2008-10-18

シリーズ「どうする?市場の独占支配」7

 
【第7回:ハゲタカは死なず・・・再来】
 
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各国の協調によるカンフル剤で一命を取り留めた金融市場ですが、アメリカの余命は自身の体力では保たず中国・日本からの輸血と点滴頼みの様相なのですが、それで回復しつつあるのは寄生虫たる金融資本という皮肉。(前回は、こちら
 
実際のところ、アメリカ国家は破綻寸前に追い込まれ、一部の銀行や証券は破綻し、今後長期に渡って課税負担の増える国民を尻目に、問題をばらまいた張本人の金融資本は血を吐くこともなく生きながらえるという不条理がまかり通ったというのが現実。彼らは都合が悪くなればアメリカから逃げ出せば終いという身軽さで、本当に損失を出したのかさえ疑いたくなるところではあるのですが、その辺はいずれ明らかになってくることでしょう。(事実損は出したのでしょうが、逆張り利益も相当に得ているのでは? また、今までの利益も考えてどうなん?ってことです)
 
ここ数週間のモラル無視、何でもありのてんこ盛り金融対策、株価暴落と反発暴騰、新興国の破綻懸念など、ニュースには事欠かず、見ている方もいっぱいいっぱいなのですが、意外とスルーされている「なんじゃこりゃ〜!?」という記事を御紹介します。このシリーズでは見逃せないのがこちら。
 

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メリルリンチはアジアの不動産市場への投資を目的に約2700億円の資金を調達[香港 14日 ロイター]
 
 メリルリンチは、アジアの不動産市場への投資を目的に26億5000万ドル(約2700億円)の資金を調達した。アジアの不動産価格が下落するなか、一部ファンドは安値での不動産取得を期待している。
 
 メリルは「アジア不動産オポチュニティ・ファンド」は主に日本や中国、韓国、インドに投資するとした上で、東南アジアとオーストラリアへの投資も検討するとした。
 
 世界金融危機を受けて株価が急落する一方、不動産ファンド運用会社は依然としてクローズドエンド型のプライベートエクイティファンドに対する投資を呼び込めるとみている。
 
 メリルリンチによると、同社のアジア不動産ファンドに投資する投資家には年金基金や各種基金のほか、北米や欧州、中東、アジア地域の個人投資家が含まれる。
 
 同社のアジア商業用不動産部門責任者、ティム・グラディ氏は「中長期的視点からアジア不動産市場には特別な機会があるとみている」と述べた。
 
 アジアの不動産市場に特化する多くのファンドは、不動産ブームが低迷しつつあることから来年が買い時との見方を示している。
 
 数十億ドル規模の資金調達を計画しているシティグループは中国とインドへの投資を増やしたいと考えている。JPモルガンは8月時点でロイターに対し、同社の特別委員会がアジア不動産市場に今後3年間で総額10億ドル以上を投資する計画だと明らかにした。またモルガン・スタンレーは、調達する100億ドルの世界不動産ファンドのうち約5分の1を中国に割り当てた。

 
■もう一つ・・・・
 

J─REITに03年以来の相場到来、下値リスクは限定的=ゴールドマン[東京 16日 ロイター]
 
 10月16日、ゴールドマン・サックスがJ─REIT市場はボトムに近い水準にあるとの見方を示した。
 
 ゴールドマン・サックス証券(GS証券)は、16日付のリポートで、デフォルトリスクを過度に織り込んだJ─REITの下値リスクは限定的で、J─REIT市場はボトムに近い水準にあるとの見方を示した。
 
 J─REIT市場ではニューシティ・レジデンスの破たんをきっかけに、パニック的な売りが拡大し、東証REIT指数は10月14日に798.49まで下落。分配金利回りのスプレッドも過去最高の8%に達している。16日の東証REIT指数は749.05で引けた。
 
