2007-07-29

シリーズ「不動産投資ファンドの成長は続くのか?」11

【第11回:世界資本のアジア・日本戦略】
 
世界資本の基本戦略を把握した上で、もう少し現状を分析しておきましょう。最近の世界動向を見ていると、大きな転換期にさしかかっていると思われます。(前回は、こちら
 
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(江沢民とデービッド・ロックフェラー)
 

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①アメリカの限界
 
 アメリカ経済が終焉を迎えつつあることはもう明らかだ。経済競争力は衰え、政治的にも孤立した結果、武力や基軸通貨を基盤としたイニシアチブも失いつつある。
 アメリカに残された可能性は、アメリカ経済の延命(=基軸通貨の維持)と石油市場の維持と金融市場の海外進出しかない。
 
 基軸通貨の地位はユーロに脅かされており、石油市場も更なる略奪(戦争)によるしかないのが現状だ。追いつめられたアメリカの喘(あえ)ぎが、イラク戦争(石油市場の拡大と中東石油資本のユーロ移行阻止)であり、日本・中国への金融市場進出であり、日本従属政策であった。いずれにしても、アメリカ(ロックフェラー)は生き残りをかけた瀬戸際戦略を展開しているに過ぎない。(その影響を日本は大きく受けている訳だが・・・)
 
 共和党政権が終わりを告げようとしている今、民主党に影響の強いロスチャイルド系の意志が今後の展開を規定すると予想される。ロスチャイルドはロックフェラーの肩を叩いたのではないだろうか。「アメリカ中心の経済時代は終わった。後は任せたまえ。付いてくるなら役割は与えるよ。日本と中国の金融は一緒にやろうよ」と。
 
 
②巨大資本のアジア戦略
 
 アメリカ経済の限界が明らかになりつつあるので、一端はユーロ(EU)に基盤を移しつつ、中国やインド、日本などのアジア圏に市場の中心を移行しようとしている。但し、中国はまだまだ不安定なのでもう暫く時間がかかるだろうが、反面、今は中継ぎ的に日本シフトが顕著だ。アジア戦略上は足がかりとしても日本支配は重要なのだろう。
 
 アメリカ経済の限界に対しては、このままでは自滅するのが目に見えているので、ソフトランディングの戦略を図るだろう。さすがに今アメリカがクラッシュすると世界経済は大混乱に陥るので、世界財閥といえどもコントロール不可能になる事態は避けざるを得ない。
 
 その戦略の一つがアメリカと中国の連携と読む。中国によるアメリカ国債の買い支えによってアメリカの延命を図りつつ、金融市場ではアメリカ資本が中国経済を活性化させるという戦略。このことによって徐々に(=ソフトに)アメリカから中国に市場の軸を移動する。
 
 一般的な国家戦略上は、アメリカと中国の融和など考えもできないが、市場にとっては国家という枠組みなどはどうでも良く、利用する国家がそこに有りさえすればよい。かれらは今までも国家を利用し戦争をも利用してきた。国家は市場にとって都合の良いように変えていく対象なのである。たとえ中国であっても例外ではない。過去には(今も)ロシアさえ彼らの手中にあったことを考えれば何の不思議もない。ある意味では、中国は組みやすい側面がある。国家中枢との関係さえできれば、現状の未熟な市場システムとは無関係に直ちに寄生することが可能だからだ。
 
 中国にとっても彼らと組むことで、アメリカの首根っこを押さえつつ経済競争に簡単に追いつくことができ、やがては主導権を握ることも可能だ。また、中国中枢に莫大な冨を集中できるのだからこんなに旨い話はない。勿論、世界資本は今までと同じように更に大きな冨を集積し、国家に食い込んで徐々に支配を進める訳だが・・・・
 
アメリカの民主党政権によって、今まで以上の日本叩き(=属国化による支配強化)と経済を中心とした中国シフトが加速する。
 
 
③吸収・支配される日本
 
 現在、外資による日本侵略が進んでいる。いわゆる「ハゲタカ」による資本収奪系や企業乗っ取り系など様々な外資が乗り込んできている。それぞれの外資企業は個々の利益を目的に活動しているわけだが、日本を標的とした巨大資本の思惑(戦略)に乗っ取った尖兵の様なものだ。
「日本市場は君たちに開放した。金を奪い取るも良し、企業を支配するのも良し、日本国家に寄生するも良し、全ては支配という目的にかなっている。」ということだろう。
 
 巨大資本にとって、今の日本は赤子の手を捻るが如く容易に支配できる対象だ。’70年以降、着々と進めてきた日本支配の最終段階に来ている。アメリカで成功したファンド戦略等を日本に持ち込んだことで支配のストーリーはできあがっており、その運命は今のアメリカを見れば自ずと見えてくる。
 『従米路線』をとり続ける限り、日本はアメリカと同じ運命を辿ることになる。要するに、陰で巨大資本に支配された状態で搾取され続ける存在になるということだ。まさに市場奴隷といえる運命が待っている。無論それとは分からない様に、彼らに魂を売った輩が同胞を支配するというのがその姿かも知れない。秘密主義の彼らの基本戦略はそのようなものだが、日本だけはあからさまなアメリカ支配に貶められる可能性すらある。
 
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市場を開放した(させられた)今の日本では、様々な外資が好き勝手に立ち回っており、日本としても一部で抵抗しつつ一部は同調するという様相です。
 
参院選挙の結果ももうすぐ出ますし、週明けの株価動向も興味深い所なので、それらも踏まえて次回は「今後の日本」を見つめてみたいと思います。
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(by コスモス)

List    投稿者 cosmos | 2007-07-29 | Posted in 04.狙われる国の資産5 Comments » 

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コメント5件

 mukai | 2007.09.21 0:43

 悪名高いヘッジファンドが環境ファンドに進出していますね。「21世紀は水資源の争奪から戦争が起きるだろう」などとも言われます。(その希少性から「ブルーゴールド」と言われている)
 比較的水の豊富な日本に於いては現実味がありませんが、世界各地で水道料金の引き上げられようとしています。(ニューヨークでは’09までに40%引き上げ)
 生命維持に不可欠な「水」までもお金儲けの道具にしています。次はいよいよ「空気?」

 gokuu | 2007.09.21 19:07

mukaiさんコメントありがとうございます
彼らの手法によれば、水は相当のネタでしょうね
ビジネス「不都合な○○」ばりに、水道水による事故シリーズの映画でも作るのでしょうか?

 気になること\(^▽^)/カモン! | 2007.09.30 21:45

環境問題はなぜウソがまかり通るのか

毎日毎日ペットボトルだの不燃ごみだの…

 hermes bags light coffee | 2014.02.02 4:33

hermes 040 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 環境ビジネス④〜環境税と環境ファンド〜

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