2019-08-07

国際情勢の大変動を見抜く!-24~日本を封じ込めてきた戦後東アジアレジーム~

韓国 中国

 

今回はロシアと日本が金貸しの策略により窮地に立たされているという2014年頃の話し。

ロシアはウクライナの親露派によるマレーシア機撃墜事件について。この事件の真相究明に向かおうとする動きを阻止するために、イスラエルのガザでの戦闘に世論の目を向けさせ、その間にまた別の事件でウクライナ問題を再燃させるというように、状況に応じてロシア=悪の世論形成を図ってきた動きを紹介している。

 

日本に関しては、韓国と中国の反日政策について。こちらは戦後から続くアメリカ傀儡の政策。面白いのが、元々韓国政府も中国政府も国民経済のことは頭にはなく、一部のエリートの私腹を肥やすことを第一とする言わば自我政権。彼らは政策の中身がないため、反日政策で生き延びるしかない。

これと戦後「日本を東アジアの中心にしてはならない」という金貸しによる戦後東アジアレジームとを融合させた政策。

 

現在、ますます韓国、中国との関係悪化につながっている。日本はどのようなスタンスをとればよいのか?次回その方向性について扱う。

 

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■■歴史認識大戦争に備えよ

■ルーズベルトの参戦と同じ手法

 

本稿を執筆している2014年9月初旬の時点で、ウクライナ情勢は更に緊迫度を加えています。8月26日にベラルーシの首都ミンスクでポロシェンコ大統領とプーチン大統領の直接会談が実現し、東部ウクライナでのウクライナ政府と親露派との停戦実施に向けた協議を再開することなどが合意されました。しかし、最も重要な停戦実施に関しては、即時戦闘停止を主張するロシアと、親露派勢力の武装解除が前提になるとするウクライナの間の相違は大きく、停戦実現へ向けて工程表(ロードマップ)の策定にはまだまだ乗り越えるべき障害があります。(中略)

 

私はウクライナ情勢の将来に悲観的です。この首脳会談の直後からアメリカやNATOはさかんにロシア軍が国境を超えてウクライナ東部に侵攻していると発表し、またもプーチン大統領を非難し始めました。そこにロシアとウクライナ両国が紛争解決に至るのを妨害しようとする底意が感じられるからです。(同じ9月5日に、NATO首脳階段はロシアの動きを睨んで緊急展開部隊創設を決定しました。また、アメリカとEUは停戦合意成立にもかかわらず、対露追加経済制裁を実施しました。これらの措置は、明らかにロシアに対する挑発です。)

 

すでに指摘しましたように、アメリカの狙いはプーチンを挑発して東部ウクライナに軍事侵攻させることにあります。オバマ大統領は、アメリカは経済制裁を強化するが軍事干渉はしないと明言していますが、言葉通りに受け取ることはできません。

 

大東亜戦争直前のルーズベルト大統領の手法を、ここに思い浮かべることができます。ルーズベルトは欧州大戦にアメリカは決して参戦しないことを公約して大統領に三選されました。しかし、ルーズベルトはいかにしてアメリカが参戦できるようにするか、そのための秘策を日本に向けていたのです。日本を挑発して、先にアメリカに対して一撃を打たせるという工作です。

 

まず日米通商条約を破棄し、石油の対日輸出を禁止するなどの経済制裁を強化し、その結果として日本の真珠湾奇襲となりました。アメリカ議会は報復として対日宣戦布告を行い、日米戦争開始に伴うドイツの対米戦争突入のおかげでアメリカは欧州大戦に参入することができたわけです。今こそ、私たちはこの歴史の教訓に学ばなければなりません。アメリカがロシアを追い詰めて東部ウクライナに軍事侵攻せざるを得ないように仕向け、それを機にアメリカ(NATO)が軍事行動を起こす可能性はやはり否定できません。

 

■ウクライナ危機と中東情勢は繋がっている

 

