2008-01-09

『ペーパー・バレル』

年が明けて、原油価格が一時至上最高の1バレル100ドルの大台にのりました。1年前には1バレル約60ドルでしたので、100/60=1.67倍の上昇です。しかし、市場では原油が不足しているわけではなく、投機マネーが原油先物市場に集中していることで価格を押し上げています。
 
これは、「マネーゲーム」です。
 
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FujiSankei Business i.の1月4日の記事をご覧下さい。
 

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1バレル=100ドル時代…“虚構の原油”争奪、過熱化
カネ余り「マネーゲーム」
 ニューヨーク市場の原油先物価格が2日正午すぎ(日本時間3日未明)、史上初めて一時1バレル=100ドルの大台に乗せた。世界的なカネ余りを受け、投資ファンドや産油国のオイルマネーなど大量の投機マネーが原油市場に流入し実際に産出される原油をはるかに上回る“虚構の原油”を奪い合うマネーゲームが活発化。過熱感が強まっている。

 ≪ペーパー・バレル≫
 「100ドルはまだ始まり。120ドル、150ドル、その先もあると覚悟していた方がいい」。大手商社のエネルギー担当者は、中、長期的に値上がりが止まる理由は全くない、と断言する。
 WTIは1日に40万バレル程度の産出量だが、昨年12月18日時点での先物の取引規模はその約3300倍の約13億3000万バレル分。産出量とは無関係に取引が活発化している先物市場の原油は「ペーパー・バレル」と呼ばれ、実際の需給とは別に投機的思惑で価格は上下する。昨年12月、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでの石油輸出国機構(OPEC)の臨時総会。消費国は増産を強く期待したが、「市場への供給は十分」として増産は見送られた。
 「(現物でも)金さえ出せばいくらでも買える」(大手商社)と先物市場の参加者にも供給不足の認識はない。

 ≪主犯は機関投資家≫
 「(石油)危機らしい危機がないまま急騰したのが特徴」。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の石井彰主席エコノミストは1970年代の石油ショック時との違いをこう強調する。
 過去2回の石油ショックや湾岸戦争による原油急騰は、産油国が禁輸に踏み切ったり、争乱で石油生産が停止、大規模な供給途絶が起きたりしたことで生じた。今回は中国など新興市場国の急成長に伴い原油の世界需要も伸びるとの見方が背景にあるが、価格高騰に拍車を掛けているのは、短期の利益を求める投資ファンドなどの存在だ。
 証券市場などに入っていた投機マネーは米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題を嫌って証券市場から逃避。大量の資金が原油先物市場に流れ込んで、「熱狂」ともいえる相場をつくり出し、実需と関係のないところで価格がつり上がる状況が生まれた。プレーヤーは、短期間に売買して利益を狙うヘッジファンドに加え、最近、存在感を見せ始めている、米国の退職公務員の年金基金など長期運用を基本戦略とする機関投資家ら。産油国が原油輸出で得た資金も原油相場に再投資されている。
 「資金を投下するばかりで回収に出ない」(米エネルギーアナリスト)ため、機関投資家が今回の原油高騰の“主犯”との指摘も出ている。

 ≪あきらめの声も≫
 今後、油田開発が可能なのは深海か政情不安など条件が悪いエリアばかり。原油採掘コストが下がることはない、との見立てから値上がり傾向は続くとみられる。
 ただ、資源エネルギー庁によると日本のエネルギーに占める石油依存度は73年度の77%から2005年度までに49%に低下。原油高が世界経済を失速に追い込む水準は「150ドル程度」(欧州系エコノミスト)との指摘もある。
 マネーがマネーを呼ぶ循環に入った原油相場。「世界経済が失速、本当に石油危機に陥るまで(価格高騰に)ブレーキはかからない」と市場関係者の間ではあきらめとも取れる見方すら出始めている。

 
■一部ではオイルピーク説もながれており、長期的な懸念は拭えないのでしょうが、現状で不足していない原油が1年間で67%も上昇する事態は明らかに異常。日本でもガソリンや灯油・一般商品の値上げがおこっており、一部地域を除いて生活を脅かすほどには至っていませんが、投機家のマネーゲームの影響だということには納得しかねるものがあります。
 
心情的な面は一端おいておくとして・・・
 
■この原油を巡る先物市場の暴騰は作為的な匂いがするのですが、実態とは異なる投機目的=マネーゲームですから、通常であればどこかで必ず暴落します。記事にあるように、先物の取引規模は1日の産出量の約3300倍の約13億3000万バレル。1バレル100ドルとすると、取引規模は約1300億ドル/日、日本円で約14兆円/日。この規模で暴落すると相当に大きな影響があります。
 
■ここまでマネーが集中する背景には、(一般に言われるように)サブプライムローン発の金融不安からくるドル離れ→現物への資産流動があり、リスク回避=現物市場への逃避ということなのですが、ここまでマネーが集中するとリスク回避どころではなくなり、原油価格の暴落リスクが高まります
 
■既にドルの暴落が先か、原油価格の暴落が先かという状況に陥っているのではないでしょうか。既に一発大儲けしようと言う輩は、売りのタイミングを見計らっているところでしょう。当然仕掛けることができるのは一部の巨大資本に限られるとは思いますが・・・・
 
■ここ数年は世紀末的な金融狂乱状況のように感じるのですが、実態とかけ離れた金余りが住宅バブルや金融バブルを誘発し、それが限界を向かえると現物市場がバブル化する・・・・・バブルのサイクルがどんどん短く、巨大化しつつあるようで、前のバブルが弾ける前に次のバブルが生じてヘタをすると2つのバブルが同時に弾けてしまうような危うさを感じます。膨張し暴走する金融市場をコントロールできず、既にメルトダウン目前なのかも......
 
(国際金融資本も焦ってるような雰囲気がどうにもイヤだな...老い先短いあの人だからかな?)
 
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by コスモス

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コメント2件

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