2009-12-02

【需要発から供給発へ】 1.働かない人に支援金を払って、活力が上がるわけがない

民主党主導のもと進行している“仕分け”(行政刷新会議)が世間を賑わせている。無駄な事業を削減し、国家予算の縮減を目指したこの”仕分け”、その意図や目的は一定評価できるが、あまりにも目先的になっていないだろうか (1つの事業案にかける時間はおよそ1時間程度らしい・・・)闇雲に予算を削っても、現場(や国民)は混乱するだけです。
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そもそも(財源がないから)”予算を削る”という発想は、需要の有無という従来の経済学的思考の域を出ていません。需要ではなく”供給発”で考える、新しい仕事を生み出すことこそ、今の日本社会、政治に求められていることではないでしょうか?
本当の無駄がどこにあって、それらをどう軌道修正していけばいいのか、今後るいネットの秀作投稿をシリーズで紹介しながら考察していきます。シリーズ1回目の今日は、お金の使い道について、発想の転換を促す認識を紹介します。
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◆働かない人にお金をばら撒いている現状

>30代独身サラリーマンの手取りと、未婚の母となった10代無職の女子に払われる補助金がほぼ同額であると知ったら果たしてやる気が出るでしょうか。< 69448 「働いたらお金がもらえなくなるから働かない。」これでは、働かないことを国が奨励しているのと同じであって、活力が上がるわけがありません。 この状況は日本も似たようなもので、生活保護、年金、老人医療費、大学に対する補助金、専業主婦に対する税制優遇等々、老人、福祉受給者、学生、主婦といった働かない人への支援金が増大し、国の借金が雪だるま式に増えています。 るいネットより 

経済状況が悪化する中、生活保護を受ける世帯は増加している。
厚生労働省の社会福祉行政業務報告によれば、生活保護を受けている世帯の数(被保護世帯数)は、1980年度には、世帯数で746,997だったのに対し、2005年度には、一月の平均被保護世帯数が100万世帯を突破、2009年度には、119万世帯を超えている。受給総額は、2007年実績で2兆円にも上る。(下図参照)
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◆不労を加速させる支給額とシステム
もちろんこの経済状況下では”(働きたくとも)働けない”実情もあるだろう。しかし、不労の人間にお金を支払う生活補助のシステムは見直すべきだ。下記の支給額を見れば、普通の人さえまともに働く気が失せてしまうのではないだろうか?
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また、生活保護には不正受給の問題も絶えず付きまとう。

生活保護費の不正受給、過去最高に(TBS)
収入があることを隠すなどし、不正に受給された生活保護費が、過去最高の92億円となったことがわかりました。
厚生労働省によりますと、昨年度不正に受給された生活保護費は前の年より2億円増えて92億円となり、件数も1万6000件と金額、件数とも過去最高となりました。
不正受給の手口で最も多かったのは働いて得た収入を全く申告しなかったケースで、およそ8900件(56%)と半数を超え、年金収入を申告しなかったケースも2100件(13%)に上りました。

◆お金の使い方を変える、そのためには?

‘70年に貧困の圧力を克服した以上、飢えて死ぬようなことはあり得ないのだから、政府がやるべき事は、働かない人を支援することなんかじゃなく、新しい仕事を作り出すことであり、本当に必要とされていることをしている人やグループを資金的に支援することなんだと思います。
必要なことをボランティアとしてやっているNPOとか、重要であることは共認されているにも関わらず収入が少ないために担い手不足の農業とか、いくらでも有効な支援先はあります。
そしてなによりも、認識形成の場作りこそ本当に必要とされていることであり、そのような活動をしている人達を支援することが、時代の閉塞感を吹き飛ばし、活力のある社会を作り出すのだと確信しています。
(参考)「超国家・超市場論18 認識形成の『場』を構築することこそ、真の社会活動である」32087
>社会は、人々の共認によって形成されている。実際、この社会を動かしているのも、この社会を統合しているのも、全ては人々の共認に依っている。従って、社会を統合し直すために最も重要なのは、人々の共認内容=認識を変革し、新たな共認内容を形成してゆくことである。
なぜなら、共認こそ人類の命綱であり、その共認内容は人類の命運を左右する(例えば、共認内容を誤れば人類は滅亡する)ものだからである。また、人々の認識さえ変えることが出来れば、それに応じて社会制度や体制を変えるのは簡単だからである。要するに、認識形成こそ、社会形成の生命部なのである。
従って、認識形成の場に参加すること(=場を構築すること)が、求められる真の社会活動となる。実際、大衆自身の手で社会の生命部を成す共認を形成してゆく活動であるという点でも、誰に要求するのでもなく自らの手で新しい社会統合機構を構築してゆく活動であるという点でも、これこそが、真の社会活動であり、それをおいて他に真に有効な実践活動はない。<るいネットより

貧困克服→市場縮小→(物的)需要がない→職がない→働けない
働かない→権利主張→不正受給

現代社会は構造的に行き詰った構造にあり、既存の経済理論では答えは出せません。
困窮世帯や社会的弱者を本当に支援するなら、仕事をつくる=供給発で物事を考えていく必要があるのです。潜在的な類的需要は至るところに存在するのだから、供給者を作り出すための場を増殖させ、答えを作りだしていくことこそ、新しい仕事の創出となっていくはず。
需要発から供給発へ 今こそ認識の転換が必要!

List    投稿者 pipi38 | 2009-12-02 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?, 03.国の借金どうなる?9 Comments » 

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コメント9件

 かつまた | 2010.06.26 19:23

生産時の材料代+労賃≒120円 という話ですが、実際には流通コストなども含まれていると思います。
これらはまぁ、納得のいくものかと思います。
しかし、その中に宣伝広告費も含まれていることも忘れてはいけないですね。
製造業がどれくらい宣伝広告に金を払っているかと調べてみたら面白いのではないかと思いました。

 匿名 | 2010.06.26 19:27

今まで自分の中では、「等価交換」という概念が常識になっていたので、今回の内容はまさに目から鱗って感じでした。
非常に面白かったです!

 wacky | 2010.06.26 19:28

とても分かりやすかったです。
市場の欺瞞性を明らかにする視点が増えましたね。今回の内容は、詭弁で塗り重ねられている経済学のごく一部分の仕組みをテーマにしていますが、このような仕組みの集まりが経済学を成しているのであれば、もっと多くの切り口から欺瞞性を明らかにしていきたいですね。新たな視点発見していきましょう。

 うっちー | 2010.06.26 19:29

等価交換の背後には社会的コストが付加されているという指摘は、利便性、快適性を求めるが故なのかと思います。
結局その社会的コストも市場経済に貢献しているわけで、どう転んでも市場が拡大するように出来ているように見えるし、やはり今の社会は市場に支配されているのかと改めて感じました。

 saken | 2010.06.29 10:49

みなさん、コメントありがとうございます。
>かつまたさん
市場が飽和状態で物が売れなくなっている今、販売戦略上、宣伝広告は不可欠な状態ですよね。
かつまたさんからの指摘で、販売価格の内訳が知りたくなりました。例えば100円程度の缶ジュースの内訳は?薄利多売の儲けのほかに、表に計上されない利益もあるような気もします。
>wackyさん
市場の最大の詭弁は、その成立過程にあるように思います。一緒に探っていきましょう。
>うっちーさん
どう転んでも市場が拡大する。と一見みえますが、それは幻想ではないでしょうか?
ネット情報を見るにつけ、現在はマネー経済の崩壊過程にあります。
新たな市場の姿を模索していく必要を感じています。

 ミュウミュウ 財布 | 2013.07.08 2:45

お世話になります。とても良い記事ですね。

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