2009-11-18

「民主党政権下で郵政民営化どうなる?」(7)〜金貸しにとって、民営化とは何か?

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10月初めからスタートした「民主政権下で郵政民営化どうなる?」シリーズ、このシリーズの間に、郵政株式売却凍結が閣議決定され、西川旧郵政社長は辞任、新郵政の社長及び取締役人事が決定しました。また、総務省では「郵政改革推進室」と「日本郵政疑惑解明特別チーム」が設置され、今後の郵政の闇の真相解明に期待が掛かっています。

今後、無事に臨時国会での郵政株式売却凍結が確定すれば、次期通常国会を目標に新郵政の全体像が検討されます。

しかし、竹中氏を初めとする売国郵政民営化論者と大手マスコミは、相変わらず大衆世論を民営化へ持っていこうと躍起になっています。
参照:植草一秀の『知られざる真実』テレ朝サンプロ西川善文氏擁護偏向報道が続く

前回の(6)でも分析したように、郵政民営化とは、金貸しによる日本人の郵政資産収奪でしかありません。金貸し達は、ドイツ他の郵政民営化やアメリカやフィリピンでの水道事業の民営化等、聞こえの良い言葉で各国を騙してきました。

ではなぜ、金貸しは、郵政を初めとする公共圏に手を伸ばして、冨を収奪しようとするのか?
今回は、その構造を押さえます。

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●最後の聖域である公共圏の民営化に手を出した金貸し
1970年代先進国は、貧困からの脱出を経験します。それまで工業生産を中心として、自動車や家電製品等作れば売れる時代が終演し、物的市場が行き詰まります。
その先端を走ったのが日本のバブルでした。
他の先進国も同様であり、物的市場の行き詰まりから金融市場(バクチ経済)へと世界は変わっていきます。これを先導していったのがロスチャイルド、ロックフェラー等の金貸し達(欧米の巨大財閥グループ)です。そして、ゴールドマン・サックス等の多国籍企業がその下で動いてきました。
株や不動産から始まる金貸しのバクチは、最後の聖域である他国の公共圏(郵政、水道事業etc)まで手を出します。
以下、るいネット「諸外国の公共事業民営化はなぜ失敗したのか?」より引用。

民営化の背後には、私権時代一貫して続いてきたグローバル化=市場開放の大潮流がある。そこでの主役は、新たなる市場拡大を目指して最後の聖域とも言うべき他国の公共事業を市場原理のもとに組み込んで、他国からの富の収奪をもくろむ多国籍企業です。
(中略)
多国籍企業の隆盛を支えているのは、その資本力、およびそれと密接に結びついた武力(軍事)力ではないでしょうか。実際に、多国籍企業は欧米の巨大財閥グループと一心同体であり、自ずとその影響力は国家間の政治にも関係してきます。
(中略)
国家の最大課題は、秩序の安定です。そこに付け入って、不安定を作り出すことができれば、国家へのビジネスチャンスが生まれる。彼らはそこを切り口にしているように見えます。

金貸し達は、多国籍企業の主力メンバーをコンサルやアドバイザーとして、民営化する対象に送り込み不安定を作り騙します。米国の場合は、財務長官まで送り込み、金貸し達の利益になるようにいち早く国家の裏情報を入手しコントロールや売買を行います。
(これが、金貸しの手先:ゴールドマン・サックス=ガヴァメント・サックスの手口であり、ゴールドマン一人勝ちの理由です。)
騙された国は秩序の安定を維持するために、国民の税金をつぎ込み、損失等の穴埋めに走らざるを得なくなります。また、郵政民営化のように、その企業の最大株主となって完全に民営化企業を乗っ取り、自分達の利益のために自由に国民資産を使おうとします。その損失も、国民が国債で面倒見るのは明らかです。
そして、その国債を買い取り紙幣を刷り国家に金を貸すのが、金貸しが株主である各国中央銀行です。そして国民は、その利息を金貸しへ払い続けます。
不安定を作り出せば金貸しは儲かるしくみです。
●金貸しが作りだした金融危機
また金貸し達は物的市場の行き詰まりから、金融市場の中で更に騙しで利益を上げるために、工学系の博士クラスを集め金融工学と言う怪しい学問を作り、サブプライムローンを組み込んだCDO証券やCDS(債務保証保険)等の金融派生商品を生み出します。それが破綻したのが現在の金融危機であり、その穴埋めも各国国民に強いられています。
一方で、金貸し達がこの金融危機で大きく力を落としたのも事実であり、現在金貸しは、金主である欧州貴族勢力の管理下にあります。
参照:「民主党政権下で郵政民営化どうなる?」(2)欧米支配勢力による日本収奪の過程と今後のシナリオ
●市場(金貸し)は、国家というモチに生えたカビである
では、国家と金貸しの関係とは?
以下、るいネット「超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない」より引用。

事実、市場は社会生活を営む上で不可欠の社会基盤(道路や港湾や上・下水道etc)さえ、決して自らの手で構築しようとはしなかった。それどころか、自ら(=市場の拡大)が作り出した貧困(⇒福祉)や戦争さえ、その遂行と尻拭いの全てを国家に押し付てきた。そして自力で拡大することが出来なくなった今では、自分自身の拡大さえも国家(国債)に押し付け、国家(地方を含む)は700兆もの借金で首が廻らなくなって終った。
ここまで来れば、市場が国家の寄生物でしかないことは、誰の目にも明らかだろう。

要するに、市場はどこまでも私権闘争の抜け道でしかなく、従ってそれ自体では決して自立して存在できず、国家に寄生するしかない。だから、市場は、云わば国家というモチに生えたカビである。カビがどんどん繁殖すれば、やがてカビ同士がくっつく。世間では、それをグローバル化などと美化して、そこに何か新しい可能性があるかのように喧伝しているが、それも真っ赤な嘘であって、市場が国家の養分を吸い尽くせば、市場も国家も共倒れになるだけである。国債の暴落をはじめ、その可能性は充分にあると見るべきだろう。

郵政民営化とは、自力で拡大出来なくなった市場(金貸し)が、自分自身の拡大さえも国家に押しつけようとした。
(金融危機を全面的に国家に押しつけられた米国は、市場も国家も破綻寸前です。)
亀井郵政・金融担当大臣及び民主党政権の郵政株式凍結とは、国家から養分を吸い尽くそうとした金貸しの動きを阻止する法案である。
金貸し(デビット)に飼われている郵政民営化推進派・大手マスコミの論調に騙されてはならない。

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List    投稿者 yooten | 2009-11-18 | Posted in 04.狙われる国の資産5 Comments » 

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コメント5件

 knn | 2010.06.17 22:31

政治問題で揺れる日本の裏側では世界的な大問題が起こっていたのですね
他人(他国)事だと思っていると痛い目にあいそう・・・
でもそもそもなんでこんなにみんながみんな財政危機なのでしょう?
金融市場に問題があるのか、欧州連合(EU)の在り方に問題があるのか、はたまた両方か・・・
今後の収束先が気になります!!!

 Hiroshi | 2010.06.17 22:42

こんばんは、
>大きくはフランス8948億ドル(GDP比:33.4%)、ドイツ7038億ドル(GDP比:21%)英国4000億ドル(GDP比:18.3%)他です。
全部たして約200兆円くらいの債務を抱えているということですね。これが焦げ付くとフランス・ドイツの金融機関が破綻していくことになる。フランスやドイツが救済せざるを得ない理由ですね。
結局ユーロ(独仏)が救済して、その原資は国債・・・ということになるのでしょうね。
危機はさらに深まっていく・・・。

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