2009-07-17

政府紙幣の可能性を探る 〜貨幣の問題性 シルビオ・ゲゼル〜②

%E3%82%B2%E3%82%BC%E3%83%AB%E5%85%A5%E9%96%80.jpgシルビオ・ゲゼル入門
昨日お届けした 政府紙幣の可能性を探る 〜貨幣の問題性 シルビオ・ゲゼル〜①の続きになります。
貨幣の問題性に気付いたゲゼルは、貨幣の特権をなくす手段として減価する貨幣を提案します。
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■減価する貨幣

「お金」が市場に君臨し、利子によって労働者を搾取する構造を排除するため、ゲゼルは、「お金」も他の生産品同様に劣化することを提案しました。お金の権力を無力化する方法として、貯蔵性および流動性のメリットを相殺するコストをお金の中に組み入れることを考えました。現金としてのお金に手数料(運輸業における貨物車両の留置料に相当する)が課せられるのであれば、お金は市場に対する優位性を失い、交換手段としての奉仕的な機能だけを果たすことになる。循環が投機的な行為によって妨げられることがなくなれば、通貨の購買力が長期に渡って安定できるようになり、流通するお金の量を恒常的に物質量に適合させることが可能になるというのです。反ロスチャイルド同盟

減価する貨幣とは、一言で言えば時間と共に価値が下がっていく貨幣です。
つまり、これまで価値が普遍だった「お金」が、蓄財すればするほど損をするようになります。
具体的には・・・、

“持ち越し税”をかけることにより、貨幣を劣化させることを提案しました。
すべての商品の平均劣化率は年率5%という計算を基に、貨幣もまた一年間に約5%劣化すべきであるとの結論に至ります。ゲゼルは「交換を媒介するものとしての貨幣は、公共の交通機関のように公共財であり、使用の対価として少額の使用料を徴収すべきである」反ロスチャイルド同盟

人々は蓄財による損を防ぐために「お金」を使うようになり「お金」は循環します。
「お金」が循環することで、「お金」は資本家の絶対支配から民主化されてゆきます。
「お金」の発行は公共機関が担い、インフラ整備同様、税収によって管理する。
■「お金」を民主化する
アンチロスチャイルド同盟では、「お金」を民主化する方法として、公共機関が担う「お金」の発行を住民投票で行ってはどうかと提案しています。

地方政府が(中略)地域通貨を発行する際は、住民投票をおこなうようにしてはどうでしょうか?そうすれば地方政府は、その地方にとって何故その事業をおこなう必要があるのかを説明する責任を負うことになります。仮に過半数の賛成票を得られた場合は、その事業をおこなう際に、地域通貨を財源とすることができるとすれば、無駄な公共事業がおこなわれることもなくなり、町にとって本当に必要な事業がおこなわれることになるはずです。これは没落していた地方に仕事を増やし、失業者をなくし、景気を回復させ、同時に住民参画型の民主的社会を実現することにもつながります。
(中略)
これまで重要でありながらも収益性がないために促進できなかった事業も、地域通貨を財源とすることで、おこなうことができるようになるでしょう。反ロスチャイルド同盟

これまで私達が、「お金」を得るためには、資本家から労働機会を得るか、「お金」を借りることしかできませんでした。そして、借金を原資にした利子分の返済のため、収益性が何よりも優先され、仕事又は事業はどれだけ儲かるか?という視点しか持ちえません。
儲からない仕事や事業は、労働者が苦汁をなめるか、公的機関の借金を財源にしてきました。
日本は、800兆円(国債+地方債)もの借金を背負い、ここ30年で275.3兆円の利子を支払ってきました。
そもそも借金や利子とは、何なのか?誰のためのものなのか?
国民一人当たり650万円の借金を抱える今、お金の仕組み(システム)自体を検証し直すことを
ゲゼルさんは教えてくれているように思います。
参照:シルビオ・ゲゼル入門

List    投稿者 orimex | 2009-07-17 | Posted in 03.国の借金どうなる?, 09.反金融支配の潮流1 Comment » 

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コメント1件

 wholesale bags | 2014.02.10 16:13

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