2007-04-01

シリーズ「不動産投資ファンドの成長は続くのか?」5

【第5回:J−REITの危うい実態】
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(モルガン・スタンレー現CEO)
今回はJ−RRITの実態と今後の動向をみてみます。(前回は こちら
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各社の決算も発表されて、国内外の不動産ファンドが投資を加速しているように見えます。
特に都心部において過熱感があります。
しかし、昨年末12月23日号の「週間ダイヤモンド」に上場40銘柄を徹底分析!J-REITの危うい実態と題した記事が掲載されたり、
’07年02月01日の日本経済新聞にJ-REITの動向が掲載されました。
さてその内容は・・・。
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■J-REITは’01年9月に登場して以来、成長を続けている。昨年末、日本ビルファンド投資法人を始めプレミア投資法人やユナイテッド・アーバン投資法人、森ヒルズリート投資法人などが、新高値更新しました。(最新の終値、分配金、利回り等
■外資では米モルガン・スタンレーが日本で新たに最大2兆円規模の投資に踏み切るほか、米大手のブラックストーン・グループも参入を決定。国内勢の運用資産も約11兆5000億円と、一年前に比べ約5割増えた。ただ、 優良物件を巡る取得競争の激化で都心部では過熱感も出ており、資金力や運用実績でファンド間の格差が広がりそうだ。
モルガンは近く、世界の不動産に投資する新ファンドの資金調達を完了する。機関投資家などから総額80億ドル(約9,600億円)を集め、現段階では世界の不動産ファンドで最大規模だ。同社は東京都心部のオフィス空室率低下などから「今後も賃料上昇が見込める」としており、総資金の最大4割程度を日本に振り向けるとみられる。
 モルガンの日本の不動産投資は既に約2兆円と外資最大。外部から調達する借入金も加えて、今後数年の投資余力はこれに匹敵する規模になる。
■ブラックストーンは、100億ドル(約1兆2,000億円)超の不動産ファンドの募集準備に入っており、調達資金の一部を日本に振り向ける意向。同社は全日本空輸が昨年末から買い手を募っている13ホテルの入札に名乗りを上げ、有力候補に浮上しているようだ。
■国内勢も投資を拡大している。住信基礎研究所によると、私募ファンドと不動産投資信託(REIT)を合計した国内ファンドの運用資産は昨年12月末時点で11兆5,090億円。前年末より48%増え、初めて10兆円の大台を突破した。
 野村ホールディングスが日本政策投資銀行と最大5,000億円規模のファンド立ち上げを決めたほか、さらに野村不動産、りそな銀行と新ファンド設立を発表するなど、国内金融機関の参入も目立つ。
■不動産ファンドが投資を加速しているのは、世界的に低金利が続き、より高い利回りを求める投資家の資金が流入しているためだ。東京の不動産価格が欧米に比べて割安な点も追い風になっている。
■東京都心の大型オフィスビルの取得価格に対する投資利回りは平均で約3.5%と、まだまだ長期金利を約1.8%上回る水準である。取得価格高騰でニューヨークやロンドンの投資利回りは長期金利とほぼ同水準まで低下しており、投資先としての魅力を落としている。
しかし、、 
一方、国内最大手のダヴィンチ・アドバイザーズが昨秋、東京・丸の内の複合オフィスビルを約2,000億円で取得するなど、物件価格上昇も目立ってきた。
金融庁が不動産バブルの再来を事前に防止するため、金融機関の不動産ファンド向け融資への監視を強めている。金融機関が中小ファンド向けを中心に融資を控える可能性もあり、資金力や運用力でファンドの選別が進む公算が大きい。
実際、新規上場した不動産投信の市場価格が、公募価格を下回るケースも出ている
ホテルだけで運用するなど特徴のある商品は高い人気を維持しているが、賃貸マンションを対象にした商品などは競合が激しく、投資家離れが進んでいる事情がある。

また、不動産投信のブームにより、都心部での物件不足も表面化しており、高値で取得する例も増えていると言われている。
近い将来、利回りの高い物件が枯渇するとの指摘も出ており、みずほ証券の石沢卓志・チーフ不動産アナリストは「06〜07年は、1兆円規模で保有資産が拡大するが、08年には優良物件が不足し、市場は頭打ちとなる」と予測しています。
以上、要点をまとめると、次のとおりです。
・海外運用も解禁へ。
・世界水準では「割安」で海外勢が注目。
・M&Aは不可避。
・J-REITは飽和状態の兆しが見え始めている。
・新規上場の急増で中身は玉石混合。物件取得の遵法製に金融庁が注視。
・資金繰りが悪化している投資法人も存在する。
・地銀が撤退し始めている。

つまり、J-REITは飽和状態の兆しが見え始めているのです。
実際に2月〜3月に発表された各投資法人の決算では、分配金が当初予測より高めの所が多く、
表向きまだ好調のようです。しかし、その要因は経費削減や売却益によるものが多く、運営会社の能力によるものではないのです。
「好調」は見せかけ と言えます。  
次回はもう少し詳しく決算データ等を分析し、今後の動向を見ていこうと思います。

List    投稿者 mukai | 2007-04-01 | Posted in 04.狙われる国の資産2 Comments » 

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コメント2件

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