2010-11-20

「国の借金が800兆円になったのは何で?」最終回〜国の借金どうする?〜

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国の借金シリーズも今日でいよいよ最終回です。・・・みなさん、楽しんで読みすすめてもらえましたか?
さて、このシリーズ執筆中の先日、国の借金がついに900兆円を超えた!との財務省発表がありましたが、この膨れ上がった国の借金問題に我々はどう立ち向かっていけばよいのでしょうか?
最終回の今日は、これまで本シリーズでお伝えした内容を3つの視点で整理し、最後に可能性を追求してみたいと思います。
【1】「国の借金とは何か?」「何が問題なのか?」という問題性
【2】「なぜ借金が増えたのか?」という原因構造
【3】「借金問題の背後にある悪しき社会制度」という背景構造
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【1】国の借金問題は、何が問題なのか?
さて、冒頭にも書きましたが、先日アナウンスされた国の借金900兆円とは、赤ん坊からご老人まで全国民一人当たりに換算すると実に720万円になります。因みに国の税収は平成21年度で約38.7兆円に過ぎず、単純に考えて年収38万円あまりの人が900万円も借金しているという感じです。
しかし、不思議なことにこれほどの借金をしながら我々の実生活では一見したところ何ら不都合な事態には至っていません。常識的には借金が膨らんでしまえば、破産し生活が立ち行かなくなるはずですが、一向にそのような気配はない。すると、国の借金が増えようが大した問題ではないのかもしれない!? 
しかし実はそうではなく、やはりこれは“大問題”なのです。
最近の例でいえばギリシャが財政危機に陥りEUとIMFから緊急融資を受けましたが、厳しい財政緊縮を強いられ、公務員給与の一律30%カット、年金の30%カット、そして消費税増税、金利高騰などが相まって若年失業率も既に20%を上回っているようです。(参考:EUのお荷物:ギリシャの命運より) 
このように本来的には国の借金はそのまま国民生活を直撃するものなのです。
では、なぜ日本はそうならないのか?  それはどこから借金をしているのか?という点に大きく左右されます。 
例えば、日本の借金は対GDP比でみれば199.2%であり、ギリシャの同113%とよりも多いのですが、借金している先(つまり国債の消化)の95%が国内なのです。つまり大半は市中銀行などであり、更にその預金者である日本国民ということになります。
 
一方、ギリシャの場合、国内での国債消化は29%に過ぎず、7割強が国外という対外債務の多い構造になります。つまり、身内(≒国内)の中でお金の貸し借りをしている分には家計としては実質的な影響は出ないが、よそ様(≒国外)からお金を借りる場合は返済義務に強く縛られ家計を直撃するということです。
 
そして、日本はギリシャに比べ経済規模が大きいため、これまでは国内だけでほぼ国債を消化できたのです。しかし、このまま借金が増え続ければ国外への国債買い入れを依頼するしかなくなり、そうなるとギリシャ同様、対外債務増加→財政破綻への道を辿る事は十分考えれます。

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※この点については、「日本を守るのに右も左もない」の記事にデータ付きで解説されているので、ご確認下さい。
【参考】国の借金900兆円どうなる!? 〜1.日本財政の現状は?
     国の借金900兆円どうなる!? 〜2.家計が国債を引受けられるのはあと何年?その先はどうなる?〜
【2】次に『なぜ借金が増えたのか?』を解明します。
これは、本シリーズの中心テーマでしたが、以下に構造図解とその内容をまとめてみます。
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国の支出の大部分を占めているのは
1.福祉などの社会保障2.エコポイント、公共事業などの景気対策3.国債の利子支払い
以上の3つです。
上記の支出の問題点は
1.社会保障に関しては過去のブログでも紹介したように、「福祉」という欺瞞観念によって正当化され、膨大な「お金」による保障が行われている事と、それに乗っかった「大衆の要求主義」に、その問題性が潜んでいます。
 
2.次に豊かさが実現した以降も市場拡大に邁進した政府の「失政」が指摘できます。
上記の福祉政策はもとより、公共事業にどんどんお金を注ぎ込み、経済の浮沈に応じて景気対策、失業対策と称して、目先的に資金投入した。さらにはバブルを誘導して国の借金を膨らませてきました。最近のエコポイント制などは、超目先的政策の代表選手のようなものです。
これは、大衆の生活維持という必然性はあるものの、現在の目で俯瞰して見れば「失政」と捉えて良いのではないでしょうか?
 
