2007-05-20

シリーズ「不動産投資ファンドの成長は続くのか?」7

【第7回:日本における外資の実態(ゴールドマン・サックス編)】
日本での外資の動きとして、ゴールドマン・サックスの日本における実態をまとめます。(前回は こちら
 
goldman_sachs.gif
 
一口に「ゴールドマン・サックス」と申しましてもいろいろありまして、しかも形上はファンド会社ではないんです。以下に示す様に日本では投資銀行、証券・アドヴァイザー業務が顔ですが、実態は「少しばかりのコンサル業務がくっついた巨大ヘッジファンド」と云われております。
【日本でのGS設立会社】
・GSJCL(ゴールドマン・サックス証券株式会社)
・GSAMC(ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメント株式会社)
・GSRJL(ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン有限会社)

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ゴールドマン・サックスの実態(日本版)
■本家ゴールドマン・サックスについては、こちら
■1974〜1980年代【日本進出〜基盤構築
1974年1月 東京駐在員事務所開設
1983年11月 東京支店に昇格
1986年2月 東京証券取引所(正会員)加入
1988年11月 大阪証券取引所(特別参加者)加入
1989年   外資系証券会社として初めて日本企業(住友コンピューターシステムズ)の上場幹事を務める
1989年4月 東京金融先物取引所(清算会員)加入
■1990年代【証券・アドバイザー業務の本格化
1990年7月 大阪証券取引所(正会員)加入
1991年   東京電力ユーロドル債、大阪ガスのカナダドル債の主幹事を努める
1994年   NTTのニューヨーク証券取引所上場アドバイザーを務める
1996年   日本たばこ産業の第二次売却の共同主幹事を努める
1998年〜  NTTの政府保有株売出しの幹事等を努める。この頃から急拡大。
1999年   日本長期信用銀行の投資家への売却アドバイザーを務める
■2001年以降【儲かるものはなんでも買収(提携ともいう)時代へ
2001年 ・三井住友ファイナンシャルグループを12.7億米ドルで買収(2005年には売却)
    ・スターバックスコーヒー・ジャパンのナスダック・ジャパン新規株式公開の単独主幹事を努める
    ・ゴールドマン・サックス日本アドバイザリーボードの設立
    ・空売り規制違反、兼業業務の承認等に係る法令違反による行政処分を受ける
2003年 ・ダイエーから新浦安オリエンタルホテル(浦安市)、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸市)、 なんばオリエンタルホテル(大阪市)、ホテルセントラーザ博多(福岡市)の4つのホテルを買収
2004年 ・日本のパチンコ・パチスロ機大手のアルゼの株式9%を取得
    ・ジャスダック証券取引所加入
    ・J-REITの資産運用会社ジャパン・ホテル・アンド・リゾートを設立
    ・地方の温泉旅館の再生支援に乗り出す(一部では乗っ取りといわれている)
2005年 ・経営再建中の準大手ゼネコン「フジタ」に出資。一般事業会社への多額出資は異例。
    ・東京工業品取引所加入
    ・不二家株のインサイダー疑惑。2億円を儲けたと言われる
    ・経営不振の大阪USJが、ゴールドマン・サックスに250億円の増資引き受け。不平等条項が問題視される(週刊ポスト)
    ・寄居カントリー倶楽部に対し会社更生法の適用を申し立て、スポンサーとなる
2006年2月 ジャパン・ホテル・アンド・リゾート(J-REIT)が上場。ホテル特化型ファンド上場の初ケース
2006年11月 ㈱パームヒルズゴルフリゾートを買収
※ゴールドマン・サックスのゴルフ場運営会社アコーディア・ゴルフのゴルフ場一覧は、こちら
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■日本でのゴールドマン・サックスの動きは、意外と表に出てこないことが多いようです。アメリカ経由の政治力や人脈を使った裏の活動がお得意。(裏だから一般人には分からないので心眼で評価・・・)。でも、最近はゴルフ場やホテルの買収などで、表もお盛んになってきてます。
 
長銀買収劇の裏技は結構有名な話ですので、改めて引用しておきます。ゴールドマン・サックスの性格と申しますか、原点がここにあるような気がしています。
 

リップルウッドの日本進出の水先案内人を務めたのが三菱商事。三菱商事がリップルウッド本体に出資し、三菱商事会長の槙原稔(現相談役)氏は、新生銀行の非常勤(社外)取締役に就任しています。
 