 こうした中で、GS証券がJ─REIT市場のボトムは近いと判断した理由は、
1)所有不動産の賃料収入は安定しており、下方修正リスクは小さい
2)現在のJ─REIT加重平均スプレッド8%は、同じく調整局面にある諸外国のREITと比較してもかなり割安、3)J─REITのインプライド・キャップレートは不動産市場の直近ボトムだった03年よりも高く、株価は想定される悪材料を織り込み済みで下値リスクは限定されていると判断す。──の3点。
 
 ただGS証券では、今後も国内、外資系金融機関ともに貸し出しの縮小が続き、不動産市場は買い手不在の状況が続くとみている。このJ─REIT市場と不動産市場の見方の違いについては、実物不動産市場の悪化は今後も予想されるが、J─REIT市場は既にデフォルトリスクを過度に織り込んでいるとみられるため、不動産セクターよりも下落幅は小さいと判断しているため。また最近のマンション販売不振やオフィス市場の悪化で、不動産会社の来期ガイダンスは芳しくないと予想している。
 
 GS証券では、今回、さらなる不動産市場の悪化を前提に、賃料下落とキャップレート上昇を織り込み、J─REIT市場で同社がカバーしている15銘柄の今後12カ月の目標株価とレーティングを変更した。その際、レーティングが「中立」から「買い」に変更されたのはジャパン・リアルエステイトと日本リテールファンド投資法人の2銘柄。

 
 
予想はしてたけど早すぎ....戦略的に日本金融市場のミニバブル創出を目論んでいるのかも知れない(注:もう少し先の話ですよ)。とにかく仕掛けた方が勝ちというのは彼らの分かりやすい行動様式。今、世界で投機が可能なのは日本ぐらいでしょうが、今後のアジアシフトは明確になりつつある。彼らの頭の中は、徹底的に金儲けしかない。(その為に存在していることは自負しているので悪気などちっともありゃしない。いずれ、アメリカが底を打ったらそこでの巻き返しも考えてもいることでしょう。)
 
挙げた記事に出てくる面々には運用資金が見込めているということなのですが、彼らは資本注入されている立場。それなのに、それなのにぃ〜・・・・
 
・メリルリンチ:9月にバンク・オブ・アメリカへ身売り。【資本注入250億ドル(BOAと合わせて)】
・シティグループ:昨年アブダビ投資庁(ADIA)から75億ドルの融資受け。【資本注入250億ドル】
・JPモルガン:【資本注入250億ドル】
・モルガン・スタンレー:三菱UFJが出資。【資本注入100億ドル】
・ゴールドマン・サックス:【資本注入100億ドル】
 
 

[ワシントン 13日 ロイター] 複数の関係筋によると、米政府は国内金融機関に総額2500億ドル(約26兆円)の資本を注入する計画を14日に発表する。うち1250億ドルは大手9行に注入する。
 
 関係筋がロイターに明らかにしたところによると、財務省が株式を取得するのは、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの7行。
 
 さらに他のメディアによると、ステート・ストリートとメルリンチも資本注入を受ける見通し。
 
 ニューヨーク・タイムズ紙によると、資本注入額はシティ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴが各250億ドル、ゴールドマンとモルガン・スタンレーが各100億ドル。

 

[17日 ロイター] シティグループやJPモルガン・チェースなど米大手金融機関は17日、金融安定化法に基づく公的資金による資本注入を受け入れる方針を明らかにした。
 
 注入額は、シティとJPモルガン・チェースが250億ドル、モルガン・スタンレーが100億ドル、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが30億ドル。
 
 財務省に対し優先株や株式引受権(ワラント)を発行する。

 
■ところで、いつも勉強させて頂いている「株式日記」さんの記事
 

株式日記  10月14日
 
アメリカがダメになった以上は日本が世界の金融センターとなっていかなければなりません
 
アメリカがダメになった以上は日本が世界の金融センターとなっていかなければなりませんが、日本の政治家や官僚にはそれだけの大きな戦略は無理なのだろう。しかし国力というものは人口の多さでもなく国土の広さでもなく経済力の大きさだけでもない。スペインーオランダーイギリスと世界の覇権国家が交代してきましたが、みんな日本よりも小さな国だ。
 
