2010-11-06

「国の借金が800兆円になったのは何で?」6〜今やインフレは起こらない!〜

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「国の借金800兆円」シリーズも7回目になりました。いよいよ佳境です。
前回は、抜本的解決策、「政府紙幣の可能性」について書きました。
政府紙幣の発行は、ただ借金を減らすだけではなく、経済原理や市場の支配構造をも変える可能性がある、というかなり未来の明るい話でしたね。
今回は、政府紙幣発行に対し良く指摘される、インフレの可能性について書いてみたいと思います。
 
通貨流通量が増えるとインフレが起こる、とは昔から言われていますが、それは本当か?
その答えを読む前に、いつものクリックをどうぞ

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まずは「るいネット」の秀作記事「Re:構造についての不明点」を紹介します。

> 紙幣量を増やす→インフレは起こらないの流れ(るいネット投稿)・・・を整理すると、
まず、(紙幣を増刷して)お金の流通量が増加しても、ただそれだけではインフレは起こりません。もうひとつ「供給を上回る、大きな需要があること」、つまり「物的需要力>物的供給力」、この基礎条件にお金のだぶつきが加わると、インフレが起こります
戦中戦後の日本のインフレも、有名なドイツのハイパーインフレも、このようにして起こりました。貧困下での強い物的欠乏、戦後復興のための旺盛な投資需要、つまり物財が圧倒的に足りないという基礎条件があったからこそ、物の値段の急上昇が続く=インフレとなったのです。
翻って現在はどうか?
人々の物的欠乏は衰弱し(特に欲しい物がない)、供給過剰で物が売れない時代です。つまり「物的需要力<物的供給力」、これでは一般にインフレは起こりません。
(※「お金の流通量が増えると必ずインフレになる」と主張する人は、「人々の物的欠乏は常に無限である」(=物的需要は無限である)という誤った固定観念=錯覚に囚われているのです)
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   (日本は一貫してインフレ率が上がっていない)
現にここ10年以上、国が借金をして毎年何十兆円ものお金を市場にぶち込んできましたが、インフレにはなりませんでした。インフレどころか逆に、最近まで明らかにデフレ。現在は一部価格上昇が見られるものもありますが、全般的上昇局面=インフレではありません。
(※政府は1990年代から景気刺激策と称して150兆円以上のバラマキ、日銀は超低金利→量的金融緩和でお金をじゃぶじゃぶ、つまりインフレ誘導策をさんざんやってきて、また実際に、マネーサプライ(M2+CD)は90年以降40%以上も増加してきたのだが、インフレにはならなかった)
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ただ、無制限にお金の流通量を増やしてもよいということにはなりません。どんどん増やせばそれだけ、(物に対する)お金の価値が相対的に下落しますので、需給バランスから物の値段が上昇していくことになります。つまり現実的には、紙幣流通量を増やせるのは「需給ギャップの範囲内で」という条件付きだと思われます。
その需給ギャップはどのくらいかに関しては検討が必要ですが、少なく見積もっても、毎年の国の借金額である40〜50兆円くらいまでは、(国債に替えて)国家紙幣を発行しても原理的にインフレは起こりえないはずです。こうしたお金を類的活動=活力再生事業に使っていけば、経済は変わるはずです

大きな勘違いをしていた方も多いのではないでしょうか。
通貨流通量が増えるだけではインフレは起こらない。インフレが起こる背景には、物的需要が必要なんです。
 
特に日本では、1970年以降、物的豊かさを実現している以上、そう簡単に物的供給を上回る物的需要は起こらない。
「物不足」なんて話題は、この40年、社会全体として起こったことは無いと思います。
 
そして、最近20年はいくら国が借金してお金の流通量を増やしても、インフレどころかデフレになっている始末。
 
このような状況であれば政府紙幣として通貨流通量が増えてもインフレにはならないと言えると思います。
政府紙幣の発行量についてはさらなる追求が必要なところでしょう。
 
そして大事なのは、そのお金を何に使うのか。
借金返済のためではなく、みんなの活力が出るために使っていく、損得ではなく必要とされるものに使っていく、その方針(政策)が必要となります。
 
さて次回は、現状の国の借金の状況を改めて整理したいと思います。
 
それでは
 
※類的活動(活力再生事業)に関する参考投稿:
類的供給って、すごいシステム☆
潮流5:失われた40年

List    投稿者 vaio | 2010-11-06 | Posted in 03.国の借金どうなる?2 Comments » 

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コメント2件

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