2007-09-13

実質公債費比率って何?

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9月7日、総務省発表、2007年度全国自治体の実質公債費比率の算定結果によると、
18%超えの市区町村が501で前年度より95増加、全体に対する割合は約28%となる、
都道府県・政令指定都市では、北海道や横浜市など12が18%超え となり、
地方財政の悪化がさらに進行、という報道が流れた。
一方、横浜市などからは、反論も発表されている。
我々市民は、これをどう受け止めるべきなのだろう??
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 横浜市は単独事業などの起債が制限される25%を超えたが、05年度まで使われていた旧算定基準を適用すると13・5%となるため、経過措置により、当分は制限対象とならない。
ということも同時に報道さtれている。
これは、一体どういうこと?
ちなみに、横浜市では、HP上で市民からの質問に対して以下のような回答を掲載している。(リンク

しかし、都道府県、政令指定都市、一般市町村それぞれの特性に応じた基準になっていないため、インフラ整備に伴い公債費が大きくなり易い大都市に不利な指標となっております。
特に本市のような地下鉄や下水道などの規模の大きな団体は、他団体に比べて比率の上昇が見込まれます。
また、本市の減債基金積立金の残高が減少傾向にあるため、他団体と比べて比率が上昇しております。
(2)横浜市は日本最大の市として、必要な下水道・地下鉄といったインフラ整備を行ってきた結果、下水道などにかかる公債費が増加したものです。また減債基金は厳しい財政状況を考慮し、市債の償還に支障が生じることのない程度に確保しており、平成19年度以降、残高も順調に増加していく見込みとなっておりますが、国の画一的な基準に基づくと比率の上昇要因となったものです。
(3)実質公債費比率が18%以上の場合、これまでと同様に市債を発行する「許可団体」にとどまることになりますが、協議団体が同意を得て発行する地方債と、許可を得て発行する地方債は同等に扱われるものとされておりますので、市の行政及び市民の方々の生活に対して影響は生じないものとなっております。
また25%以上となった場合でも、総務省によると当分の間、起債の制限は従来の起債制限比率が20%を下回っていれば良いとされ、本市の起債制限比率は14%台でありますので、起債が制限される心配はございません。
(4)実質公債費比率以外の財政状況を表す一般的な指標としては、経常収支比率(政令指定都市中4位)、財政力指数(同5位)、市債依存度(同4位)、市民1人あたり市債残高(同4位)などがあり、いずれも比較的上位にあります。また、本市では、これまで他団体に先駆けて
外郭団体も含めた市全体の借入金残高の縮減に取り組んでおり、その結果、市税等で償還する借入金残高が、14年度末から17年度末の3年間で、2,771億円減少(▲8.4%)するなど、「中期財政ビジョン」に基づき、財政の健全化に積極的に取り組んでいるところですが、こうした取り組みは実質公債費比率には反映されません。
このように実質公債費比率は財政状況の全体を表すものではない ことから、財政の健全性を確保するため、さまざまな財政指標を活用し、財政運営を行ってまいりたいと考えております。

公共投資が大きいから不利、だとか、総務省との間で、起債制限は受けないことになっている、とか言い訳めいた発信が含まれているものの、「実質公債費比率は財政状況の全体を表すものではない」という点は重要な意味を含んでいると思う。
例えば、地方債統制の手法として以下のようなものがあるという議論があるらしい。(リンク
 ●市場規律…債務抑制には間接的
 ●協調的統制…EUの一部で機能、国と地方で責任たらいまわし傾向
 ●行政的統制…堅実な国民に対しては機能、政治と癒着のおそれ
 ●ルールに基づく統制…財政規律効果、会計情報の整備が必要
以上のうちの4番目の手法の考え方に基づいた取り組みが行われているものと見えるが、
実質公債費比率による評価・統制には異論も多いらしい。
以下は、地方財政に関する詳細なデータが掲載されているサイトからの抜粋であるが、私たち市民のとるべき姿勢を的確に示している。

 この「どの程度財政は苦しいのか、赤字再建団体になるというのは本当か」といった疑問を抱えながら、判断に迷っているというのが、住民であり、職員であり、そして議会なのではなかろうか。また、それを伝えるジャーナリズムにも迷いがある。ほんとうはどうなのだ。
 ということであれば、まず自分たちでその財政の状態を、職員は職員なりに、住民は住民なりに、議員は議員なりにつかむことが、まず出発点にならなければならない。手をこまぬいていても、霧は晴れない。基本的な財政指標を検出して財政診断を行い、それを一定の基準に従って評価して見なければものごとは前に進まないのである。

実質公債費比率といった、抽象的な指標で判定された結果に一喜一憂するのではなく、自分たちの地域の財政状況をはじめとする実情をきちんと把握し、どうする?ということをみんなで考えていかなければならないということだろう。
この、ごくあたりまえのことを忘れさせてしまうことが、抽象的な指標をあげつらって事件に仕立て上げていくことの問題性だと認識すべきであろう。
by わっと

List    投稿者 wyama | 2007-09-13 | Posted in 03.国の借金どうなる?4 Comments » 

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コメント4件

 匿名 | 2007.11.01 12:13

結局、何かあれば、国が、何とかしてくれるだろう的な安易な、意識がはびこるだけで、その意識を変えない限り、いくら、ガイドラインを設定しても改善できないと思います。少なくとも過去の轍を踏んで、同じ事の繰り返しにならない事だけは避けなければ・・・

 わっと | 2007.11.02 18:35

コメントありがとうございます。
>少なくとも過去の轍を踏んで、同じ事の繰り返しにならない事だけは避けなければ・・・
まったくもって、同感です。
地方行政や私たち国民自身の意識を変えていくことでしか実現できないと思っています。
国の中枢にいる人たちは、あいかわらず、現実が大きく変わってきていることをまったく分かってないようです。

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