この点に関連して注目しなければならないのは、ロシアとウクライナの首脳会談と同じ8月26日に、ガザでの戦闘を巡りイスラエルとパレスチナのハマスとの間で長期的な停戦合意が発効したことです。これによって、世界の世論の関心はひとまずガザから離れました。そして再び、ウクライナが焦点に浮上してきたのです。

 

これは、はたして単なる偶然でしょうか。とても偶然だとは思えません。なぜなら、世界の世論の関心がウクライナからガザに移ったのは、7月17日のマレーシア機撃墜事件の後しばらくしてからだからです。7月21日にロシア国防相は、衛星写真を公開してマレーシア機の近辺にウクライナ空軍機SU-25が2機認められたとブリーフィングを行いました。その後、アメリカの知識人の中にも親露派による撃墜説に疑問を呈する見方が現れるようになりました。

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この間にウクライナ政府内で奇異な動きがありました。7月下旬にはウクライナの連立与党が崩壊しました。極右勢力などが連立を離脱したのです。この連立与党崩壊を受けてヤツェニューク首相は辞任を表明しましたが、去就がうやむやなまま8月25日にポロシェンコ大統領は議会を解散しました。また、8月になってウクライナ政府の極右勢力の有力者パルビー国家治安大臣が突如辞任しました。その理由は明らかにされていません。

 

この一連の動きがウクライナ空軍機によるマレーシア機撃墜に関わるものかどうかについては、いまだに確たる情報がありません。状況証拠からは、ウクライナ空軍機による撃墜の可能性が高くなったと言わざるを得ないでしょう。このような状況を背景に、マレーシア機撃墜事件の真相究明が待たれる事態に至りました。しかし、突如アメリカ政府や世界のメディアは、ガザにおける戦闘に焦点をシフトしました。それと同時に、マレーシア機撃墜事件の真相究明を求める声はぷっつりと途絶えてしまったのです。

 

私はこれまで、アメリカの狙いは自ら演出したウクライナ危機を口実にプーチンを失脚させることだと論じました。アメリカはこの目的を依然として追求しています。すぐにロシアとの間で大規模な軍事衝突に至るとは考えられませんが、徐々にプーチン大統領を締付ける方針に変わりはありません。要するに、アメリカの戦略はプーチンを失脚させてロシアをグローバル市場に組込むことにより、グローバル市場化による世界支配を完成させようとしている訳です。世界は今、グローバリズムとナショナリズムの壮絶な戦いの渦中にあるのです。

 

■日本を封じ込めてきた戦後東アジアレジーム

 

このような世界情勢の下で、わが国が生き残るために外交はどうあるべきかが死活的な問題として問われています。

 

2015年は戦後70周年の節目の年です。中国、韓国そしてアメリカは、歴史認識問題で我が国に対する攻勢をますます強めてくることが予想されます。「歴史認識大戦争」が起こる危険性があるのです。この構図こそ、いわゆる戦後東アジアレジームと言われるものの実態です。戦後東アジアレジームの真髄を一言で言えば、日本が再び東アジアの地域大国になるのを防止するために、中国、韓国、北朝鮮を使って日本を牽制するというアメリカの対日封じ込め政策です。アメリカ軍が日米安全保障条約の下に我が国に駐留したのも、日本の独り歩きを抑止するための手段であったのです。

 

昨今の度を越した韓国と中国の反日政策も、基はと言えばアメリカが構築した戦後東アジアレジームの枠内でのアメリカの対日政策に沿ったモノです。韓国にも中国にもアメリカのこの戦略を受容せざるを得ない素地がありました。それは、両国とも政権に正統性がないことです。韓国の場合、アメリカの亡命していた職業革命家の李承晩が帰国してアメリカによって大統領に据えられました。したがって、民意に基づかず、政権に就いた李承晩にとっては、反日政策しか自らの政治的地位を保証するものはなかったわけです。

 

