2007-11-27

「シティバンク」を日本が買収する?

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 サブプライムローン問題で巨額損失をこうむった米シティグループ。その損失額は2兆円ともいわれています。そんな中、金融界では今、日本の金融機関がシティの支援に乗り出すのではないかとの噂が出ているそうです。最近来日したロックフェラー財閥のデビッド・ロックフェラー氏(92)の目的はその根回しであったとか。(リンク)


 日本がシティバンクを買収する…。そんな上手いこと話が行くのでしょうか。潜在意識に警報音がピーピー鳴ってます。



 「ロックフェラー・買収」 このキーワードにも何がデジャヴュが…

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 三菱地所はケツの毛まで抜かれちゃいましたが…。il||li _|‾|● il||li


 問題になっているサブプライムローンはまだ完全に解決されたわけではありません。日本側の候補としては「ゆうちょ銀行」が上げられているようですが、買収して蓋を開けたら損失額が10倍なんてことも考えられます。公的資金を注入した途端に「ゆうちょ銀行」からきれいな体になった「シティバンク」だけを再買収されたりしたら目も当てられません。


 そんな話題となっている米国最大の銀行「シティバンク」とはどんな会社なのでしょう。まずシティグループのHPから引用します。

●従業員数 グループ合計 約327,000人

●資本金 グループ合計   
    867億米ドル(2002年12月)
    980億米ドル(2003年12月)
  1,092億米ドル(2004年12月)
  1,188億米ドル(2005年12月)

●総資産 グループ合計      
  12,640億米ドル(2003年12月)
  14,841億米ドル(2004年12月)
  14,940億米ドル(2005年12月)
  18,840億米ドル(2006年12月)
(リンク)

 総資産額は世界第5位ですが、時価総額ランキングでみると世界第1位、そうした意味では世界最大の金融グループといってもいいでしょう。


 その歴史は1812年、シティバンク・オブ・ニューヨークが200万ドルの資本金を元にニューヨーク州から免許を受けたことから始まります。1895年までには米国で最大の銀行となり、1913年に連邦準備制度が発足すると、ニューヨーク連邦準備銀行の創設に関わったりもします。その後、シティバンクの持ち株会社「シティコープ」を設立し、生命保険・証券を扱っていた「トラベラーズ・グループ」と合併して出来たのが現在の「シティグループ」です。 (リンク)
 
 1998年に行われた「シティコープ」と「トラベラーズ・グループ」の合併は非合法なものでした。というのも、当時の法律では銀行と保険会社が一体化することは禁じられていたからです。
 ところが彼らは「2年間の猶予期間に保険部門を売却することを条件に銀・保合併を認めることができる」という条項を盾に無理やり合併した後、1年後の1998年に法律の方を変えてしまったのです(う゛〜む、見事なジャイアンぶり)。


 そういえば、日本においても銀行が保険商品を取り扱うのは違法でしたが、「年次改革要望書」に従って取扱いが可能になりました。日本の法律なぞ彼らにしてみれば簡単なことです。


 そんな「ジャイアン」シティバンクを、国という「ドラえもん」から切り離された「のび太」ゆうちょ銀行が手を出して果たして無事に済むのでしょうか。

List    投稿者 kato | 2007-11-27 | Posted in 04.狙われる国の資産12 Comments » 

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コメント12件

 暖房を節約している消費者 | 2008.02.14 22:35

日本の総発電設備容量は2億7300万KWだそうです。電源開発の総発電設備は水力856万KW、火力782万KWで計1683万KWとなっています。総発電量の約6%くらいですね。H7年の自由化から10年経ったH17 年でも10社の占有率が81%から77%にしか下がっておらず、まだまだ寡占化されており期待するほどの自由化による価格競争が達成されていないと言うのが政府の見方のようです。そうするとむしろまだまだ外資であれ参入を受け入れていく事になるのではないでしょうか?自由化をうたいながら外資はダメという論理は今や世界では通用しません。国の基幹エネルギーを守る為にどのような歯止めが必要なのでしょうか?

 leonrosa | 2008.02.14 23:37

暖房を節約している消費者さんへ
国の基幹産業部門は、短期の経済情勢によって、安易に料金引き下げや利益の配当ばら撒きは避ける必要があると思います。
今回のチルドレンズ インベストメントの件は、欧州で企業再編・企業売買を仕組むファンドですから、日本の電力供給はどうでも良くて、最終的には欧州系電力・資源会社への売却が目的だと推定されます。
防止策は、二通り必要ですね。
一つは、ファンドの出資者開示を要求する。プライベートファンドは、匿名。対して、上場企業は説明責任から透明。この、情報の不対称性は非常に問題ですね。(この事は、一部では議論されています。)
もう一つは、Jパワーが子会社で取り組んでいる「自然エネルギー発電」(風力発電等)へ、市民ファンドの形で、多くの人が関与して、外資・金儲けのみの動きを監視、抑制して行く。

