2019-01-29

迫りくる大暴落と戦争刺激経済-18~ジャブジャブ・マネーで麻痺している日本経済~

 

日銀

今回もお金の話し。

日銀が、財務省が発行する日本国債を、買い取ってその代わりに財務省にお札を渡す。それで、お金が生まれる。これも信用創造である。という。紙幣を大量に刷って財務省に渡す。その代わりに、財務省が発行する国債(国家借金証書)を受け取る(買い取る)。国家財政が足りない分を、こうやって、どんどん日銀が供給するということをやっている。これは日銀法と財政法違反:つまり違法行為とのこと。

 

こうやってお金をジャブジャブ刷っているが、これが市中には回らず、銀行の中に留まっている。このことは、市場が縮小していることを物語っている。

しかし、政府は全くこのことを認識していない。あるいは、認識はしているがアメリカの圧力でそうせざるを得ない状況かどちらか。相変わらず古い政策をやり続けている。

そして、これも相変わらずアメリカ国債を毎年30兆円ずつ買い続けている。しかもアメリカ国債の実物は日本には渡らず、名目上だけ。つまり、日本は単純にアメリカに貢いでいるだけということ。

いつまで、このような状況を続けるつもりなのか?

アメリカ株価暴落によって、アメリカ経済が破綻する日を待つしかないのか?

『迫りくる大暴落と戦争“刺激”経済』(副島隆彦 著)からの紹介です。

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■ジャブジャブ・マネーで麻痺している日本経済

今の経済は、クレジット・クリエイション(信用創造)理論が、悪用され勝手に暴走している、と私は思っている。

日銀の公開市場操作(マーケット・オペレーション)は、社会科の教科書にも載っていて、日本の中学生にも、このマーケット・オペレーションというのを教える。中学校の社会科で教えている。実際に私も学校で習った。

 

高校でも教える。日銀は、「買いオペ」「売りオペ」というのをやる、と社会科の教科書には載っている。お金が社会にあまりに増えているときは、「売りオペ」をやって、債券を中央銀行(日銀)が銀行たちに安く売って、そのかわり市中にある余分のお金を吸収する。そうやってお金の量を減らす。景気の引き締めである。短期金利(政策金利)も引き上げて、銀行からの融資が出にくくする。

 

それに対して、不景気になると、「買いオペ」をやって銀行から債券(国債など)を買い上げて資金をどんどん市中に出す。それが銀行からの融資の形で、民間に貸し出されて、いろいろなところに使われて、景気が良くなる。そしてそれが加熱して余分の資金が、土地投機(不動産バクチ)と株のバクチなどに流れすぎると、バブル景気を生む。バブル(金満状態)は人間を不真面目にする。健全な生産活動(設備投資)の方に資金が回らないと、お金が生きて使われない。腐ったお金になる。お金も無駄な使い方、浪費をすると腐るのである。

 

お金というのは、一定の割合で堅実に増えていくというのが健全な経済学の知識だ。ところが、シカゴ学派のミルトン・フリードマンを筆頭とする、マネタリストたちが、インフレ率を、例えば3%と決めて、自動的にお金の量を増やせと、言った。その前提となった理論がアーヴィング、フィッシャーの「お金の流通速度理論」である。お金をジャブジャブ刷って、自動的に増やして、一定のインフレ率を維持すれば、不況は避けられる、好景気を持続できるという理屈を作った。このシカゴ学派マネタリストの「お金の量を増やし続けさせすればいい」理論が、今も歯止めが利かずに、ものすごい量のお金をアメリカ、ヨーロッパ、日本は刷っている。新興国(後進国)もこの真似をしている。しかし貧乏後進国は、自分の国の通貨に信用がないので、刷りすぎると国民にさえ嫌われて紙キレになる。

 

過剰流動性という言葉も使われた。1998年頃に、速水優日銀総裁が、「ジャブジャブというお金が流通している」と言った。だから私はこれを採用し、自分の本で「ジャブジャブ・マネー」と言う言葉を使い続けている。今もこの法則で動いている。ものすごいお金を作っちゃたものだから、巨大な信用が生まれたように見えるけれども、お金をジャブジャブ刷っただけで、銀行の中に溜まったままだ。生きて使われていない。

 

「貯蓄イクォール投資」(S=I)というのが、経済学の基本的な恒等式である。貯蓄(セイヴィング)は、そのまま投資(インヴェストメント)に全額、即座に回されることになっているのだ。ところが現実にはそうはなっていない。今は、この法則が崩れてしまった。だから、ジョン・ヒックスが、実体経済と金融経済の関係式を作った「ヒックス・モデル」の、「SI-LM曲線」のSとIは一体のはずだった。S(貯蓄)=I(投資)だった。