3.そして、莫大な国債の利子の支払い。
いまや驚くことに、国家支出の4割は、国債の利子の支払いです。
 
このようにして、マネーゲームと称される「架空」ともいえる取引額を膨張させながら、国の借金は900兆を超えるところまで積み上げたのです。
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【3】「借金問題の背後にある悪しき社会制度」
 
これは、諸悪の元凶とも云える「中央銀行制度」と、その背後で操る金貸しの存在を抜きにして、借金問題は解明出来ません。
 
下図のような構造で、国債発行額は天文学的数字になっているのですが、そもそも何で国が借金することになっているのでしょうか?
 
元々国家は自らお金を発行していたのですが、戦争を続ける中で、自らの資産を超えてお金を用意する必要が出てきて(これも金貸しの思惑なのですが)、その昔からいる金貸しからお金を借り続けた結果、通貨発行権を金貸しに与えることになったのです。
 
そして紙幣を発行できるのは、現在の中央銀行のみ(つまり金貸しのみ)となってしまった。この通貨発行を支配する中央銀行制度が存在するから、国債の発行が増え続けるのです。そして国家は完全に金貸しに支配されることになってしまったのです。
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★ここで最近の世界経済の動きのなかでも、影響力が大きそうな内容を紹介しておきます。
FRBの金融緩和政策への批判が各方面から噴出。
・世界銀行総裁のゼーリックが「ドル基軸から5大通貨」への方向性を提言。
 
いずれも世界経済の行方を左右するような報道ですよね。
FRBの金融緩和策によって、一説ではリーマンショック時点と比べて、2倍以上のドルが供給されているようですし、一方、通貨戦争の様相を呈している多極化の流れは止まらず、ドルの弱体化が顕在化しています。
 
このような最近の動きから見ても、金貸したちの焦りが見てとれると思います。
 
 
★この様な状況のいま、ここで再び、国の借金の『解決策』を探ってみましょう。
・・・答えはやはり『政府紙幣』発行につきるように思われます。
 
現在も硬貨は国が発行している事、また歴史的にも政府紙幣が発行された実績を見ても、政府紙幣はすぐにでも、発行しようと思えば可能なようです。
 
しかし、背後に潜む金貸しの存在や、中央銀行の成立構造に潜む歴史等の「事実構造」を把握せずに、盤石な共認形成が出来るとも思わないし、それなしに形だけ政府紙幣を発行したとしても、すぐさま金貸したちの反撃をくらってしまいそうです。
 
 
最後に今後の最大の可能性を提示するとしたら、
それは『事実に基づく共認形成の場の構築』でしょう。
 
誰もが社会の当事者として参画できる場さえ出来れば、そこで生み出される事実認識が、これからの経済や社会を導く新認識が、金貸し支配から脱却して、次代に相応しい新しい経済システムを創造することも可能になるでしょう!
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サロンの仲間と紡いだ内容を長々と書いてしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございました。
これまでのシリーズのリンクを列記しておきますので、是非内容を深めてみて下さい。 ・・・では、またお会いしましょう
★「国の借金が800兆円になったのは何で?」シリーズ一覧★
1 〜雪だるま式に増える国債〜
2 〜膨大に膨れ上がる福祉の予算.本当にみんなのためになってるの?
3 〜「赤字国債」はごまかし?
4 〜粉飾だらけの国家会計〜
5 〜政府紙幣の可能性とは〜
6 〜今やインフレは起こらない!
7 〜市場に支配される国家〜

List    投稿者 saken | 2010-11-20 | Posted in 03.国の借金どうなる?6 Comments » 

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コメント6件

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