスイスになりそうです。

 

■中国がシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の買収に動き始めた

 

大谷 最近の動きで目立つのは、中国による企業買収です。相変わらず日本の銀行に触手を伸ばしていますが、中国がいよいよシカゴ証券取引所とかの買収に動き始めました。

 

副島 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)ですか。

 

大谷 CMEではなくて、ローカルの小さなところです。19世紀にできた古い非常に小さい取引所です。そこに重慶の連中がお金を集めて買いに来ています。それはアメリカ政府に差し止めされていますが、どうやら中国人は日本だけでなくてアメリカそのものを買い始めています。

 

副島 CTAはまだ元気で動いているんですか。

 

大谷 はい。彼らはトレンド・フォロワー(順張り)なので、円買いの需要が増えているのであれば円買いのポジションを取る、というふうに、トレンドを増幅させることで儲けようとします。それが今の円高になっています。

 

副島 為替で儲かるということですね。

 

大谷 為替が一番流動性がありますから、為替でもやりますが、債券もやっている。どちらも金利で動くものですから。

その金利高と金利安との関係から株式の相場を見る。だから金利が高くなると株式は下がるし、金利も安くなると株は高くなるというスプレッド取引をやります。そういうふうにVIXが絡む動きをもう少し突っ込んで見ておいたほうがいいのかなと思います。

 

副島 VIXはそんなに残高があるのか。みんなの感覚でいうと巨大な博打の品目というか、手段、ツールなんですか。

 

大谷 ええ。VIXの指数取引は市場参加者はみな買っています。取引市場さえあれば私たちはどこへでも行きます。だからここでの売買は非常に盛んです。株というのは、1週間に2,3日徹夜して相場を張っている回遊魚のようなわれわれからすると、面白いんですが、株の値幅はせいぜい5%か10%です。他方、ブルームバーグによればVIXの指数取引は10日間で520%です。

つまりボラティリティは5倍です。ビットコインのこれまでの最高のボラティリティが500%ですから、ビットコインよりも激しいんです。

 

副島 2017年の年末のビットコインの値動きですね。

 

大谷 そうです。ビットコインが一番動いたときでも500%です。これだけ動くので、ビットコインよりもはるかにたちが悪いんです。VIXを使って不正を働けば、フラッシュ・クラッシュを多分簡単に起こせるでしょう。そのつながり少しずつ見えてきました。そういうVIXを誰が組成して、だれに売っているのか。マーケットメイカーが買って、それをCTAが流すという連鎖が見えてきた。

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