2010-10-30

「国の借金が800兆円になったのは何で?」6〜政府紙幣の可能性とは〜

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政府紙幣は昭和28年まで50銭札として通用していた・・・
 
みなさん、こんにちは。
「国の借金800兆円」シリーズの第6回目の今回は、『政府紙幣の可能性とは』についてお話していきます。
前回の本ブログでは『粉飾だらけの国家会計』と題し、一般会計の2.5倍もの予算規模を持つ特別会計の闇に切れ込んでいきました。
今回は、そうした誤魔化しの国家運営でおかしくなった財政状況をどう立て直せばよいのか、その1つの解として「政府紙幣」に焦点を当てます。
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まずは、政府紙幣発行を主張する岩国哲人元衆議院議員の記事を紹介した「るいネット」の秀作記事からみていきます。
少し長文になりますが、どうぞ最後までお読み下さいね。

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「政府紙幣発行を」〜国家紙幣発行策を掲げる岩國哲人議員(2/2)

●デフレ経済下で唯一の方法
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岩国哲人元衆議院議員
この恐ろしいシナリオから一日も早く脱出して、明るく元気な日本を取り返す第一歩を踏み出す方法は一つしかない。政府紙幣の発行である。
増税は新たな増税を産み、国債発行は新たな国債発行をもたらす。増税も不要、国債増加も不要の政府紙幣発行こそがデフレ経済のもとでは可能な唯一の方法であり、救国の発想である。
国境を越える通貨「ユーロ」が誕生して「多国一通貨」が実現し、一方では小地域内でのみ通用する地域通貨「一国多通貨」も実現した。いわゆる「一国一通貨制」を絶対普遍の法則と思い込む必要はないし、中央銀行だけが紙幣発行を独占できるというのは錯覚でしかない。
加えて二十一世紀のグローバル現象である。人間に国籍はあってもカネには国籍のない時代がやってきた。日本の資産家の運用対象も、政府が勧めようと勧めまいと、円証券だけでなく、ドル、ポンド、ユーロの証券にも向かい、「資産の多通貨時代」が始まっている。
わが国の通貨の歴史を紐(ひも)といても、むしろ複数の通貨が発行され、流通していた時代がほとんどであった。
江戸時代、鎖国体制のもとに国内産業の振興と物資の流通が進展した時代に、貨幣の役割も当然のことながら飛躍的に高まり、その中心となったのが「銀貨」と、徳川政権で発行された「金貨」であった。金貨は東日本で、銀貨は西日本で流通し、しかもその交換レートは変動しながらも十分に信用され、日本の通貨としての機能を果たしてきた。
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“>(左)江戸時代の銀貨(右)天保五両判 
●政府通貨発行で財源確保
政府の立場に戻して考えるなら、国債という「借金」ではなく政府自身の通貨を発行すること。攻める財政をさらに一歩進めるなら、現存する国債を政府紙幣で買入消却して年間二十兆円の利払負担を削減すること。仮に十兆円減らせばその十兆円を年金財源に充当するか、少子化対策に使うか、道路公団の借金を返済して、四十五年後ではなく、四年後に高速道路無料化を実現して経済の活性化と税収増加に結びつけることもできる。
このように、政府通貨発行で十分な財源を確保すれば景気の回復は間違いない。景気回復が税収増をもたらせば、増税内閣どころか、国民待望の減税内閣が実現する。
政府だからこそできる、政府だからこそやらねばならないことをやらない、そういう無為無策、無能無気力の政府には三文の価値もない。
おカネを合法的に印刷できるのは日本銀行と政府である。政府通貨は今でも五百円、百円などの硬貨発行の形で行われている。政府通貨は、見方を変えれば、「無利子の、返済期限のない、買い物にも使える、国債」とも言えるだろう。
新しい通貨の発行は景気の過熱やインフレを招くのではないかと懸念する人があるかも知れないが、政府通貨も国債もその発行限度は国会などで厳しく審議されなければならない点で共通しており、国債発行なら安心、政府紙幣発行ならインフレという議論には全く根拠がない。
金利ゼロで銀行などに大量の資金を供給する超金融緩和策を何年も続けている異常な金融政策の最大の理由は国債の受け皿を作ることである。日銀が全額買い受けることは禁止されているために、民間の金融機関にコスト・ゼロでカネを提供して国債で収益を挙げさせる…、これは偽装された日銀引き受けであり、日銀財務諸表の粉飾決算であり、カネボウの粉飾問題と何ら異なることがない。
国家ぐるみの偽装や粉飾から一日も早く脱却し、誇り高き経済国家への道を進むべきではないか。

