2008-06-28

シリーズ「どうする?市場の独占支配」4

 
【第4回:資源メジャーの再編と独占④】
 
 
鉄鋼石の3大メジャーといえば、BHPビリトン社、リオ・ティント社、リオ・ドセ社(呼称ヴァーレ)。ちなみに、3大非鉄メジャーは、BHPビリトン社、リオ・ティント社、Anglo American社。 (前回は、こちら)
 
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     BHPビリトンのロゴ (2つがくっついて1つになったというロゴですか・・・?)
 
 
すでに知られているように、BHPビリトン社がリオ・ティント社に買収を仕掛けており、それを巡って様々な駆け引きが行われています。買収が成立すると、鉄鋼石では2大資源メジャーという寡占状況になるわけですが、これは明らかに異常な状態。しかし、BHPビリトン社とリオ・ティント社は同じ資本家系列に属するともいわれており、そうだとすると買収劇は実は表面的なことに過ぎないのかも知れませんけど・・・・    (前回は、こちら)
 
 
これら資源メジャーの経歴をまとめておきます。
まずは、BHPビリトン社。名前から分かるようにBHP社とビリトン社が合併した会社。主要な引用元はこちら
 

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■BHP ビリトン社(BHP Billiton Ltd、BHP Billiton plc)
 
□本社       BHP Billiton Ltd: オーストラリア・メルボルン
           BHP Billiton plc: イギリス・ロンドン
□主要事業    非鉄金属鉱山、ダイヤモンド、石油・石油製品、石炭、工業原料、鉄鉱石
□従業員数    35,070人(2004年6月末—合弁・関連会社を除く)
□主要関連会社 エスコンディーダ社(Minera Escondida Ltd.:57.5%)
           チンタヤ社(BHP Billiton Tintaya S.A.:99.95%)
           マウント・ニューマン社(Mount Newman Mining Co. Pty Ltd.: 85%)
           QNI社(QNI Pty Ltd.: 100%)
           サマンコール社(Samancor Ltd.: 60%)
□沿革
BHP社は1885年オーストラリアBroken Hillにおける鉱山開発を目的に設立された。その後、資源関連企業を次々と買収することで、鉄鉱石などの鉄関連分野さらには石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー資源分野に進出し、今日世界有数の総合資源企業に成長した。
 
 
■BHP社
 
【1885年】探鉱・開発のために組織されたシンジケートが、オーストラリアNew South Wales州Broken Hillにおいて、当時世界最大と言われた銀・鉛・亜鉛鉱床を発見した。シンジケートは、自らが創立者となってBHP社を設立、1888年までに世界3位の銀プロデューサーとなった。その後、BHP社はBroken Hill鉱山の衰徴に伴い鉄を中核として事業を展開
【1899年】South Australia州の鉄鉱石鉱床(Iron Knob、Iron Monarch)に鉱業権を取得する
【1915年】Sydney北部のNewcastleで鉄鋼生産を開始した。
【1935年】Australian Iron and Steel Ltd.社を買収し、新たに溶鉱炉を建設するなど積極的な活動を展開した
【1939年】一方で発祥の地であるBroken Hill鉱山の操業を停止した。
【1950年代から60年代】鉄関連事業を継続する一方で、新たな活動領域を求めて石油および天然ガス資源の開発に乗り出した。
【1970年代から80年代前半】企業買収、新規プロジェクトの立ち上げ、既存プロジェクトの拡張により事業を拡大した。中でも非鉄分野で特筆されるのは、Ok Tedi鉱山およびEscondida鉱山への参入である。
【1968年】Ok Tedi鉱山が、Kennecott Copper Company社の地質技術者によって発見された。
【1975年】Kennecott社が撤退したのを受けて、BHP社を中心とするコンソーシアムが権益を取得し、1980年パプア・ニュー・ギニア政府によりプロジェクトの承認を受けた。
【1981年】一方、Escondida鉱山はGetty Minerals社とUtah International社のJVにより発見された。
【1984年】Utah International社買収によってBHP社は同プロジェクトに参入した。
【1989年】Pacific Resources Inc.社を買収し、石油精製およびその下流分野に進出した。
【1996年】BHP社の100%子会社BHP Sub Inc.社がMagma Copper社 を買収し、米国、ペルーにおける両社の銅資産を統合した。この際、BHP Sub Inc.社はBHPCopper社と社名を変更し、当時世界2位の銅プロデューサーとなったが、銅の価格低迷と高コスト体質により1999年8月までに米国銅資産の操業を全て停止した。
 
