2008-06-13

水面下で進む国富ファンドの日本への不動産投資

その規模の大きさで、投資市場への影響を危惧されている国富ファンド。
従来は、運用先の中心は米国債で、ドルが基軸通貨として安定している間は、安全な運用先として機能し、さらに米国の経常赤字の穴埋めとして機能して来た。
しかし、この間のサブプライム問題以降、ドル安懸念が噴出。国富ファンドは投資先を多様化すると共に積極的運用に乗り出している。
その投資先として、日本も取り上げられる訳だが、結構身近な不動産 にもその投資先は及んでいるのには驚いた。
その一例として既に2000年以降から投資を活発化しているシンガポールの国富ファンドの投資先を紹介したい。

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シンガポールの国富ファンドは、大きく下記のようになっている。
○政府投資公社
  |
  |—GICリアルエステート
  |—GICアセットマネジメント
  |—GICスペシャルインベストメンツ
○テマセク
  |
  |—キャピタランド
  |—政府系企業群
  |
まず、政府投資公社は、
・ 2001年:川崎テックセンター(148億円)※既に転売済み
・ 2004年:品川シーサイド東西棟(425億円)
・ 2007年:福岡ホークスタウン(1,000億円)
・ 2008年:ウエスティンホテル東京(770億円)を購入
政府投資公社の傘下のGICリアルエステートは、
・ 2005年:仙台のイオン富谷ショッピングセンターを買収
・ 1500億円の不動産ファンドを設け、府中・藤沢・阪神御影・水戸・神戸などで、住友商事と共同で商業施設・都市開発を行っている。(資金提供はGIC)
もう一方の政府系ファンドのテマセクは、
・ 2003年:ラパーク瑞江(55億円)
・ 2005年:イズミヤ枚方店(75億円)
・ 2005年:ビビットスクエア南船場(210億円)
・ 2005年:イトーヨーカ堂千歳店(53億円)
・ 2005年:福岡アイランドシティー(80億円)などに投資している。
ざっと、シンガポールの事例を上げただけでも、これだけあり実態はもっとあるのだと思われるが、意外に地方の物件にも投資の手が及んでいることには驚いた。
これは国富ファンドが、余剰資金の投資先を探し続けているという事もあるが、その実は日本の銀行や商社などが、優良物件を選んで、積極的に売り込みを図っている実態もある。
停滞する日本経済の中で、国富ファンドを昔の旦那衆になぞらえ、歓迎する向きもあるのだが、果たしてそう考えていて良いのだろうか?
利益を生めない物件は、相手にされないので日本で処理するしかなく、利益を生める物件だけが買われて行く。そして、そこで働くのは日本人で、うまく不動産価格を吊り上げ、売り抜けて得られた利益は全て他国の蓄積となるだけである。
余談ではあるが、あるアラブの国富ファンドの幹部は来日した時に、「東京は建物が低く驚いた。ビルの上部空間をまとめ買いできないか」と尋ねたという。バブル のにおいがプンプンするが、世界の余剰資金は留まるところを知らない様だ。
国家が市場に乗り出すとはどういう事なのか?考える必要が有りそうです。

List    投稿者 tamimaru | 2008-06-13 | Posted in 04.狙われる国の資産6 Comments » 

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コメント6件

 ブログ de なんで屋 @東京 | 2008.10.04 14:03

刻々と変わる経済状況・・・。

アメリカ発金融破綻を前に様々な観測が飛び交っています。本当のところ、どうなっているのか? これからどうなるのか?

 leonrosa | 2008.10.04 14:18

1980年代のS&Lの破綻と現在の比較が、2006年数字で比較されているので、チョット事態の深刻さが明快になっていないですね。
日本の財務省が民主党向けに出した資料があります。
http://www.dpj.or.jp/news/files/080917MOF.pdf
それによると。
2008年6月の住宅ローン残高、12兆ドル。
月間の発行規模、1,422億ドル。
延滞率は、2008年第Ⅱ四半期で、
サブプライムローン18.7%
変動金利型サブプライムローン21.0%
プライムローン3.9%
全住宅ローンベース6.4%
つまり、S&L危機の時は、8000億ドルの残高に対して、延滞率(破綻率)6%弱。
不良住宅ローン金額480億ドル(約5兆円)。
対して、現在は、12兆ドルの残高に対して、延滞率6.4%。
不良住宅ローン金額7,700億ドル(80兆円)です。

 わっと | 2008.10.04 23:28

コメントありがとうございます。
元々の不良債権額も桁違いになっているのがよくわかります。
まさに、生半可な対策では乗り越えられないのは明らかですね。

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