 匿名 | 2008.02.18 1:07

ザ チルドレンズ インベストメント マスター ファンド (TCI) は確か何処かでRothschild系の投資ファンドだったと読んだ覚えがあります。確認できないので断言出来ませんが、「自由化」が必要と言いながらも、やはり、安心出来ないというか、気持ちが悪いですね。
古今到来、ユダヤ人に乗っ取られた国に良い事は無かったと思います。

 湯田屋人について | 2008.02.18 1:31

ある一定のグループの人々(人種)を特定して差別する事には反対です。しかし、其の一方で、彼らが過去において、世界のあらゆるところで迫害・排斥を受けて来た事について、もう一度その本質を理解する必要があると思います。 ヨーロッパ(スペイン、ドイツ、ロシア等)での迫害が特に有名ですが、これにはやはり加害者側にもちゃんとした理由があったのではないか?これを検証するべきです。
湯田屋人が湯田屋人であるから悪いのでは無く、彼らが得意・本業とする生業が、ホスト国にとって毒害と成るからこそ、迫害されるのではないか?と言うのが論点です。 実際、彼らが迫害された夫々のホスト国において、彼らはメディアと金融で特に成功を収め、結局それらを支配するに至っております。(昔のロシアやドイツ、現在の英国、米国、そしていずれ日本も?)。
そしてこれらホスト国はこれらの産業を彼らに支配される事により、腐敗、没落の道を辿って言っております。現在の英国と米国などは将に良い例ではないでしょうか?

 leonrosa | 2008.02.20 15:05

匿名さんへ
チルドレンズ インベストメントは、2006年には、オランダのABNアムロ銀行の買収劇でアクティビストとして活動を展開し、同社株の売却で莫大な利益。2005年には、ドイツ証券取引所のロンドン証券取引所に対する買収について、反対活動を展開し、結果的に買収を断念させる。
このような経歴から、電源開発の長期的な事業に関心があるのではなく、短期的な利益目的と疑われるのです。
チルドレンズのアジア担当者である「ジョン・ホー氏」がある研究朝食会で説明をしている資料がある。
この資料は、チルドレンズの日本語サイトで公開されている。
http://www.tcifund.jp/pdf/news_jp12.pdf
この中で、ホー氏は、小泉元首相と会っている事を自慢げにコメントしていますね。

 leonrosa | 2008.02.20 15:31

湯田屋人について さんへ
母国をもたないユダヤ人が、依拠する基盤として、国家を超えた「金貸し・金融」という仕組を作り上げている。これは、歴史的な事実ですね。
そして、21世紀の先進国では、金貸し・金融の論理が益々強まっています。
その歴史的局面の中で、ユダヤ人論を是非期待します。
⇒「湯田屋人について」さんへの、記事エントリーの期待です。

 コンドウ | 2008.03.05 0:40

拙ブログへのTB、まことにありがとうございます。
この問題には本当に憂慮しているのですが、なかなか話題にならないので、当惑もしていたところ。
こちらのような立派なサイトにて分析がなされているのは、心強いかぎりです。
「ガイジン」だからダメ! 「ユダヤ」だからダメ! なんてもちろん申し上げたいのではありません。しかし、エネルギー安全保障は、考えるべき人がしっかり考え、そして対処すべき人がちゃんと対処しなければならない(!)問題だと確信しております。
また寄らせていただきます。どうぞ宜しくお願いします。

 匿名 | 2008.03.20 16:58

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電力や水道と言ったライフラインに関わる事業には金儲け第一主義を持ち込んじゃあ駄目です。
別にユダヤ資本を差別する気はさらさら無いですが、
彼らの参入を決して許しちゃあ駄目です。
彼らの掲げる株主利益第一主義では天災の多い日本では絶対にやって行けません。
阪神大震災を経験しているだけに特にそう思う。
鉄道や水道、電力と言った公共性の強い事業は新自由主義的やり方じゃあこの日本では無理ですね。
つうかどこまで強欲で厚かましいんだろうね。
彼らが世界中で嫌われて来た理由を今になって痛感してますね。

 leonrosa | 2008.03.21 13:36

匿名さん、どうもです。
チルドレンズ・インベストメントは、昨年、40%の利益を出している。
この利益水準は、どう見ても、株式の取得、脅し、買取要求、高値売却でひねり出している(と想像)。
但し、新興の企業買収ファンドなので、現下の信用収縮(資金出し手の資金回収)のもとで、運用資金の減少という事態も予想される。
日本の電力会社(中部電力とかJパワー)の株取得から1年以上経ており、苦しい局面だと予想される。
(但し、円高なので、ドル換算だと値上がりしており、担当者の言い訳にはなりそうだが。)

 モンブラン | 2013.05.28 10:05

黒のキャディバックを購入しました。デザインが上品で落ち着きがあります。フードが固めでかたくづれしません。

 モンブラン | 2013.10.25 11:01

モンブランでは、万年筆の生産工程のほとんどは1924年当時と変わらず、現在に至っても多くが手作業で行なっています。

 wholesale bags | 2014.02.10 17:48

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本の基幹発電会社に対する買収攻勢、Jパワーを巡る動き

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