2014-12-29

「アベノミクス」=「カネ優先」で日本は大丈夫なのか?!

12月14日の衆院選で、自民党は、有権者数を分母にした全国の比例代表の得票数で、わずか1770万票、たった17%の支持率で政権を手に入れている。

「アベノミクス」=「カネ優先」に賛同する有権者の投票率が高かったのか、あるいは既に幾つもの状況証拠が上がっている不正選挙の結果か、首相の緊急事態宣言だけで憲法を停止し、独裁が可能な国家が出来上がってしまった。

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これでは、第二次世界大戦以前に、低い支持率でドイツ第一党となったヒトラー率いるナチス党と、なんら変わらない。「アルバイト」という名の下に、民衆を国への奉仕活動へ徴用していった図式と、まったく同じ様相を呈しようとしている。
ましてや、米国の要請があれば、集団的自衛権の名の下に、中東で米軍の戦闘行為の下請けをやるような国になってしまい、それこそ全世界のテロリストから標的とされる国になってしまう可能性も免れないことは必至だ。

どうして、このような事態を招いているのか、国民が政権を渡してしまった「アベノミクス」=安倍首相が、米国を始めとする巨大勢力に突き動かされている事実を国民は明確に認識する必要があり、自己防衛本能を研ぎ澄まさなければいけない時期に来ている。

以下、2014年12月18日 東京新聞 朝刊 引用

◆<衆院選を終えて>「カネ優先」見直す時
思想家・内田 樹氏
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有権者の二人に一人が棄権した衆院選。結果は自民党が二百九十議席を獲得し、「一強」の時代が続くことになった。私たちはこの時代をどのように受け止めて生きていくべきなのか、識者に意見を聞いた。

今回の選挙で有権者が示した判断は、判断しないということでした。ある人は経済が悪くなったと言い、自民党は良くなっていると言う。どちらが本当か分からない。だから、判断を保留した。いずれ判断するけれど、今は中腰(ちゅうごし)の姿勢で見ているという感じです。

結局、有権者数を分母にした全国の比例代表の得票数でみれば自民党は千七百七十万票で、17%にすぎない。それを圧勝というのはおかしい。戦後最低の投票率も「安倍政権の結果が出るまでもうちょっと待とう」と大きな変化を望まなかったせい。世の中を変えたいと思えば、若い人たちも投票するわけですから。

自民党は「争点はアベノミクス」と言った。要は経済成長すればいいんでしょう、と。有権者の多くも最優先事はカネだと同意した。ならば結論は簡単で、国を株式会社みたいに管理運営すればカネがもうかるようになりますよ-となる。

国を株式会社化するのに民主主義は邪魔です。独断で早く決めて、早く結果が出るのが好ましい。株式会社のサラリーマンのそんなマインドが国民に共有されてきている。それがトップダウン好きの安倍さんとマッチして急速に強権的な政治が定着してきています。

いわばワンマン社長のような安倍さんですが、その政権は戦後最も危険だと思います。自民党の改憲草案では、首相が緊急事態を宣言すれば、憲法を停止する形で事実上の独裁が可能になる。集団的自衛権も米国が要請すればですが、中東で米軍の戦闘行為の下請けのようなことをやる。人を殺したり殺されたりして、結果的に国内外でテロの標的になって民間人が殺傷されるということは起こりえます。

日本の戦後七十年の民主主義の政体を根本から変える問題です。安倍さんはそれを語らず争点隠しをした。逆から言えば、何をしようとしているか分かった段階で国民の支持が失われるのを彼らは知っている。最後までウソをつき、だましながら、ひそかに実現できるのか。安倍政権が抱える最大のジレンマです。

私たちにできるのは、カネ以外のことを考えてみることです。カネもうけを考えると、原発を動かすとか、武器輸出しようとか、戦争やろうとか、カジノ呼ぼうという話になる。かつて皇軍無敵と言い続けたように経済成長を追い求めるプランもあるけれど、経済成長なしでも生きていけるプランBも用意しないと

日本国は倒産しましたのであとは勝手に生きてください、とはいきません。「grow(グロウ) or(オア) die(ダイ)(成長か死か)」じゃ駄目なんです。経済成長なき世界での「how(ハウ) to (トゥ) live(リブ)(どう生きるか)」を問うべきときではないでしょうか。

市場経済が実質的に成長を止め、縮小過程に入ったことなど、既に70年から疑いの余地が無い。その証拠が、1000兆円にまで膨れ上がった国家の借金だ。

政治家、官僚もそのことには間違いなく気づいている。それでもなお40年間、軌道修正をせず、プランBを作ってこなかったということは、彼らにはその気が全く無いということだ。

もはや、お上に期待しても何も変わらない。だからこそ、ここまでの低い投票率になってしまったのだろう。

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