それがなぜ世界覇権を取ったのかというと技術力であり、最先端の兵器を駆使して戦争に勝ってきた。しかし現代は熱戦の時代は終わり経済戦争が世界の覇権を決める時代だ。その中で経済力のバロメーターである通貨で円が一番強い。つまり通貨戦争での勝利者は日本である。中国の元という人もいるが元は18%切り上げただけで中国経済は技術力がないから輸出競争力が無くなってしまった。

 
■株式日記さんの日本の世界金融センター化期待は、「日本が金融の主導権を握る」という前提があってのことで、故に現在の政治家や官僚では無理、と括られています。
 
しかし、世界の流れは日本の経済力期待に傾斜していくことは間違いありませんし、日本の世界金融センター路線は既に政策的に流れができているのでマジ話です。アメリカの金融がシステムごと倒れましたので、再生するには信用力の強いところが必要なのでしょう(世界中にゴミを撒き散らしたアメリカのウォール街やイギリスのシティがこれからも世界の金融センターじゃ、誰も新生金融システムを受け入れないのかもね)。
 
堅実な日本での国際金融センターってことで信用が増すわけですが、戦略不在の日本においては、外資が牛耳る国際金融センターとなる可能性が高く、それはそれでまずいのです・・・・
 
 
 
by コスモス

List    投稿者 cosmos | 2008-10-18 | Posted in 04.狙われる国の資産6 Comments » 

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コメント6件

 カナ | 2009.03.26 0:48

おそくまでお疲れ様です^^☆
なんかブロック経済が長丁場になるって聞いて
すごくむずかしそうー><って思ってましたが
なんか記事よんだら楽しそうかも!って今ちょっとわくわくしてます☆笑
>エクアドルは940品目の関税を引き上げ、ウクライナは13%という高率の追加関税を臨時に適用
ってエクアドルとかウクライナすごくないですか!?
輸入品なんかにたよらない!
自立できてる立派な国って感じがします笑
FTAもおもしろそうですね☆
日本もアジアと協定結べるようになったらいいな〜♪

 ぴぴ | 2009.03.28 2:11

>カナさん
コメント&いつもありがとう♪
ネットサロンでは今後「ブロック経済」を扱っていきますが、世界恐慌時の「ブロック経済」だけでなく、広い意味でのブロック、つまり、市場拡大を前提としない閉鎖系経済学を追求していきたいと考えています。
関税によるブロックだけでなく、地域通貨・政府紙幣等の新しい通貨システムによる経済的階層も視野に入れながら、未来論に寄与できるよう追求したいのです。
難しいテーマではありますが、みんなでやっていきましょう!

 RINGFILE | 2009.03.28 21:46

ブロック経済がなるか、ならないかの鍵は、ブロック単位で各国が協調できるか否かにかかっているような気がします。お互いに受け入れられるか?ってことですが。
例えば、アジアでは日中韓は今の所どう考えてもブロック経済化は無理みたいですから、日本と東南アジアやインド、オーストラリアあたりで組むことになるんでしょうかね?そうすると、中韓は焦るでしょうね・・・
いろんな意味でブロック経済シリーズを楽しみにしています

 ぴぴ | 2009.04.04 0:40

>RINGFILEさん
>ブロック単位で各国が協調できるか否かにかかっているような気がします。お互いに受け入れられるか?
仰る通りですね。ブロック(保護主義)化したときに、自国の経済を優先させる形になるので、やはり外交(政策)がキーになってきます。
新しい通貨制度や世界秩序と併せて、ブロック⇒自立型循環経済の可能性について探って以降と想っています。
ご期待下さい。

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 http://imyourbestfriend.com/blog/jordansshoeses/ | 2014.03.12 8:25

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