さて、上記の岩国氏の話では、主に国家財政健全化と減税という観点から「政府紙幣の発行」を勧めていますが、実はそれ以上に大きな可能性を秘めているのです。それは概ね次の2点に集約できるでしょう。
1.市場原理に寄らずに本当に社会(=みんな)にとって必要なものを支援できる
2.中央銀行を通じた金貸し支配から脱却できる

まず1つ目の観点ですが、市場とはそれ自体に“騙しの構造”を抱えており、幻想価値による過剰な欲求誘引や恣意的な供給抑制などによって価格は如何様にも変化します。従って、本当にみんなが必要としているもの、例えば「食糧」や「介護」、「教育」「医療」など幻想性を抱き難いもの、いわば“市場弱者”に対しては、十分な値付けがされることはなく市場の中で自立した産業として成立しないのです。
(参考):
超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない  
それに対して、政府が国会を通じて本当に必要なものを見極め、適切な額の政府紙幣を直接供給できれば、国の借金といった足枷に囚われることもなく“市場弱者”の支援・強化ができ、大きな社会益となり得るのです。 
  
次に2つ目の観点である、中央銀行を通じた金貸しの支配ですが、例えば
◎日銀はロスチャイルドが作りアメリカ政府、FRBの出先機関となっていること
(参考):
日銀はロスチャイルドが作った①
日銀はロスチャイルドが作った②
日銀は、戦後すぐにアメリカの傀儡になっている
◎日銀によってバブル経済が誘導されたこと
(参考):
『知れば知るほどコワくなる!日本銀行24のヒミツ』リチャード・ヴェルナー著
「不況をつくり、悪化させたのは日銀だった!」

◎日銀こそが日本の国債の最後の引き受け手であること
(参考)
日本経済再生の秘策〜日銀を廃止して国会が通貨を発行せよ!
などの指摘が挙げられます。
具体的には、1980年代後半のバブル景気では市中銀行に不動産や投機市場への融資額増大を指導したのも、また90年に急激な信用収縮に誘導し破裂させたのも全て日銀であるといわれています。
小泉政権下の2003年度に日本は米国債を国家税収47兆円の実に7割=33兆円もの米国債を購入していますが、この時、日銀が33兆円の国債を引き受けたことで政府が米国債を購入できたと噂されています。
日銀が実際、どう関与したのかは必ずしも明らかではありませんが、いずれにしても国民の多くは米国債をこれほど買わされていた事実は知らないでしょう。また、日本国民にとっては米国債のドル安による目減り分に加えて、日銀が仲介することによる日本の国債償還時の金利分も負担せねばなりません。
こうした点も中央銀行を通さず政府紙幣を直接発行することで、何に政府紙幣を宛がうのか厳しく吟味され金貸しの操作を排除できるほか、国債償還の金利負担なども不要になります。
如何でしたか。「政府紙幣の発行」が単に財政健全化のみならず、脱市場、脱金貸し支配に大きな可能性を示すものであることがお分かりいただければ幸いです。
次回はこの「政府紙幣の発行」について、一部で懸念されているインフレ生起説の誤りを明快に解いていきます。どうぞお楽しみに。

List    投稿者 bull1963 | 2010-10-30 | Posted in 03.国の借金どうなる?2 Comments » 

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コメント2件

 hermes sverige | 2014.02.02 10:22

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