2011-10-30

エネルギー市場はどうなっている?(8)〜【中間整理】追い詰められるロックフェラーとさらなる利権拡大を狙うロスチャイルド、その傍らで存在感を放つロシア

さて、この「エネルギー市場どうなっている?」シリーズも中盤を迎えました。世界の主要エネルギー(石油・天然ガス・石炭・原子力)の支配構造が出揃ったところで、今回はここまでのおさらいをしていきたいと思います
 
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○原子力
・資源:「原子力資源ウラン市場はロスチャイルドの支配が圧倒的」
 
・技術:「ウラン資源を牛耳るロスチャイルドに、技術で対抗してきたロックフェラー、資源と技術を併せ持つ新興勢力ロシアと三者三様で覇権争い」
 
○石油 「石油利権を支配したロックフェラーと、それを入口、出口両方から切り崩したロスチャイルド」
 
○天然ガス 「巨大新興国の成長で激動する天然ガス市場」
 
○石炭 「アジアのエネルギー市場を狙うロスチャイルド」
 
 


 
■原子力資源ウラン市場はロスチャイルドの支配が圧倒的 (リンク)
 
原子力エネルギーは、資源と技術で支配構造の様相が異なっていました。ウラン資源は、ロスチャイルド支配がほぼ確実と思われる企業だけで、世界のウラン生産の6割近くを占めています。(リオ・ティント、カメコ、アレヴァ・BHBビリトン、パラディンエナジー)
 
<ウラン企業別生産量ランキング  2008年>

        企業                   生産量(t)
1  Rio Tintoリオ・ティント(英・豪)         7,975
2  Cameco カメコ(加)                6,659
3  Areva アレヴァ(仏)                6,318
4  Kazatomprom カザトンプロム(カザフ)   5,328
5  ARMZ アトムレドメトゾロト(露)          3,688
6  BHP Billiton BHBビリトン(英・豪)       3,344
7  Navoi ナヴォイ(ウズベキ)            2,338
8  Uranium One ウラニウム・ワン(加)      1,107
9  Paladin Energy パラディン・エナジー(豪)   917
10  Heathgate ヒースゲート(豪)          636

参照※資源ランキング
 
 
■ウラン資源を牛耳るロスチャイルドに、技術で対抗してきたロックフェラー、資源と技術を併せ持つ新興勢力ロシアと三者三様で覇権争い (リンク)
  
ウラン採掘から発電までの工程

画像:東京電力
 
 
原子力エネルギー技術は、もともと原子力潜水艦の開発に始まり、GE(ゼネラル・エレクトリック)とWH(ウェスティング・ハウス)の2社が米国内で技術開発を争っていました。GEはモルガン商会が支援し、そのGEに対抗する形で、ロックフェラーはWHの発展を後押ししました。しかし戦中、戦後まだ間もない頃は、ウラン資源はロスチャイルドによって押さえられている状況で、ロックフェラー・モルガンともにロスチャイルドの力には及ばなかったでしょう。
 
しかしロックフェラーは戦後の冷戦構造の中で、原爆を含めた軍事技術を大きく成長させ、その軍需産業により巨大資本を形成します。(おそらくGEやhoneywellなどのモルガン系企業も、この間にモルガンから買収したものと思われます。)その巨大資本を礎に、ロックフェラーは、ロスチャイルドが牛耳っていた原子力分野にも積極的に参戦。今やWHやGEらはヨーロッパにも着実に勢力を伸ばしています。(例えば、今年2011年9月のニュースによると、WHは、アレヴァ=ロスチャイルドのお膝元であるフランスの原発12基分の蒸気発生器更新事業を受注しているようです。)
 
技術において目立つ勢力は、金融資本家だけではありません。原子力技術は、ウランをエネルギーに転換するまでに様々な工程があり、高い技術力を要しますが、注目すべきはロシア(国営企業ROSATOM)です。ロシアは、資源においては自国で鉱山を持っている強みがある。そして、チェルノブイリ原発事故以来、原子力技術における信用は拙い印象のロシアですが、意外にも、技術においてもそのポジションは強固で、各国との提携も盛んです。
 
ウラン資源を牛耳るロスチャイルドに、技術で対抗してきたロックフェラー、資源と技術を併せ持つ新興勢力として侮れないロシアと、三種三様で覇権争いをしてしているのが、原子力エネルギー市場です。
 
