2014-08-18

何でもありの諜報活動をどう食い止めるのか~国家情報を守る国と売り渡す国


sunoden

米政府の「国家テロ対策センター」が作成した要注意人物リストの情報が漏えいしたとして、第二のスノーデン騒動が持ち上がっていますが、2013年のスノーデン氏が暴露した米国諜報活動の内容は、世界に衝撃を与えました。

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世界中にスパイ衛星の秘密受信基地があること。日本には三沢基地に「Ladylove/レディーラブ」という名の施設があります。(リンク

英紙ガーディアンは、英政府通信本部(GCHQ)と米国家安全保障局(NSA)が、米IT大手ヤフーの180万人以上のユーザーが利用したウェブカメラの映像を傍受し保存していたと報じた。(リンク

外国情報監視法(FISA)に基づき、外国情報監視法廷(FISC)は今年4月、通信会社大手のベライゾン・コミュニケーションズに対して電話記録の提出を命じ、数百万件の記録がNSAに提供された。 このことが発覚したのは今月6日のこと。PRISMというプログラムを使い、インターネット関連企業のシステムへ直接、アクセスできることも明らかになった。(リンク

1999年9月にNSAがマイクロソフト社と、ウィンドウズ95-OSR2以降の全てのバージョンに特殊な「キー」を埋め込むことを合意していると書かれている。世界で最も普通に使われているOSにNSAの「裏口」がついているのだ。(リンク
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国家機密がダダ漏れでは、まともな外交など成立し得ない。

このような実態が明らかになった以上、国家としての対策は不可欠と思われます。

実際、欧米との勢力図で優位になりつつあるロシア、プーチン大統領が対策に乗り出したようです。

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■ 国家情報を守る国
プーチン大統領が去る7月22日、ロシア国内でビジネスを提供するあらゆるネット企業に対し、全ロシアのネットユーザーの個人情報をロシア国内のデータセンター(サーバー)に保存することを義務付ける法律に署名、2016年9月に発効されることが決まった。

具体的な内容としては下記のようになる。

・ロシアでサービスを展開するネット企業はロシア国内にデータセンターを設置し、センター内のサーバーにロシア人の全個人情報を保存

・これらのネット企業はロシア政府と事業契約を結ばないとロシア人の個人情報を国外に送信できず、ロシア当局の方針に逆らえばロシア国内からのアクセス制限といったペナルティーを課される場合もある

・各社のデータセンターはロシア国内に建てられているので、ロシアの法律が適用される。そのため、事実上、センターも、センター内のサーバーが保有するロシア人の個人情報もロシア政府の管轄下に置かれる。

・そしてロシア政府は新法について「コンピューター・ネットワーク上でのロシア人の個人情報の管理体制の向上」が目的で、違反するネット企業にはサービスの停止を命じるとはっきり明言。

 

国家情報を守る法律として、至極真っ当な判断だろうと感じます。
国民の情報は、責任を持って国家が守るという意思とその一つの実現方針。

■ 国家情報を売り渡す国
日本ではこれについて相変わらずのプーチン批判に終始している感がありますが、では日本の情報政策はどのようなものだったか。

昨年12月13日に公布された「特定秘密保護法」。日本の安全保障に関する情報のうち「特に秘匿することが必要であるもの」を「特定秘密」として指定し、取扱者の適正評価の実施や漏洩した場合の罰則などを定めた法律です。

要は国家に都合の悪い情報は口外してはならないという法律。

ところがこの法律では、特定秘密をまとめて管理する機関が規定されていません。各省庁がばらばらに秘密を指定し、秘密は、ばらばらに存在し続ける。秘密を指定し、管理する中心が存在しないのです。
さらに法律の5条4項には、行政機関の長は、特段の必要があると認めたときは、適合事業者に特定秘密を保有させることができると謳われています。特定秘密の漏洩や流出があった場合でさえ、「適合事業者」に対する罰則はないのです。しかも、適合事業者には国籍規定が存在しない。

つまりグローバル企業が適合事業者になれるということです。例えば、農水省の特定秘密は「適合事業者」であるモンサントに提供され、厚労省の特定秘密はノバルティス・ファーマ社に提供され、金融庁や財務省の特定秘密はモルガン・スタンレー証券やローンスター銀行に提供される。消費者庁の特定秘密はウォルマートに提供されるかもしれない。(リンク

さらにこの法案には非常に不自然な“穴”があります。なんと外国人による特定秘密の取得に関して、罰則規定が一切ないのです。(リンク
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日本の場合、国民(国家)の情報を、国家が守るというロシアとは正反対で、むしろ国内に対しては言論統制を強化し、特定の事業者のみが秘密情報を入手できる法律になっています。
中国でも、党員や政府職員、軍人らに対し、米アップルのスマートフォン「iPhone」などの製品の使用を禁止を呼びかけていますが、何でもありの諜報活動が明らかになった以上、国家としてこのような方針も必要だろうと感じます。

日本は国家が上述のような体たらくな状況にあり、まずは企業レベルでの対策を考えていかなければならないのかもしれません。

※こんな動きもあります
インターネットなしでデータ通信を行える無線「AirChat」アノニマスが開発(リンク

List    投稿者 naitog | 2014-08-18 | Posted in 04.狙われる国の資産No Comments » 

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