2013-04-04

【16】『世界経済の現状分析』ブラジルの経済の現状(ファンダメンタルズと金貸しの戦略)

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これまで、アメリカ、中国、EU、ロシアについて扱ってきました。今回は、南アメリカの大国ブラジルについてみていきましょう。
金貸しブログでは以前TPP特集でメルコスールについて調べました。〈リンク
このブロック経済が、うまくいっていない状況の背景について探りましたが、今回は、直近のブラジル経済の現状とその背後にある金貸しの戦略についてみていきましょう。

過去記事はこちらからどうぞ
『世界経済の現状分析』【1】プロローグ
『世界経済の現状分析』【2】米国経済の現状(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【3】米大統領選の分析その1(両候補の政策の違い)
『世界経済の現状分析』【4】米大統領選の分析その2(両候補の支持層の違い)
『世界経済の現状分析』【5】米大統領選の分析その3(米大統領選の行方?)
『世界経済の現状分析』【6】中国経済の基礎知識
『世界経済の現状分析』【7】中国経済の現状(ファンダメンタルズ
『世界経済の現状分析』【8】中国、新体制・習近平でどうなる?
『世界経済の現状分析』【9】中国経済のまとめ
『世界経済の現状分析』【10】欧州経済の現状①(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【11】欧州経済の現状②(独・仏 VS PIIGS 格差問題の分析)
『世界経済の現状分析』【12】EU経済の現状③(EUの政治状況、右翼化?)
『世界経済の現状分析』【13】ロシア経済の現状(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【14】ロシア経済の現状〜プーチンの焦り
『世界経済の現状分析』【15】コラム:新たな天然ガス資源「シェールガス」
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■最近のブラジルの概要リンク〉外務省HPより
2010年10月に実施された大統領選挙で選出されたルセーフ大統領が、11年1月大統領に就任(任期4年)。就任演説では、ブラジルを最も先進的で、格差の少ない起業家精神に溢れた中間層の国にすること等を表明している。また、優先課題として、福祉、教育、保健、治安等を掲げている。同時に実施された連邦議員選挙では、上下両院でそれぞれ連立与党が70%を超える議席を獲得し大躍進。
■ブラジル経済の概要リンク〉外務省HPより
世界第6位かつ南米最大の経済規模を誇る。ルセーフ大統領は近年の政権の財政安定化政策を踏襲。経済安定と改革重視の政策をとり国際的信用を維持。2013年の経済成長は前年からの回復が予想される。貿易収支は好調で、2013年1月末には外貨準備高は3,624億ドルとなった。対外純債権国となっている。2011年8月末に、ブラジル中央銀行が、2009年7月以来2年ぶりに基本金利を0.5%引き下げて12%として以来、数次にわたって引き下げを続け2013年1月末時点での基本金利は7.25%となっている。