 


 
■石油利権を支配したロックフェラーと、それを入口、出口両方から切り崩したロスチャイルド (リンク)
 
石油はもはやロックフェラー一色という時代ではないようです。
 
オイルショック前の1970年頃まで、世界の石油市場を支配していたのはセブンシスターズと呼ばれる7社(モービル、テキサコ、シェブロン、ガルフ、エクソン、ブリティッシュ・ペトリアム(BP)、ロイヤル・ダッチ・シェル)の石油メジャーでした。イギリス資本のBPとイギリス・オランダ資本のシェル以外は、アメリカ系企業、つまり、セブンシスターズにおいてはロックフェラーの支配力が圧倒的に強かった
 
そこでロスチャイルドは、それに対抗すべく、1960年、イラン・イラク・クウェート・サウジアラビア・ベネズエラ5カ国からOPEC(石油輸出機構)を発足させます。その後、他の中東諸国も次々にOPECに加盟。そして、1973年のオイルショック前後で、OPECの力を基盤に中東諸国が一気に石油企業の国有化を図りました。
 
結果的に、国営企業のシェアは急拡大し、かつてのセブンシスターズは生き残りをかけて統廃合(7社→4社)するものの、そのシェアは縮小。ロスチャイルドは、セブンシスターズ(ロックフェラー勢)を中東から締め出すことに成功したのです。(セブンシスターズの代わりに台頭していた国営企業7社を新セブンシスターズとも言います。新セブンシスターズ:サウジアラムコ(サウジ)、ペトロナス(マレーシア)、ペトロブラス(ブラジル)、ガスプロム(ロシア)、ペトロチャイナ(中国)、イラン国営石油(イラン)、ベネズエラ国営石油(ベネズエラ))
 
 
埋蔵量ベースのシェア  「国際石油会社が完全にアクセス可能な埋蔵量」 は7%

画像:JOGMEC
 
 
石油利権をめぐる金融勢力の攻防はなかなか混濁としています。以下の年表の石油市場を取り巻く出来事は、☆がロックフェラー、★がロスチャイルドの仕掛けと考えていいでしょう。
 
1956 ☆イラン国際企業連合の設立→ロックフェラーの石油支配確立
1960 ★OPEC設立
1966 ★日本初の原発建設に着手(→1971年に完成)
1970 ★ローマクラブ → ピークオイル説の発表
1971 ☆ニクソンショック ⇒ 石油貿易をドル決済に固定(サウジアラビア)
1972 ★イラク石油国有化(→クウェート、ベネズエラ、サウジ等が続いて国有化)
    ★日本でLNG(液化天然ガス)を輸入開始
1973 ★第一次オイルショック
1978 ★第二次オイルショック
    ★イラン革命
1979 ☆スリーマイル島原発事故
    ☆イラクでフセイン政権誕生
1980 ☆★イラン・イラク戦争
 
ロックフェラーに対抗するロスチャイルドの仕掛けは、中東からの締め出しという、”入り口からの切り崩し”だけではとどまりませんでした。ピークオイル説やオイルショック、温暖化説によって、石油から、天然ガス(LNG)・原発への転換を推進。入り口だけでなく、出口からも切り崩すことによって、ロックフェラーの石油利権弱体化を図ったのです。
 
 


 
続いて、天然ガス、石炭ですが、両者は新興国(中国・インドなど)の猛烈な需要拡大によって、利権獲得のチャンスが生まれています。天然ガスについては、まさに今、激しい市場闘争を迎えていると言えるでしょう。
 
 
■巨大新興国の成長で激動する天然ガス市場 (リンク)
 
天然ガスは、原油と産出場所・産出過程が重複することも多く、その市場勢力は石油とほぼ共通。事業として、陸続きの消費地に直接ガスを送るパイプラインと、−162℃で液化して輸送するLNG(液化天然ガス)が存在します。
 
天然ガスについては、自国だけでなく陸続きの欧州にもパイプラインを張り巡らしているロシアが世界一のようです。(その量は、年間生産量約6000立米に、輸出量1800立米。ともに世界の2割を占めています。)その中心はメドベージェフ大統領が会長を務める国営企業ガスプロムで、西シベリアに世界最大級のガス田を持っており、そこから延長16万kmのパイプラインで欧州へも天然ガスを供給しています。またロシアは、近隣諸国(中国など)の需要増大の旨味にのっかり、輸出もさらに増やしています。
 
