2008-08-09

地方経済がどうして破綻してきたか

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前回に引き続き、地方経済がどうして破綻に追い込まれたのか?今回は、1980年以降の状況を追いかけてみたいと思います。
 
 
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3,財政改革と地域発展政策(1981年〜1992年) 
 
この時期に財政再建は最優先課題となった。1981年に臨調が成立され、中曽根首相の指示を受けて、臨調は政府の行財政組織や中身を改革する(行政制度とその運営の改善に関して調査・審議し、内閣総理大臣に意見を述べるなどする国の付属機関)一連の提案を行なった。その中には、中央政府と地方政府の財政再建や行財政改革も含まれていた。中央政府レベルでは、こうした改革はある程度進展したが、地方政府レベルでは、歳出の抑制に消極的な各省庁と大蔵省との利害対立が大きくなった。 
 
しかし、石油危機から回復した後で、バブル景気によって1980年後半の税収が増加。その結果、一時的には、地方政府は財政危機から脱却する事ができた。行財政改革はその目的の重点を財政再建から地域の経済発展に移すようになった。 
 
バブル期に第三セクター方式が活用され、地方政府の資金も投入された。この方式では経営危機になったときの責任の所在が不明確であったために、バブルが崩壊して経営危機が現実化した時に結果として公的資金による負担が増加する事になった。 
 
同時に、竹下内閣では、、1988年から1989年にかけてふるさと創生資金等を活用して、自治省は、地方政府による地域活性化政策を支援した。また、交付税や地方債による支援も財政面からそうした政策を後押しした。 
 
経済問題に多くの関心が集中するにつれて、地方政府においても保守か革新かという政治的対立は、大きな争点にならず、住民は行政管理能力や中央政府との良好な関係を重視するようになり、自治省出身の知事が増加し与野党相乗りが一般的になるにつれて、政治的な無関心も拡大した。 
 
地方交付税は、地方政府の財源補償機能をもっている。1980年代後半に国税や地方税は増加したため、交付税の財源も自動的に増加した。もし、交付税の基準財源需要が増加しなければ、交付税の配分額は減少して、交付税の特別会計に黒字が計上されるはずであるが、自治省は基準財源需要を大きく増加させて、交付税の配分額を維持した。 
 
この時期は2つの要因が重要である。地方政府の財政状況と地方経済の動向である。自治省は財政再建と地域振興という2つの目的を持っていた。産業の空洞化が進んだ地方や農業に依存してきた地方では、新しい地方振興の目玉を公共事業や公的な支援に頼るようになった。 
 
バブル期までは、この2つの目標は両立したが、バブルが終焉した後で、財政状況が深刻化すると、これら2つの目的は両立しにくくなった。1990年代初頭以降に、地域振興のために多くの地方債が発行されて公共事業が行なわれたが、あまり成功しなかった。 
 
4,地方分権と財政再建(1993年以降〜) 
 
1990年代には、国も地方も財政状況が悪化した。その結果、交付税収も自動的に減少した。総務省は地方政府の圧力に配慮して、基準財政需要を抑制しなかったので、交付税特別会計の赤字が増大した。中央政府同様、財政再建が大きな課題となったが、十分な成果は、見えなかった。政治的には、全ての有力政党が政権に関わる連立の時代を迎えた。細川政権以降地方分権は中央政府の大きな論点になった。この時期、地方分権は多くの支持を得た。特に、小泉内閣における三位一体の改革では、地方政府の自主的な自助努力を重視して、地方政府が財政面でも自立した運営が行えるように、補助金、交付税の改革、国税と地方税の配分問題が一体として改革されるようになった。 
 
しかしながら、この三位一体の改革が、深刻な地方財政危機をもたらす。 
 
現在、地方財政は危機的な状況にある。多くの自治体では「夕張のようにならないため」といって、住民負担の強化とサービスの削減、自治体職員の削減と非正規化、民間委託化が進められている。
今、地方財政危機の主要な原因はどこにあるのだろうか。 総務省が発表した「地方財政の現状」2007年)では、 
 
①大幅な地方財源不足(4兆4,200億円)と高い公債依存度(地方債依存度11.6%)、
②多額の借入金残高(平成19年度末で199兆円=対GDP比38.1%)、
③個別地方団体の財政硬直化(経常収支比率、公債費負担比率、起債制限比率が10年前に比べて悪化)
 
 
を指摘している。 
 
このことからも明らかなように、地方財政危機の主要な原因は、第一に、1990年代に政府主導ですすめた「経済対策」による公共事業の地方債償還が重くのしかかっていること、第二は、小泉自・公連立政権が進めた「三位一体の改革」である。 三位一体の改革では、大企業本位の財政運営と国の財政再建を優先させて自治体財政を削減し、地方財政を6.8兆円(補助金改革▲4.7兆円、税源移譲3兆円、交付税改革▲5.1兆円)も縮小させ、地方自治の危機が促進された。(引用) 
 
1990年以降、国と地方財政は、どちらも悪化してきているが、地方分権の裏には、国は地方を統合する役割を実質、担えなくなったとするのが適切な言い方なのかもしれません。若しくは、諦めてしまった。という言い方が妥当であるかもしれない。既に、国や地方自治体の長達は、地方分権という御旗を挙げて、地方政府が財政面でも自立した運営を行なう事しか、この状況は解決しないという方向しか「答え」はないとしています。しかしながら、本当にそうでしょうか?一方、ほとんどの市民が、地方分権、道州制に対して、実感がない事の方が問題であり、戦後以降、人々の意識も含めて、これまでの地方財政の有り様をまずは、振り返り、どこに問題があったのから論じないと、結局は、国を道州に分けたところで、親が、国から各道州に首が変わっただけで、結局何も変わらないの事になるのではないでしょうか? 

List    投稿者 orisay2 | 2008-08-09 | Posted in 03.国の借金どうなる?6 Comments » 

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コメント6件

 通行人 | 2008.12.19 22:44

マネーサプライの増加と経済成長が全然連動してないのですね。
政府・中央銀行が、ドンドン、お金を供給すると景気が良くなるという話もありますが、統計を見る限りは、GDPの成長率とは関係なく、通貨発行高も、マネーサプライも増加している。
ということは、金融緩和策(マネーサプライ増)を打っても、景気対策にならないという事でしょうか?

 通行人2 | 2008.12.20 21:53

日銀は紙幣の印刷さえしていないのでしょうか?
図によると、大蔵省(今、財務省)に刷らせたお金を貸したり交換したりするだけ?
貸した金利がただひたすら入ってくるだけなのでしょうか?
おいしい商売ですね。

 路上で世直し なんで屋【関西】 | 2008.12.22 19:01

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ないとう@なんで屋です。金融危機を反映して、各国とも様々な「金融政策」を取り続けています。特に、金融危機の度合いが強い、アメリカ政府及びFRB(アメリカ中…

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