●基礎的経済指標(ジェトロ)(2010年〜2012年)〈リンク
●GDP〈リンク
ブラジル地理統計資料院が2月末に発表した12年10−12月期実質GDP伸び率は前期比0.6%増となった。この結果、12年全体では前年比0.9%増と市場予想と一致したものの、10年の7.5%増や11年の2.7%増から大幅に伸びが鈍化。世界的な金融危機に見舞われた09年の0.3%減以来3年ぶりの低い伸び。
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■主要産業と貿易リンク
★農林水産業
・1980年に10%あった名目GDPに占める農林水産業の割合は、2011年には5%にまで低下。
農林水産業に従事する人の割合は全体の17%(2009年時点)を占める。雇用創出面での重要性は依然として高い。
輸出の約42.5%が農林水産業から生み出されている。(2009年時点)
★鉱工業
鉱工業が名目GDPに占める割合は2011年で28%。雇用者数は全体の22%(2009年時点)。
現在ブラジルが国際的に競争力があると言われているのは、紙・パルプ、鉄鋼、鉱業、航空機、石油、天然ガス、石油化学、燃料エタノールなどの分野。
特に、2004年以降の自動車の生産増加は目覚しく、2008年には世界6位の生産規模となるなど、ブラジルの鉱工業生産の伸びに貢献。しかし海外からの資本流入に伴なう通貨の上昇が顕著となると、国内製造業に与える影響に懸念が高まった。このため政府は2011年8月に、Brasil Maior政策を発表し、国内自動車産業および、低迷している繊維、靴・皮革等の製造業を対象にした支援措置を実施。また、2012年4月には適用対象産業の拡大、期間延長などが発表。
★サービス業
2011年のサービス業が名目GDPに占める割合は67%。
ブラジルに対する海外直接投資のうち、サービス業に対するものは全体の約46%(ブラジル中央銀行)。
※サービス業は、運輸、通信、金融、不動産、商業、政府(行政・国防・社会福祉など)などを含む。
世界銀行によると2009年時点で、ブラジルにおける雇用者のうち61%がサービス業に従事。
・近年のブラジルにおける失業率の低下には、サービス業の発展が果たした役割が大きい。
★世界から注目される産業分野〈リンク
1,エタノール
・ブラジルは、米国とともにバイオエタノールの生産・輸出で世界に大きな存在感がある。
・環境問題への意識が国際的に高まる中、温暖化ガスの排出量を削減できる燃料としての需要が今後も増えることが見込まれている。
・ブラジル産のバイオエタノールはサトウキビを原料としており、トウモロコシなどを原料としたものに比べて食糧との競合も比較的少ないと評価。
・ブラジル国内においては、「フレックス車」と呼ばれるガソリンとエタノールの混合燃料で走る自動車が普及。
2,鉄鉱石
3,石油
4,航空機
・1969年に国営企業として設立。
・1994年に民営化されたエンブラエルが、航空機メーカーとして世界第3位(2012年3月時点)の規模を誇る。
・同社は特に小型ジェット機の製造に強みを持っており、世界中に航空機を輸出。

●主な輸出・輸入品目〈リンク
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●主な貿易相手国
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■ブラジル産業の特徴リンク
1.多様な産業
・輸入代替政策による工業化の歴史をもつブラジルの国内産業は、現在でも 幅広い分野を網羅。
・2011年の名目GDPに占める割合はサービス業が最も高く、続いて鉱工業、農林水産業となっており、ブラジル経済は 近代的かつ多様な産業によって支えられている。
2.外資系企業が多い
・1995年の外資導入以来、外資系企業の占める割合が多い。
・ブラジルの経済誌『EXAME』によると、2010年のブラジル国内売上高が上位50社に入る大企業のうち、外資系企業は29社。売上の多い外資系企業は、フォルクスワーゲン、フィアット、GMなどの自動車会社、ウォルマート、カルフールなどの小売業者、シェルなどの石油会社等がある。
3.中小企業が多い
・ブラジルにおける企業・団体の総数に占める中小企業(従業 員500人未満)の割合は99.8%。
・中小企業の就労者数はブラジル国内の総労働者数の59.4%。しかし、給与・その他報酬額は全体の37.1%に過ぎず、ブラジル国内の所得格差が現れている。また、非正規雇用で働く人数を含めると、中小企業全体の実態は数字以上のものであることが想像される。
■直近のブラジル経済の状況リンク
●最近のブラジル経済について(2013年1月15日)
・2012年のGDP成長率は、2011年の2.7%からさらに減速し、1%程度にとどまったとみられる。
・小売売上高は前年比9%増ペース。消費は、雇用市場の堅調さを反映して以前として好調を維持。
・鉱工業生産は、2012年11月までの過去15ヶ月中、14ヶ月前年比減少となるなど、不振から脱却できずにいる。
■ブラジルと外国資本の企業買収●ブラジルの外資参入の歴史〈リンク
・M&Aによる外資の民族系企業の買収
・1990年・産業貿易政策指針 関税43%→14.3%へ。
輸入に対する量的制限緩和、国内類似品の輸入を制限した「類似品法」を廃止
貿易自由化に加え資本の自由化
・1995年 租税を改正し、外資企業への差別撤廃。外国投資手続き簡素化
・外資の参入とM&Aより、国内の大手民族系企業が次々倒産

