2019-07-09

国際情勢の大変動を見抜く!-20~世界政府樹立・・・私たちが日本という国を失う日~

 

ロック回顧録

これまでハイエク、フリードマン、ランド、ブレジンスキー、アタリ、スティグリッツ等、グローバリズムの理論的指導者を紹介してきました。

今回は、実際にグローバル市場化を推進している金貸し、中でもアメリカ:ロックフェラーについての記事です。

 

彼は世界政府樹立のために働いてきたと自身の回顧録の中で告白している。

ロックフェラーの銀行がFRBの株主の一人であることを考慮すると、中央銀行ネットワークが世界政府構築のための推進グループとなる。その頭にはIMFがあることは自明。

 

また、ロックフェラーはアメリカの外交政策を決めているCFR(外交問題評議会)であるとも明言。

歴代のアメリカ大統領や主要閣僚はまず例外なくCFRのメンバーから選ばれ、彼らはCFRの政策提言に従った政策を実行しているとのこと。

 

アメリカだけが近年まで皆殺しの略奪闘争を繰り広げてきたのは、選民思想を纏ったピューリタニズムにあるという、その流れをくむのがWASP。これがのちにユダヤ人たちに乗っ取られた。ロックフェラーもその一員。

但し、グローバリズムはアメリカ建国の思想とはなじまなくなってきた。故にロックフェラーなどはこの思想と繋がる言葉は使わないという。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

*************************************

■私たちが日本という国を失う日

(中略)

 

再度強調します。私たちを取り巻く世界は、世界政府の樹立へ向けて着実に進んでいるのです。現在進行中のグローバリズムなるモノの正体は、世界政府樹立運動なのです。国境の廃止、政府の規制廃止、移民の自由化等々、これらは単独の現象なのではなく、世界政府樹立という目的のために行われている運動の一貫なのです。

 

それでは、具体的にどういう人たちがグローバリズムを推進しているのでしょうか。これまで取り上げたハイエク、フリードマン、ランド、ブレジンスキー、アタリ、スティグリッツは全員、グローバリズムの理論的指導者と言えますが、実際にグローバル市場化を推進している人たちはどのような人たちでしょうか。結論から言えば、それは国際銀行家と言われる人たちなのです。

にほんブログ村 経済ブログへ

ここで、アメリカの大富豪で最有力の国際銀行家の一人であるディヴィッド・ロックフェラーの発言を見てみましょう。ディヴィッド・ロックフェラーは『ロックフェラー回顧録』の中で、ロックフェラー家がアメリカの政治や経済の制度に大きすぎる影響を及ぼしたとして攻撃してきた人々に反論して、こう述べています。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(ロックフェラー攻撃者の)中には、私たちがアメリカの国益に反する秘密結社に属していると信じている者さえいる。そう言う手合いの説明によると、一族とわたしは〝国際主義者”であり、世界中の仲間たちとともに、より統合的でグローバルな政治経済構造を――言うなれば、ひとつの世界を――構築しようとたくらんでいるという。もし、それが罪であるならば、私は有罪であり、それを誇りに思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

どうでしょうか。チェースマンハッタン銀行の頭取としてアメリカのみならず世界に大きな影響を及ぼしてきたディヴィッド・ロックフェラーは、堂々と世界政府樹立のために働いて来たと告白しているのです。世界政府を目指すことと国際主義は同義です。国際主義者とは世界政府を構築しようとしている人たちのことなのです。国際主義者をグローバリストと同じ意味で私は使います。したがって、国際主義者とは国境をなくして物、金、人が自由に往来できる世界、要するにグローバル市場を構築しようとする人たちを指します。

 

尚ロックフェラーは秘密結社に属していたことも認めていますが、本書では立ち入らないことにします。ただし、欧米では秘密結社という言葉はもはやタブーではないということは理解しておいてよいでしょう。

 

ロックフェラーの回顧録から私たちが理解するべきことは、世界政府の樹立について議論することは決して空想の戯れではないということです。ロックフェラーのような世界的大富豪は、世界政府の樹立を具体的なスケジュールに入れて行動しているからです。世界中に国際銀行家たち国際主義者ネットワークがあることを、ロックフェラーは仄めかしています。ロックフェラーの銀行がFRBの株主の一人であることを考慮しますと、中央銀行のネットワークが世界政府構築のための推進グループであることが理解されます。

 

