2021-09-07

経済破局はなぜ起きるのか1~国債経済は「経済成長」を演出してきたに過ぎない~

2021年度予算案より

国債3

「日本は多額の借金(国債)をしている」という事実は知っていながら、我関せずと何気なく生活してしまっている現代人。
「日本経済ってなんやかんやでそのまま成り立っていけるんじゃないか」みたいな空気すら感じる。
それは幻想でしかない。
改めて現実を直視していく必要が有る。
なぜ、国債は発生するのか、そしてなぜ増え続けるのか。
そこから「経済破局」はなぜ起きるのか、「経済破局の先に何があるのか」を考えていきたい。

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経済破局に至る基本構造より転載

■経済破局に至る基本構造

〇貧困の消滅から、バブル経済へ
1970年 先進国では貧困が消滅し、貧乏人がいなくなりました。
それまでは、飢えの圧力から逃れるため、私権(金、地位、女など)を求めるエネルギーを原動力にして、市場は拡大してきましたが、豊かさが実現し、物が行き渡ったため、放っておけば、市場は縮小していく構造に転換しました。
しかし、市場が拡大しないと困る人たちがいます。それは市場の拡大を基盤に特権的地位を得た金貸し達です。
かれらは、市場拡大を維持する為に、国家を通して、大量の資金を市場に投入してきました。いわば人工呼吸装置を付けて無理矢理、市場拡大を維持している状態です。
特に欲しいものが無いのに、市場に大量の金を注ぎ込んだため、金余り状態になり、経済がバブル化していきました。
そのトップランナーは日本で、’86年バブルのピークを迎え、’90年に崩壊しました。

〇バクチ経済と覇権闘争の時代
金貸しは、商業資本の時代から産業資本の時代を経て、金融資本(投機経済=バクチ経済)の時代に転換しました。
商業資本や産業資本の時代は、金貸しは資本を商業や産業に投入し、実体経済を拡大させることで儲けることが出来たのですが、豊かさが実現し、金で金を売り買いするというバクチよってしか、儲ける事が出来なくなったことを意味します。
この間、金貸し支配に変化はありませんが、産業資本の時代までは共存してきた金貸し達が、金融資本の時代になって、生き残りをかけた激烈な覇権闘争を始めました。
それは、バクチは損をする人を作ることで初めて利益を出すことが出来、またその勝敗は資金力によって決するため、必然的に一極集中していく構造にあるためです。

市場の危機とは、国債経済の破綻であり、金貸し支配の終焉であるより転載
〇市場の危機とは、国際経済の破綻であり、金貸し支配の終焉である
これまで市場拡大の原動力となってきたのは、人々の豊かさ期待である。言葉を換えれば、私権欠乏であり、私権圧力である。従って、豊かさが実現され私権圧力が衰弱すると、市場は拡大を停止するしかない。しかし、それでは私権統合の体制が崩壊し、市場を支配してきた金貸しはその権力を失ってしまう。
そこで金貸しとその配下のお上は、不足する需要を補うべく赤字国債を発行し、これまでに1000兆円もの資金を人工的に市場に注入して見せかけの「経済成長」を演出してきた。
しかし、需要のない市場にお金を注入しても、お金はダブつくだけで、その資金は土地や株式にしか向かわない。かくして、経済は忽ちバブル化していったが、バブルは必ず崩壊する。その後、市場はバブル化と崩壊を繰り返し、遂に投機マネーが実体経済に必要なマネーの30倍にも達するブヨブヨの肥満経済を現出させてしまった。今や、世界経済は、いつ国債が暴落してもおかしくない状態にあり、経済破局が目前に迫ってきている。

「経済破局」=「国債経済の破綻」を意味する。
そして国債経済は「経済成長」を演出してきたにすぎないという事実。
ここを強く固定しておきたい。

そして現在の状況はどうか。
■現在の状況

2021年8月20日 日経新聞より
金貸し
・2020年度の補正予算額は過去の危機(リーマンショックや東日本大震災等)と比較して圧倒的に突出している!
2021年度は更に上がる見込みか。

2021年度予算案より
国債3
・国債発行残高は990兆3000億円にも上る!
・来年度には1000兆円を超える!
・見ての通り年々増加傾向にあり、借金をし続けていることは明らか。

以上のように、我々が何気なく生活している水面下で日々「国債経済」は破局に向かっている。
経済成長の演出はおろか、誤魔化しすらきかない。
このような状況下で、「自身には関係ない」のような楽観視では、この先の未来を生き抜いていけない。
では「経済破局の先に何があるのか」
次回は今後の可能性を深堀していく。

List    投稿者 前の院 | 2021-09-07 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?, 03.国の借金どうなる?No Comments » 

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