以下2012年の外資によるブラジルの企業買収に関する記事です。
●外資によるブラジル企業買収、過去最高の209件リンク〉ブラジル日本商工会議所
●外資系プライベート・エクイティによるブラジル企業の買収が倍増リンク〉ブラジル日本商工会議所
●直近の主な企業買収先事例を二つあげてみます。
○英酒類大手ディアジオによる同業大手イピオカの買収
>ディアジオはウイスキーの「ジョニーウォーカー」、ビールの「ギネス」、ウオツカの「スミノフ」などを手掛けている。中南米では売り上げが急増
★英国ディアジオ→ジャーディン・マセソン→旧ジャーディン・ワインズ・アンド・スピリッツ→ロスチャ系か?
○ディアジオ
>ギネス社とグランドメトロポリタン社の合併で誕生したイギリスの酒造メーカー。本社はロンドン。〈リンク
○ジャーディン・マセソン(ロスチャイルド系)
>旧ジャーディン・ワインズ・アンド・スピリッツ – 現MHDディアジオ・モエ・へネシー〈リンク
○米医療保険大手ユナイテッドヘルスがブラジルの同業アミル・パルチシパソンエスを約100億レアル(約3900億円)で買収
★ユナイテッドヘルス→ロックフェラー系か?
○日興ロックフェラー医療戦略ファンド〈リンク
■外資系企業導入の背後に
さてここで、ブラジルの1995年に外資系導入直前、1990年前後に世界的にどのような出来事が起こったのか整理してみましょう。
1989年6月:中国天安門事件
1989年11月:ベルリンの壁崩壊
1991年1月:湾岸戦争(対イラク)
1991年2月:日本バブル崩壊
1991年12月:ソビエト連邦崩壊

という世界を揺るがす、事件が集中していました。一方米国経済は、1980年代のレーガノミックスで莫大に増大した双子の赤字を抱えながら、湾岸戦争に突入。旧社会主義国家は、市場化路線に転換していきます。
一方、BRICsとはいつ頃命名されたのでしょうか?〈リンク〉ウィキペディアより

BRICs(ブリックス)とは、経済発展が著しいブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China) の頭文字を合わせた四カ国の総称投資銀行ゴールドマン・サックス(ロスチャイルド系)のエコノミストであるジム・オニールによって書かれた2001年11月30日の投資家向けレポート『Building Better Global Economic BRICs』]で初めて用いられ、世界中に広まった。〜中略〜
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1、基本的に人口の多い国々に注目
2、世界のGDPに占めるシェアが3%以上の国であること
3、地域的に見た場合でもバランスが取れているという点

こうした要素を踏まえて選んだ結果、〜中略〜今後の経済成長のシナリオが異なる4つの国が浮かび上がってきたのです。強調したいのは、これらの国々に共通するのは、アメリカ中心の世界から脱却し、真のグローバル化を期待させるということです
※折しもその二ヶ月前2001年9月:米国同時多発テロ事件が発生し、米国の力が失墜。満を持したタイミングで、ゴールドマンサックスのエコノミストジム・オニールはレポートを発表。

このような状況から見えてきたのは、このような時代背景を受けて、ブラジルもゴールドマンサックス多極化路線の渦中に取り込まれ、1990年の関税の引き下げ、1995年外資企業への差別撤廃。外国投資手続き簡素化といった政策をとらざるをえなかったのではないかと推測できます。
■まとめ
ブラジル経済は、多様な産業によって支えられています。現在、世界的な景気の低迷の中で、成長の伸びは鈍化しているもの、サービス業の発展により、失業率もそんなに高くありません。
特に特徴的なのが、外資系企業が多く、企業買収が頻繁に行われているという点です。また、大企業=外資系企業=所得多い。中小企業=国内企業=所得低い。という所得格差の構造が極端に現れており、過去、国内の大手民族系企業が次々倒産し現在に至っています。
これら外資系企業の参入に際して、現在、ヨーロッパとアメリカ企業がしのぎを削っている状態で、その背後には、ロックフェラー系´対ロスチャイルド系の金貸し支配の構造が見え隠れしているようです。
さて次回はBRICs最後として大国インドを扱います。果たしてこの国は金貸し支配の構造に取り込まれているのでしょうか?お楽しみに。

List    投稿者 orisay3 | 2013-04-04 | Posted in 04.狙われる国の資産No Comments » 

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