この事実は我が国が国家戦略を考えるにあたって考慮しなければならない、極めて重要な点です。アメリカの高名な歴史学者で、クリントン大統領に大きな影響を与えたキロル・キグリーが『悲劇と希望』の中で指摘しているように、「世界の政治経済を制覇するために、民間の手による金融支配システムを創造することを目指す、金融資本家たちの国際的ネットワークが存在する」のです。既に述べたように、金融資本家たちの国際ネットワークとは各国中央銀行ネットワークです。その頂点に位置するのがIMFです。

 

先にブレジンスキーの書籍で紹介したように、IMFはグローバル化を推進する国際機関であり、毎年IMFの主催で財務省、中央銀行総裁会議が開催されます。この会議は政府間会議ではありません。中央銀行総裁は政府の公務員ではなく民間人だからです。世界の金融問題は、政府と民間のいわば合同会議で議論されているのです。誰が主導権を持っているのかは、すでに読者の方々にはお分かりのことでしょう。IMFと民間中央銀行が主導しているのです。世界の主要な政治問題も当然議論されています。政治問題は金融問題でもあるからです。

 

このように考えていきますと、なぜロックフェラーたちアメリカの国際銀行家がアメリカの外交政策を支配しているかが理解されるのです。『ロックフェラー回顧録』の中で、アメリカの外交政策を決めているのはロックフェラーとその仲間が主催する民間シンクタンクの「Council on Foreign Relations」(外交問題評議会 CFR)であるとロックフェラーは明言しています。この点は、国際政治の専門家の間では広く知られている事実ですが、なかなか公言されません。歴代のアメリカ大統領や主要閣僚はまず例外なくCFRのメンバーから選ばれ、彼らはCFRの政策提言に従った政策を実行しています。現在の国際情勢に関するアメリカの政策をめぐり、オバマ大統領の指導力低下といった話が良く出ていますが、必ずしもオバマ大統領の責任ではありません。私たちはアメリカの外交政策を指導しているCFRの意向を正確に読み取って、対応する必要があります。

 

■アメリカにもあったジェノサイド

 

ロックフェラーたちアメリカの金融富豪が、なぜ世界政府の樹立を目指すようになったのかをよりよく理解するために、ここで再度ブレジンスキーに登場してもらう必要があります。ブレジンスキーが強調するのはアメリカの国体の変更です。

 

私たちは、ロックフェラー家やモルガン家やハリマン家などのいわゆる東部エスタブリッシュメントが長らくアメリカの支配階級であったと教えられてきました。いわゆるWASPです。WASPが主導するアメリカの精神の柱は、ピューリタニズムとフロンティア・スピリットでした。この二つは表裏一体で、アメリカ建国の精神はピューリタニズムとフロンティア・スピリットからなるアメリカ的生き方を世界に広めるという「明白な使命」を帯びたものであったのです。

 

この「明白な使命」を抱いて、アメリカ陣は西へ西へと先住アメリカ人を征服しながら大陸を横断して、カリフォルニアに達しました。しかし、ここでフロンティアは消滅したのではなく、今度は太平洋を越えてユーラシア大陸まで進もうとしたのです。「明白な使命」は宗教的色彩を帯びたものであり、アメリカ人にとって彼らの世界進出は、神の正義を世界に拡大することでした。したがって、アメリカ人にとっては植民地の獲得や領土の拡大は急世界(ヨーロッパ世界)の帝国主義ではなく、世界をアメリカ化すること、すなわち神の正義を実現することであったのです。だからこそ、アメリカは抵抗する原住民を徹底的に虐殺しました。神の正義を実現するためならば、それを阻む者たちを排除することに、良心の呵責は感じなかったのです。

 

このようなアメリカ人の征服の心理に、私はどうしても旧約聖書にある古代ユダヤ人たちによる多民族征服の歴史を重ねてしまいます。一つだけ例を挙げるとすると、「ヨシュア記」にあるヨルダン川沿いのカナンの要衡都市エリコの攻略です。エジプトで奴隷に落とされていたユダヤ人同胞を率いてカナンの地を目指したモーゼの後を継いだヨシュアは、絶対神ヤーベの指示に従い、スパイを潜入させたりエリコの住民の中に協力者を得たりしながら、見事攻略に成功します。ここで、私たちがゾッとするのは次のような記述です。ヨシュアたちは、「男も女も、若者も老人も、また牛、羊、ろばに至るまで町にあるものは悉く剣にかけて滅ぼし尽くした」というのです。これは明らかに民族集団虐殺、ジェノサイドそのものです。

