2020-04-21

国際情勢の大変動を見抜く!-59~いよいよ世界大暴落前夜の様相を呈してきた~

 

 

 

シェールオイル

今回は近未来の話し。本当に世界大暴落が早ければ夏にも起こりそうだという状況。

 

■4月21日段階の5月の原油先物価格はなんと史上初のマイナスに落ち込んだ!

「国際的な指標となるWTIの5月物の先物価格が、先週末の1バレル=18ドル台から急落し、20日の取り引きで、価格が初めて、事実上、買い手がつかないマイナスに落ち込むという異例の事態となりました。

 

これは、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が制限され、需要が大きく減るとの見方から、在庫が積み上がっていることに加えて、5月物の売買が21日までで、取り引き量が少なかったためです。

 

次の6月物は、1バレル=20ドル前後にとどまっています。」(NHKニュース

 

■ジャンク債に近いCLOの格下げの可能性が高まり、原油価格低迷とあいまって債券の大暴落が起きる可能性が高まってきた。

 

「ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、米国で同社が格付け対象とするローン担保証券(CLO)債券のうち、約19%に相当する220億ドル(約2兆3660億円)分について、格下げの可能性があると発表した。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界的大流行)により、CLOに支えられた企業の財務状況が悪化していることが背景。

 

ムーディーズは発表資料で、レバレッジドローンを担保資産として証券化された358のCLOについて、リスクやリターンが異なる計859の債券を格下げの方向で見直すことにしたと説明した。裏付けとなる担保資産は記録的なペースで格下げされている。

 

ムーディーズは同社が格付けするCLO債券の損失予想が「大幅に増加した」と指摘。パンデミックの影響で、企業利益が消失し信用の質が悪化したとしている。見直し対象のCLO債券の40%余りが投資適格級で、「A」が13、「Baa」の水準が355、残りが「CCC」までの投機的水準という。

 

同社の見直しは通常90日以内の完了を目指しているものの、現在の環境には「極めて高度の不確実性」が伴うとして、もっとかかる可能性があると説明した。」

『ムーディーズ、米で格付け対象のCLO債券220億ドル分が格下げも』

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■シェールオイル企業の資金源は主にCLO等のハイイールド債で、アメリカ企業の中でのエネルギー系企業の割合が最も多い。

 

「シェールオイルは岩盤に含まれる原油で、2010年ごろから北米で採掘が盛んになりました。国営企業が原油を産出するサウジアラビアやロシアと違い、米国のシェール業者は民間企業です。このため社債を発行して投資家から資金を集め、掘削や製造の設備を買います。でも国家の後ろ盾がなく、原油価格に経営が左右されることから、シェール業者の社債は元本や利息の支払いが滞るリスクの高い債券である「低格付け債」に区分されることが多いようです。低格付け債の発行が盛んな米国では市場規模が1兆3000億ドルに上りますが、このうち1割強をシェール業者などのエネルギー企業が占めています。」

日本経済新聞

 

■原油価格が下がるとアメリカのシェールオイル企業が潰れる→ハイイールド債の暴落→米株式市場の暴落→世界大恐慌へ

 

ハイイールド債が暴落:紙屑化すると多くの企業や金融機関も莫大な損害を受けます。

中でもドイツ銀行は7500兆円という莫大な額を保有しています。日本でも農林中金7兆円や郵貯銀2兆円など保有しています。それらの企業の経営破綻の危機が訪れます。

 

4月には米シェール企業の中堅が経営破綻しました。プーチン・サウジによる原油の低価格攻撃によって、約1ヶ月で破綻です。コロナショックによる需要低迷も相まって、低価格は今後しばらくは続きそうです。そうなると他のシェールオイル企業も風前の灯火です。まさに世界恐慌前夜の状況。

 

『米シェール企業ホワイティング経営破たん、原油急落が打撃』(ロイター

 

『掟破りの逆オイルショック。ロシアとサウジ新同盟の狙い』(るいネット

 

■世界恐慌から食料危機が起こり、世界各国で暴動がおこる可能性が高い

現在コロナ危機による都市封鎖等と合せて食料の輸出入が行われ、すでに穀物市場等が値上がりしています。

 

WHO等もそのリスクを警告しています。

「現在進行中の新型コロナウイルス危機に当局が適切に対応できなければ、世界的な食料不足が発生する恐れがあると、国連専門機関の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、関連機関の世界貿易機関(WTO)の3機関のトップが1日、警告した。」(

『新型コロナに続き「世界的食料危機」の恐れ、国連とWTOが警告』(時事ドットコム

 

■また、アメリカでは銃や弾薬の売り上げが4倍にも増加しているとのこと。非常に不穏な動きです。

「新型コロナウイルス感染が急拡大する米国で、銃や弾薬の売り上げが急増している。食料や日用品の「パニック買い」が広がり、略奪行為や暴動に備える動きとみられる。

米国で弾薬を販売するネット通販企業によると、2月23日から3月15日の間にそれ以前と比べてアクセス数が80%近く上昇した。売上高は足元で約4倍に増えた。」

『米、銃の売り上げ急増 新型コロナで暴動に備え』(日本経済新聞

 

★これに現在すでに200万人を超えているといわれている失業者がますます増え、債券→株価大暴落→世界恐慌が起こり、さらに食料危機により庶民が窮地に陥ると、大暴動に繋がることは容易に想像できます。今の状況では、今後1ヵ月程の間にシェールオイル企業の倒産は相当数にのぼるとおもわれ、3ヵ月先には大暴動という可能性も充分考えられます。

 

その時日本はどうなるのか?次回はその辺りを探っていきたいと思います。

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