2008-08-06

<食料価格高騰はなぜおこるの?>その5 穀物メジャーって?①食物貿易と輸送施設

前回は、お米の値段を扱ってみました。
お米の価格上昇、農業再生につながるか? 
 
日本のお米は、ミニマムアクセスとして100万トン規模の輸入義務がありますが、基本的には世界の食料輸出入と隔離されています。
*ミニマムアクセス:お米の関税を高く維持する。その代替として、一定量の輸入を行うこと。 
 
しかし、お米以外の穀物(小麦、大豆、トウモロコシ等)は、食料貿易の真っ只中に置かれています。因みに2006年の輸入依存度は、小麦87%、大豆95%、家畜の飼料となるトウモロコシは100%です。 
 
そして、世界の食料貿易を支配しているのが、穀物メジャーといわれる、巨大な食品企業です。
企業名を挙げておきます。最大企業のカーギル、第2位のADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)、コナグラ、バンゲの4大メジャーです。 
 
今回は、2日にわたって、この巨大な食品会社、穀物メジャーを解剖します。 
 
まずは、主要農産物の貿易率(生産に占める輸出の割合)です。国単位で食料の自給を目指しますので、貿易に回る比率は、他の工業製品に比べれば小さいです。しかし、大豆や小麦の貿易率は高いですね。 
 
□主要農産物等の貿易率(2006年)
foodexpri.JPG 
出典:食料・農業・農村白書19年度版
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次に穀物の輸出国を見てみます。
小麦は、米国、カナダ、EU、アルゼンチン、豪州の5カ国で世界輸出の70%。
トウモロコシは、米国、アルゼンチン、ブラジルの3カ国で世界輸出の85%。
大豆は、米国、ブラジル、アルゼンチンの3カ国で世界貿易の90%です。 
 
□主要農産物の輸出国別割合(2006年)
foodexpkuni.JPG
出典:食料・農業・農村白書19年度版 
 
日本が輸入依存している、小麦、大豆、トウモロコシ(家畜飼料)の輸出国は、米国とブラジル・アルゼンチンの南北アメリカ大陸の諸国ですね。 
 
それでは、輸出国からどの国に穀物が行っているか見てみましょう。 
 
農業協同組合新聞に掲載された「食料自給率を考える(2)」<(株)農林中金総合研究所基礎研究部>から、世界の穀物貿易の流れを見てみました。*図はポップアップにしてあります。図をクリックすると大きくなります。 
 
 
リンク 
 
食料貿易の太い流れが、米国、ブラジル・アルゼンチンから、アジアの日本、中国、台湾に向かっているのが分かりますね。
具体的には、米国から日本に向けて、トウモロコシ1445万トン、大豆354万トン、小麦297万トンが輸出されています。
中国には、大豆が、米国から1086万トン、ブラジルから610万トン、アルゼンチンから584万トン輸出されています。 
 
数百万トンの穀物を輸出する為には、生産地から輸出港までの輸送と貯蔵・保管の施設が必要です。
穀物は、かさばり、重量当りの価格が大きくありません。だから、輸送コストが一番安くなる水路・船での輸送が中心になります。 
 
模式で示します。穀物生産地で農場から穀物を買付け貯蔵・保管するのが、産地カントリーエレベータです。この産地エレベータから、列車を連ねあるいは巨大河川のバラ積み船を使って、輸出積出港のポートエレベータまで運び、貯蔵・保管します。そして、大型船舶で輸出します。 
 
□穀物輸送の流れ
logi02.JPG 
 
北米大陸での内陸輸送路は、大きく3ルートになります。
5大湖・セントローレンス河・ハドソン河と連なり、最後にニューヨークに集積してくるルート。
最大の河川流域をもつ、ミシシッピー河で輸送され、最後にニューオーリンズに集積してくるルート。
オレゴン州とワシントン州を流れるコロンビア・スネーク河で、ポートランドに集積してくるルートです。 
 
□北米の主要内陸輸送水路(これもポップアップ!) 
 
出典:カーギル・アグリビジネスの世界戦略(大月書店、1997年刊) 
 
○5万トン容量のカントリーエレベータ
Countryev.jpg 
 
写真はシカゴ絵日記さんからお借りしました。 
 
輸出する上で必須の貯蔵庫(エレベータ)と輸送路のネットワークを、独占的に保有しているのが、穀物メジャーです。
日本の商社や農協系の会社が、この保管施設・輸送路を保有しようとしましたが、なかなか、穀物メジャーの牙城を崩せていません。 
 
次は、穀物メジャー本体に迫ります。 
 

List    投稿者 leonrosa | 2008-08-06 | Posted in 06.現物市場の舞台裏2 Comments » 

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コメント2件

 hassii | 2008.12.04 21:31

エッ続きを読むが無い!
日本銀行の建物は何処も威厳を持たすような造りであること、著名な日本銀行出身者を多く輩出していることなど印象に残っています。
最近では総裁指名を巡ってのドタバタがありましたがどうしてすんなり決まらなかったのか?日本銀行の深いところで何が起こっているのか?明らかにしていただくとありがたい。

 コバヤシ | 2008.12.05 15:35

>hassiiさま
>エッ続きを読むが無い!
そうなんです。続きは乞うご期待ということで・・。

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