 

どうしてアメリカ人にジェノサイドを容認するような思想が生まれたのでしょうか。そのカギはピューリタニズムにあります。17世紀の中葉にイギリスでの迫害を逃れて、新天地を求めてアメリカに渡ったピューリタンたちは、アメリカの地を新しいエルサレムと考えました。そして、自らを古代ユダヤ人にならい、現代の選民であるとみなしたのです。ここから、先に述べた「明白な使命」が出てくるのです。

 

このように、アメリカの対外政策は神の福音を延べ伝える宗教的拡大でした。したがって、アメリカという現代のエルサレム国家が、世界をアメリカ化することによって神の正義を実現するという使命感が、アメリカが引き起こす戦争の原動力になっていたのです。

 

■グローバリズムはアメリカ建国の精神を否定する

 

しかし、こうしたアメリカの「明白な使命」は、19世紀末からの大量移民、特にユダヤ系ロシア人の流入などによるアメリカの多民族化とともに次第に薄れていき、これに反比例して第一次世界大戦のころから国際主義的な精神が力を得るようになりました。アメリカはアメリカ建国精神を体現した国家から多民族的な国際主義の国に変貌したのです。

 

この間の事情を、ブレジンスキーは「WASPの優位の崩壊とユダヤ系アメリカ人の台頭とは時期が一致する」として、「アメリカ社会をさまざまなエスニック・グループによって、文化的、政治的に多様化したアイデンティティを持つように仕向けたのはユダヤ系移民だ」と指摘しています。これは要するに、WASPに代わってユダヤ社会がアメリカの支配エリートになったということです。ユダヤ系のブレジンスキー自身がこうして、アメリカはユダヤ人が最も影響力を持つ国になったと明言しているのです。国際主義とは国家を否定するユダヤ思想ですから、アメリカはユダヤ思想の国に変貌したわけです。

 

ここでもう一度先に引用したロックフェラーの告白を検証してみると、アメリカの国体の変化を実感することができます。ロックフェラーが世界とのかかわりを語るとき、「明白な使命」やフロンティア・スピリットという言葉を使わずに、自ら国際主義者の立場を鮮明にしていることが、アメリカの国体の変貌を如実に物語っているのです。ロックフェラーはWASPに属する人物ですが、その彼でさえユダヤ思想の実践者であることを表明するに至っているのです。

 

国際主義がアメリカの主流になったという指摘には注意が必要です。なぜなら、国際主義は国家、国境を否定し、論理の必然として民族主義や愛国主義、伝統文化や習慣・観光を否定するからです。国際主義グローバリズムと言い換えられますから、グローバリズムはナショナリズムを否定するイデオロギーということになります。ロックフェラーが「明白な使命」やフロンティア・スピリットといった言葉を使わなかったのは、これらナショナリズム的発想と世界のグローバル市場化の推進とが矛盾するからにほかなりません。国際主義はアメリカ建国の精神に基づく「明白な使命」を否定し、無国籍的なグローバリズムを肯定するのです。

 

この国際主義をアメリカの対外戦略の視点で見ますと、もはやアメリカは国家としての覇権を求めていないということが極めて重要です。アメリカは覇権国家になるつもりはないのです。そうではなく、彼らがめざしているのはグローバル市場の反映、つまり彼らの私益の最大化であるのです。彼らの世界戦略からは「アメリカ」がすっぽり抜けているのです。

 

この点を決して誤解してはなりません。アメリカがめざしているのは、統一されたグローバル市場であり、言葉を換えれば世界政府なのです。先に引用したロックフェラーの言葉を借りれば、「より統合的でグローバルな政治経済構造を――いうなれば、一つの世界を――構築しよう」とすることなのです。

 

次に、アメリカが国際主義の国になったということを国内的に見れば、アメリカ社会自身が非アメリカ化したということになります。もはやアメリカには「アメリカ人」はいないのです。根なし草的なグローバル市場の集まりなのです。したがって、アメリカの伝統的価値観が崩壊したので、アメリカを一つにまとめる思想がなくなったのです。したがって、アメリカ人同胞としての助け合い意識も希薄になりました。市場で成功した一握りの富豪と、市場の恩恵を被ることのできない貧しい大衆との格差社会が、ここに実現しました。

 

(後略)

 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2019/07/6393.html/trackback


Comment



Comment