 
■ビリトン社
 
【1860年】当時オランダ領であったインドネシア群島のBilliton島の錫鉱山開発のためにBilliton社は、設立され、現在はオーストラリア、南アフリカ、南米を中心に事業を展開しており、アルミニウム、ニッケル等の大生産者である。インドネシア群島の鉱山開発のために設立された同社は、当初オランダで錫及び鉛製錬を行っており、1935年にはインドネシアBintan島で、1941年にスリナムでボーキサイトの開発を開始した。
【1970年】Royal Dutch Shell Group(ロスチャイルド)がBilliton社を買収、
【1994年】Gencor社がRoyal Dutch Shell GroupからBilliton社を買い取る。
【1997年】Gencor社の貴金属以外の資産が分離独立し、現在のBilliton社となった。Billiton社はGencor社の100%子会社。CEOは、Brian Gilbertson。
【2000年10月】ペルーのAntamina鉱山等の権益を保有していたRio Algom社を買収し、大きな銅資産を獲得することとなった。なお、Rio Algom買収に対しては、Noranda社も名乗りを挙げていたが、最終的にBilliton社が買収することとなった。
 
 
■BHPビリトン社
 
BHP社とビリトン社は、鉱種、事業対象地域に重複がなく、相互補完の関係にあり、両社の合併は鉱物資源及びエネルギー資源分野における、ダイナミックでかつ有能な経営陣による強力な資源開発企業となるものと判断され、2001年6月29日に正式にBHP Billitonとしてのスタートを切った。この合併では、両社はDual Listed Companies(DLC)として統合的な経営を行う本社をMelbourneに置き、その下に、BHP Billiton Ltd.(豪)とBHP Billiton plc(英)の2社体制の企業組織とするもので、それぞれこれまで通りオーストラリアとLondon市場を主要市場として上場して経営を行う。
 
【2001年6月】BHPとビリトンが合併し、BHPビリトン社が誕生。鉄鋼生産から撤退し非鉄・資源製品をコア・ビジネスに転換。株式時価総額で資源メジャー首位に立つ。CEOはBHP出身のPaul Anderson。
【2002年6月】CEOにビリトン出身のBrian Gilbertsonが就任。この交代は合併時の合意による。
【2003年1月】Brian Gilbertsonが突如の辞任。新CEOにCharles Goodyearが就任。
【2005年6月】豪州WMC Resourcesを買収し世界最大と云われるウラン資源を獲得。同時に銅・ニッケル分野を強化する反面、石油・天然ガス・石炭・ウランなど総合的なエネルギー企業へと脱皮しつつある。
 
 
 
合併後のCEO交代劇がなかなか興味深いので、挙げておきます。引用元はこちら 
 

2003年1月4日にMelbourneで開催された役員会の直後に、CEO在任僅か6か月のBrianGilbertson が突然辞任する旨、発表された。後任にはChief Development Officer(London)のCharles Goodyearが就任することになった。
 
この“近年鉱山業界で最も成功した経営者”と称された人物の電撃的辞任の理由は役員陣との“妥協し難い意見の相違”があったと云うだけで、詳細は発表されていない。しかし、真相は買収などによる積極的拡大路線を主張するGilbertsonとMagma Copper買収の失敗に懲りて内部成長を優先し、買収には慎重な保守的路線を採る旧BHP経営陣との対立に原因があったと云われている。
 
しかし、専ら不良債権の売却を行い、既存資産の拡大及び新規プロジェクトの開発による内部成長路線を維持すると云う保守的な経営方針を採って来たBHP Billitonは2004年末以来繰り広げられてきたスイスXstrataによるWMC Resourcesの買収劇に2005年3月突如参入し、同年6月総金額92億豪ドル(73億米ドル)にて逆転買収に成功している。
 
WMC Resources はOlympic Dam 銅・金・ウラン大型鉱山を保有するとともに、世界第3位のニッケル鉱石生産業者でもある。この買収に関しては第一次産品市況サイクルのピークにあると思われるこの時期に73 億ドルもの巨額を投じるのは大きなリスクであると観測する向きもあるが、BHP Billiton は中国に牽引される旺盛な商品需要はまだまだ長期間続くとの見方を採っているためと云われる。

 
【雑情報】
BHPビリトン社は北京オリンピック及びパラリンピックのオフィシャル賛助企業。メダル製作に必要なすべての専用金属原材料を提供。
 
【問題】
1.中国とBHPビリトンは仲がよいのか?悪いのか?
2.BHPビリトンは誰のもの?
 
 
 
by コスモス

List    投稿者 cosmos | 2008-06-28 | Posted in 04.狙われる国の資産No Comments » 

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