2012-03-05

これからの税制どうする?  第2回〜増税反対派=景気回復派?

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「これからの税制どうする? 第1回〜消費税増税するのなんで?」lでは支配階級(①財務省②大企業(経団連)③民主党④マスコミ)たちの自己中な事情を扱いました。
彼らを【増税派】とすると、一方で増税に対して批判的な意見を述べている人たちもいます。
今回はそうした所謂、増税反対派の意見を見て行きながら、税金について考えていきたいと思います。
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■増税反対派の意見
そもそも増税の目的は建前であろうと財政の健全化であり、国の借金を何とかしようというものです。そして、震災復興や少子化対策、失業対策に必要な予算をまわしていこうというものです。
つまり、増税によって国の収入を増やして借金を返し、公共投資もしましょうと言うことです。
増税に反対する意見としては、第1回で扱ったような「支配階級の思惑には乗らないぞ 👿 」という理由がかなり多い(気持ちはよく分かりますね )ですが、これらと合わせて、「消費税を増税すると、税収は上がるどころか不景気になって、さらに財政は悪化する 😡 」(EX.消費税増税とバラマキに反対する理由−未来のゆくえなど)という意見があります。

政府は肥大化する財政赤字を補うために、「増税→景気悪化→税収減」を繰り返しているのだ。

グラフをクリックすると拡大します。


増税⇒消費の冷え込み=不景気⇒デフレの加速⇒法人税・所得税の減収となるという意見です。
つまり、消費税増税は景気を悪化させるため、有効に税収を増やせない=財政は健全化しないということです。
そして、そこから導く方針は、デフレを止めて、景気回復して税収増⇒財政健全化するという意見となります。景気回復を優先すべきと言う人たちを【景気回復派】としましょう。
■景気を刺激する?
【景気回復派】の人たちが上げている対策は、大きく2つあるように思います。
A.減税、金融緩和、規制緩和など、市場を活性化させる目的で自由市場の拡大を図ろうという意見
 
B.デフレからインフレに転換させるため、もっと市場にお金を投入しようと言う意見
 
 
Aは物を売りやすくして、市場を活性化すれば経済は回復するというグローバリズムの流れで、自由競争推進の人たちです。話題となったTPP推進派もこの一派です。
簡単に言うと、どんどん市場競争をさせて、価格を下げる⇒すると、みんな購買意欲を刺激されて、どんどんお金を使ってくれるから景気が良くなるという意見ですが、本当にそうでしょうか?
既に10年以上デフレ傾向で、物価は下がったままなのに、全く景気が回復する気配はありません。
もっと安くなったら、もっと買うようになるのか?単純に疑問に思います。

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Bは、市場にお金を投入すると言うことですから、公共投資などのバラマキをやるという事です。これも、景気を刺激すると言うことですが、この方策は、国の借金をここまで膨らませた原因そのものでもあり、本末転倒のように思います。
もう既に40年近く借金してまでお金をバラマイてきたのに、バブル化して弾けてそれっきりという状況なのです。さらにバラマイて(景気を刺激して)どうなるものでも無いように思います。
また、インフレターゲットなどという言葉が出ていて、インフレ(通貨価値▼)に誘導しようと言う意見もあります。
ちなみにインフレターゲットとはインフレを抑制する目的で、政府が通貨量をコントロールし、一定の割合までの物価上昇を維持しつつ市場を安定化させる施策のことの様です。デフレを打開する目的の施策ではないのです。バラマイた結果インフレが加速するの恐れて、その安全弁としてインフレターゲットを持ち出しているのかもしれませんが、いくらバラマイたところで、インフレにはならないのではないかと思います。

 
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■経済学的視点ではダメ
増税でも景気刺激でも財政再建も景気回復も見通しが暗い状況です。
では、どうしたら良いのでしょうか?
【増税派】の意見も【景気回復派】の意見も共通しているのは、経済学という認識の枠の中の議論であると言うことです。そして、経済学とはお金と物の関係を論じる学問だと思うのですが、私たちのお金や物に対する感覚を経済学的視点では完全に取り違えているのではないかと思います。
具体的には人間の欲望は無限(経済学の常識)で、お金があればあるだけ物を買うということではないということです。
「もったいない」という言葉が象徴するように、必要な物が必要な分だけあれば特に問題無いのではないでしょうか。特に日本人はこの「もったいない」という感覚を持ち続けています。
そもそも、経済学とはこの「もったいない」という感覚と無縁な人たちが考え出した学問ですから、現代の日本人のお金と物に対する感覚を読み解くことは出来ないのではないかと思います。
ですから、必要以上に物を買わない日本人に対して、経済学的アプローチで何を論じても、答えには至らないと思います。
次回は、現在の日本経済の状況について、根本原因を経済学の常識から離れて追求してみたいと思います。

List    投稿者 bonbon | 2012-03-05 | Posted in 03.国の借金どうなる?No Comments » 

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