同じことは、中華人民共和国についても言えます。そもそも、中華人民共和国をつくったのはアメリカなのです。大東亜戦争がアメリカの勝利で終わった結果、蒋介石の中華民国政府はタナボタ式に戦勝国になりましたが、やがて国共内戦に敗北して台湾に追放されました。国共内戦で敗色濃かった毛沢東の共産党軍を支援したのは、実はアメリカでした。中華人民共和国はアメリカの援助が無ければ成立しなかったというのが、歴史の厳粛な事実です。しかも、中国共産党政府は一度も民意の洗礼を受けていません。ですから、現在の中華人民共和国を指導する中国共産党には中国の支配者としての正当性がないのです。したがって、韓国と同様、反日で生き延びるしか方策がないわけです。

 

このような韓国と中国の反日政策がアメリカの指示のもとに行われたことは、明白です。今日の従軍慰安婦問題についてアメリカ政府までが日本政府を批判していることが何よりの証拠です。アメリカは当然、慰安婦の実態は十分わかっています。にもかかわらず、日本を牽制する材料に慰安婦問題を利用しています。アメリカが影響力と持つ国連においても、韓国と一緒になって慰安婦問題を日本攻撃の材料に使っているのです。

 

中国の場合は、尖閣諸島が挙げられます。アメリカ政府は、尖閣諸島は日米安保条約の適応範囲に含まれると公言しています。しかし、アメリカは尖閣が日本の領土であるとは認めず、日中間で解決する問題だと逃げているのです。日本は同盟国であるはずなのに、アメリカはどうして尖閣諸島が日本領であることを認めないのでしょうか。もうお分かりのように、アメリカは尖閣を巡り日本と中国が紛争を続けることを意図しているからです。

 

 

 

■中国と韓国に国民経済は存在しない

 

アメリカが韓国と中国の反日政策に同調している理由は、先に述べた戦後レジーム秩序の維持だけではありません。もう一つの理由が、韓国も中国もグローバル市場に組み込まれてしまっていることです。

 

韓国は1997年の通貨危機の結果、IMFの管理下に入り、外資による徹底的な民営化を強いられました。最近まで我が国においても韓国経済礼賛者が多くみられましたが、韓国は韓国国民の福利を増進する国ではありません。サムスンも他の主要な企業も外資が支配する外国企業です。韓国内では国民の間に格差が広がり、外資と組んだ一握りの起業家が潤う一方で家計の借金は増大を続けています。これが、典型的なグローバル市場化の実態です。

 

中国のグローバル市場化は、鄧小平の改革開放路線に始まりました。アメリカ、日本、欧州の製造業などが一斉に安価な労働力を求めて中国へ進出しました。改革開放で潤ったのは、国営企業や公営企業を牛耳る中国共産党幹部や人民解放軍のエリートたちであり、彼らは欧米の資本と組んで中国労働者を搾取して巨額の蓄財に成功しました。

 

韓国、中国のグローバル化経済に共通するのは、国民の利益が無視されていることです。両国には、国民経済が存在しません。このような実態こそ、アメリカ資本の求めるグローバル化した市場経済の正体なのです。

 

このように、中国、韓国はアメリカと同じグローバル市場化国家なのです。これで、何故アメリカまでが中韓の反日政策に悪乗りしているのかの理由が、お分かりいただけたかと思います。むしろ、中韓の反日はアメリカの意向を反映したものであると言えるのです。

 

ここまで我が国を取り巻く情勢を足早に見ましたが、このようなグローバル勢力の攻撃の中で我が国はどのような進路を取るべきなのでしょうか。戦後70年の節目に当たる2015年を迎える私たちは、今から日本の今後を決める分水嶺ともなりえる歴史認識態戦争に備える必要があります。この観点から言えば、「まえがき」にも述べたように、東アジアの戦略地図からすっぽりと抜け落ちているロシアとの関係を強化することが、今後の日本の生き残りに死活的影響を与えることになります。

 

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