長銀破綻・売却のアドバイザー契約を「日本側」と結んでいながら「瑕疵担保特約」を認めたのがゴールドマン・サックス。長銀売却の圧力を日本政府にかけたのが米国財務省だったと言われており、アドバイザーにゴールドマンを推したのがゴールドマン・サックス元会長のルービン前財務長官だったとされる。
 
買い手側として交渉に臨み、現在も新生銀行の社外取締役を務めているJ・クリストファー・フラワーズは、「ゴールドマン・サックスグループ世界的活動の責任者」として平成10年までゴールドマン・サックスにいた(元共同経営者)人物だった。このフラワーズが先ほど書いた「返却した21億円」を振り込ませた1人でもあったのだ。
 
ゴールドマン・サックスが長銀から受取ったアドバイザー料は6億円だったが、長銀の資産を算定した報告書を新生長銀に55億円で買取らせたと言う話まである。
ゴールドマン・サックスが買収先として推薦したのがリップルウッド・ホールディングであり、ゴールドマン社で長銀処理を担当したユージン・アトキンソンは、その後リップルウッドの副社長に就任している。
 
さらにゴールドマン・サックスの受け取ったコンサルタント料は200億円とも言われている。そして、長銀を10億円で“身内”に売ったのである。
これらは、「出来レース」どころか「むちゃくちゃ」な話ではないか。
 
引用元は、こちら

 
★上記データは、ネット検索で挙がった情報をまとめたものであり、まだまだ裾野は広いのだろうと思われます。何か情報が御座いましたら是非お教え下さい。また、本データは予告無く更新、訂正される場合が御座います。 
 
★関連するブログ等
 
阿修羅/ゴールドマン・サックス 最強外資「荒稼ぎの手口」
 
お疲れ様でした。次回は、「その他外資の総括り」編です。
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List    投稿者 cosmos | 2007-05-20 | Posted in 04.狙われる国の資産9 Comments » 

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コメント9件

 kubokawa | 2007.06.15 15:06

社会保険庁が年金を消しちゃったのがそもそもの原因では?

 春風 | 2007.06.16 3:23

本当に困っていて福祉によって助かっている人も中にはいると思いますが、その反面(?)それを利用して働かなかったり、より裕福になるような人もいるんだと思います。
本当に必要な人に必要な分が支給されるような制度が作れればいいんだろうけど・・・
それをみんなで考えていけばいいのかなー?と思います!

 日本人 | 2007.06.16 11:48

官僚、役人は頭がいいはずです。なんでそんな人たちが、いい知恵を出し合いまとめられないのでしょうか??

 watami | 2007.06.16 22:04

kubokawaさん、春風さん、日本人さん、コメントありがとうございます。
 
「本当に必要な人に必要な分が支給されるようにするにはどうすればいいの?」というのが、福祉制度の最大の課題だと思います。
 
考えるひとつの切り口として、福祉制度の全身、村落共同体の相互扶助はどのようにしてなりたっていたのか、参考になるHPがありましたので、紹介します。
乱読の森:宮本常一「忘れられた日本人」より
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読んでやはり強く興味を引かれたのは、本書の冒頭から描かれる「村の寄りあい」の話だろう。
<村でとりきめをおこなう場合には、みんなの納得のいくまで何日でもはなしあう。はじめには一同があつまって区長からの話をきくと、それぞれの地域組でいろいろに話しあって区長のところへその結論をもっていく。もし折り合いがつかねばまた自分のグループへもどってはなしあう。用事のある者は家へ帰ることもある。ただ区長・総代はきき役・まとめ役としてそこにいなければならない。>(本書p.13)
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みんなが納得するまではなしあう場が村の政(まつりごと)だったことが伺われます。
 
いちがいに「福祉」と言っても、お金がないのか、介護してくれる人がいないのか、ひとりひとり必要とすることが違うので、昔の寄り合いのような場を作ることが、必要なんだと思います。
そのような場がないと、いくら頭が良い役人が集まったところで、ろくな制度ができないんでしょうね。

 kiku | 2007.09.05 11:17

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健康な人々にとっては、社会保障の必要はないと考えられるかもしれませんが、高齢・病気の人々は自分で給与をかせぐことができないのです。
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