 
ロシアの主要なガス田

 
 
天然ガスにおける金融勢力の動きはどうでしょう?ロックフェラーはエクソン・モービル、ロスチャイルドはロイヤル・ダッチ・シェルが主要企業。ロスチャイルドが、ロックフェラーの握る石油利権を出口から切り崩すのに利用した切り札が液化天然ガス:LNGでしたが、ロスチャイルドのそれらの攻めにより追い詰められつつあったロックフェラーも、エクソンのカタールでのLNG事業プロジェクト参入に代表されるように、LNG事業に本腰を入れてきています。
 
また、エクソンは最近話題に上ることも多いシェールオイル・シェールガスの生産技術開発に着手しており、ロックフェラーも現物市場での巻き返しを図ろうとしているのがわかります。当然、この新たなエネルギー産出法であるシェールオイル・ガスには、シェルをはじめ、他の資源メジャーも注目しており、競って開発を進めている段階です。
 
 


 
■(石炭)アジアのエネルギー市場を狙うロスチャイルド (リンク)
 
石炭は、支配勢力が入り乱れている天然ガスとはまた異なり、鉱山資源という点で共通のウランと同じで、ロスチャイルドによる支配が根強いです。
 
石炭は古いエネルギーと思われがちですが、世界のエネルギー消費量を見ても、その3割は石炭で賄われているという状況で、依然として重要なエネルギー資源であることは明らかです。
 
その産出量のほぼ9割は現地国で流通し消費され、残り1割が貿易市場にのります。現在では、世界の石炭生産量の約4割を中国が消費しており、日本・中国・韓国・インドなど石炭大量消費国が密集するアジアの石炭市場は肥大しており、そこを握ればアジアのエネルギー市場を押さえることも可能と言えます。
 
 
世界の主な石炭貿易(2008年見込み)

画像:こちらより
 
 
石炭の大鉱山のあるオーストラリア・南アフリカ・アメリカの企業も、アメリカの石炭市場もロスチャイルドが握っていますが、さらに、アジアにおける石炭市場の拡大を見込んで、アジアでの石炭輸出の拠点獲得も狙っています。最近の顕著な動きとしては、スイスのロスチャイルド系企業グレンコアが、輸出量世界2位のインドネシア企業バクリの買収に漕ぎ着けようとしている、というのがありました。(2011.10.14)石炭大量消費国である中国・インドに近い、立地として最適なインドネシアの利権を手に入れる意味は非常に大きい。ロスチャイルドは、今後もアジアの石炭市場独占を進めていくと考えられます。
 
 


 
いかがでしたか?
 
ロックフェラーは、その力の基盤であった石油市場においてシェアが大幅に縮小している焦りもあり、原子力技術と天然ガス市場で何とか活路を見出そうとしている状況です。エネルギー市場においても、「追い詰められているロックフェラー」の姿が浮かび上がりますね。ロスチャイルドは、エネルギー市場でも覇権を拡大しようとまだまだ貪欲に画策しているようです。
 
しかし何より、今シリーズで大きな存在感を放っていたのが、ロシアでした。原子力、石油、天然ガス、石炭、あらゆるエネルギー市場に登場し、エネルギー大国としての強さを見せつけています。(第2回を参照)
広大な土地に資源を持ち、それから技術力もある。欧州と陸続きでそのエネルギーの元栓を握っている実情に加え、経済発展が急速に進む中国とは隣に位置し、その他アジアとも陸続き資源・技術・流通、あらゆる強みを兼ね備えている国家と言えます。
 
ということで、今後の追究の焦点は主に以下の2つ。
 
エネルギー市場における覇権を拡大中のロスチャイルド 今後の動きは?
エネルギー市場で確固たる存在感を見せるロシア そのスタンスと戦略は?
 
前者は、特に、スキャンダラスなニュースでも世間を騒がせている正統派5代目のナサニエル・ロスチャイルドが気になるところ。ロスチャイルド家のエネルギー番頭と目される彼の動きを読むことで、ロスチャイルドの動きの詳細がわかりそうです。
 
 
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それでは、次回にご期待ください。

List    投稿者 shimaco | 2011-10-30 | Posted in 06.現物市場の舞台裏9 Comments » 

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