 

SI-LM曲線の「LM」のほうは要するに「お金経済」だ。資金の需要と供給だ。それに対して「SI」のほうが「実体経済」で実需である。LMのほうは、実は先進国ではもう消滅しているのではないか。

 

S(貯蓄)が、I(投資)に向かわずに、そのまま銀行内にとどまって、ジャブジャブの形で透明化して銀行内にお化けのように存在する。外に出て行かないものだから、お金の増殖がない。貨幣乗数がなくなっている。それが現在のデフレ経済のご病気だ。有効に使われるべきお金が、どこかに消えてしまっている。マネーが消えている。金利がゼロなのだから無いのと同じだ。質量がない。

 

■マネーサプライが消えてなくなった

今は「マネーサプライ」(通貨供給量)という統計数字を消してしまって発表しなくなった。かわりに、マネーストックという言葉に変えた。実際はこのマネーストックすら言わなくなっている。かつては通貨統計(お金の量)の指標として、M1、M2、M3などと分類して、「M2+CD」を、日本のマネーサプライと決めていたけれど、もう消えてなくなった。

 

今はベースマネーを使う。日銀が、公開市場操作を行って、銀行の当座に入れる形で渡すベースマネー(マネタリー・ベース。ハイパワード・マネーともいう)だけが肥大化している。このベースマネーも使い道がなくて、各銀行の当座預金に溜まったままになっている。貸しても大丈夫だ、という貸付先がなくなっている。銀行の方がおびえてしまって貸す気がなくなっている。「貸して下さい」と企業経営者たちが言っても、実際には貸さない。優良土地の担保(抵当権の設定)の提供が無ければ銀行は貸さない。貸し渋りは当たり前のように起きている。お金の流れが凍りついたようにピタッと止まっている。細々と生活費のような小額のお金だけが使われて、流れている。

 

黒田日銀総裁が、2013年4月に、「異次元緩和」を始めて、これまで5年間、毎年80兆円ずつベースマネーを増やしてきた。2016年9月に日銀は、これまでの量的かつ質的緩和から、金利をゼロ%に誘導する政策に変更した。日銀の国債の買い取り額は半減して、年40兆円くらいしかしなくなっている。それでも2017年の年末でマネタリー・ベースは474兆円まで膨らんだ。日本中の銀行が日銀においているお金で預金と現金(お札と効果)で、これだけある。このマネタリー・ベースで、今は通貨量、お金の量を量ることになっている。が本当はインチキくさい。

 

■日本国債の買い取りでマネー・クリエイションしている

日銀が、財務省が発行する日本国債を、買い取ってその代わりに財務省にお札を渡す。それで、お金が生まれる。これも信用創造である。民間銀行だけでなく中央銀行だって銀行だから信用創造をするのである。だから、お札というか、通貨ならばカレンシー、もっと広く言えばマネーだけれど、これをどこまででも大量に刷って財務省に渡す。その代わりに、財務省が発行する国債(国家借金証書)を受け取る(買い取る)。国家財政が足りない分を、こうやって、どんどん日銀が供給するということをやっている。これは違法だ。やってはいけないことなのだ。日銀法と財政法違反だ。なのにそれをやっている

 

その実態は、マネー・クリエイションだ。お金が日銀という玉手箱というか、打ち出のコヅチから生まれる。湯水の如く溢れ出る感じだ。それで政府は助かっている。累積の赤字財政を日銀が肩代わりして穴埋めしている。これで日銀が汚れたゴミ箱のようになった。財務省が毎年の財政資金が足りない(増税はできない)から、その年の分のお金を日銀に「なんとか作ってくれ」と言っている。これがだいたい毎年40兆円ぐらいだ。満期が来た国債も洗い買えといって次々にロールオーバーする。期限が切れたものを新規再発行して、新規の分とあわせて毎年40兆円ぐらい出している。

 

これ以外にアメリカに行くお金がある。毎年30兆円ずつアメリカに行く。アメリカ国債とかを秘密でかわされている。だから円安(円を売ってドルを買うから)にもなるのだ。この私の説を今も誰も信じてくれない。30兆円掛ける40年間で、1200兆円だ。これだけの資金がアメリカに渡っている。その見返り、ぷれっじ(担保)で、保証でももらっているのは米国債だ。やがて紙切れの米国債だ。今は紙さえない電子データだけだ。

List    投稿者 tasog | 2019-01-29 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?, 03.国の借金どうなる?No Comments » 

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