2009-11-19

アメリカ政府紙幣の歴史② 〜金貸しの逆襲

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写真はこちらからお借りしました
前回の記事『アメリカの政府紙幣の歴史〜グリーンバック紙幣〜』では、南北戦争の戦費調達を目的に発行されたグリーンバック紙幣の経緯を見てきました。
中央銀行が未だ存在しない時代に、
政府紙幣によって国を守ったリンカーンは、まさに英雄だったでしょう。
このグリーンバック紙幣は、1900年時点で国内流通通貨の3分の1を占めるほど、全土に広がっており、その発行量が如何に多かったかがわかります。
そんな中、グリーンバック紙幣制度の中心となり、南北戦争を勝利に導いたリンカーン大統領が1865年に暗殺されます。
ここからアメリカは、1913年中央銀行(FRB)設立まで、金貸し支配が一気に高まっていきます。
今回は、「金貸しの逆襲」と題して、中央銀行設立に至る金貸しの台頭を振り返ってみたいと思います。
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リンカーンによって発行されたグリーンバック紙幣は、不換紙幣であったため、その供給量を制限すべきであるという意見が銀行家達を中心に出始めます。なぜなら、グリーンバック紙幣をどれだけ刷っても、銀行家達が全く儲からないからです。
銀行達の力は強大でありその意見が通り、遂に、1863年、1864年に国立銀行法が成立します。
(・・・その一年後にリンカーン暗殺)
中央銀行が無い時代、それまでのアメリカは州立銀行が乱立していました。
さらに、この州立銀行が夫々で紙幣を発行していたため、その混乱を改善する名目でこの法律はつくられます。
この法律は、国の指定する国法銀行(国法と書いているが実は民間銀行)をつくることを前提とします。国法銀行は、国債を買い入れ、その国債を担保に紙幣の発行を【唯一】許可されることになったのです。この紙幣は、兌換紙幣であるため、国法銀行は兌換可能な準備金を一定の割合で確保しておく必要があります。
つまり、この国立銀行法によって、
国家に金を貸す構図と国家の信用力を背景にした銀行の信用創造が磐石になったことになります。

これを境に連邦政府は銀行が一般への貸し出しを行い得るよう銀行から借金しなければならなくなったのです。そうなる様に設定されたシステムだったのです。19世紀の残りの期間を通じて銀行の力は伸長して行きました。彼らの銀行券は国債と共に増え続け、法制化によってその量が固定されたグリーンバック紙幣に徐々にとって代わっていったのです。
銀行は、企業の事業への貸出しを行うだけではなく、不動産の抵当権を得たり、農民の種蒔きや収穫に必要な費用を貸出し、そして鉄道や鉄鋼等の産業を支配できる株式を獲得し始めたのです。銀行家達は政府が購入し得る銀の量を議会に制限させ、より希少な金を通貨の主要な裏付けとする事によって負債に無関係な通貨が流通する割合を削減する事にも成功しています。
アンチロスチャイルド同盟より

まさに、国家の信用力を背景に、金貸し支配が着々と進行していくことがわかります。
そして、一部の銀行によってマネーのコントロールが可能になったため、彼らが供給量を調整することで、市場をコントロールするようになっていきます。

銀行家達は時折、信用供与を制限する事により担保資産の差し押さえや破産を通じて何千もの農家や企業を自らの手中に陥らせ、その当時の所謂「恐慌」も作り出していました。
アンチロスチャイルド同盟より

一方で、この国法銀行法も未だ完全なシステムではなく、以下のような問題点があったようです。

①銀行券発行が当時減少し続けていた米国債を担保としていたため、季節変動や恐慌に際して弾力的な銀行券の発行ができなかったこと
②準備預金制度により地方都市からニューヨークに集中した資金の大部分が株式仲買人に対して投資されたため、恐慌により株式取引所が閉鎖されると、貸付けが凍結され、ニューヨークの市中銀行は地方銀行に送金することができなくなり、地方銀行が支払資金の不足に直面するというように、「最後の貸し手(Lender of Last Resort: LLR)」が欠如していたこと、
③地域外小切手の取立てに関し、しばしば現金輸送が必要とされたため、運搬費用により他地域のドルに対する割引が発生したこと、といった問題点が指摘されている。
日本銀行金融研究所 「中央銀行と通貨発行を巡る法制度についての研究会」報告書P24(PDF) より

そして、より完璧な金貸し支配をFRB設立によって完成させるのです。
リンカーンが、金貸しによって暗殺されたかは定かではありませんが、動機に妥当性は十分あると言えるのではないでしょうか。なぜなら、政府紙幣は、銀行家の存在基盤そのものを奪うからです。
歴史は勝者が塗り替えていくものです。
リンカーンの政府紙幣はここで非常識なものへと塗り替えられたのです。
つづく・・・

List    投稿者 orimex | 2009-11-19 | Posted in 03.国の借金どうなる?13 Comments » 

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コメント13件

 かつまた | 2010.06.12 19:34

>環境問題はどの視点から見るかが大切なことだと思います。本来はどの視点とかの問題ではないかとも思いますが・・・
という一言がミソだなぁと思いました。
色んな視点から環境問題を見なければいけない時点で既に騙しですよね。
空気や水が汚いことを色んな視点で見る必要な無いので。
CO2やオゾンのように分かりづらいものほど、騙しやすい=金儲けしやすいという図式なんだと思いました。

 匿名 | 2010.06.12 19:35

エコ商品など、環境問題に対して、企業も一見色々対策しているように見えるけど、何かしっくりこない。
それは、それら対策の中に、企業の利益が絡んでいるからなのではないかと思いました。
結局企業は環境問題を餌にして、商品を売っているだけなのですね・・・。

 wacky | 2010.06.12 19:36

>市場原理の観点で見ていくと環境問題の胡散臭さが見えてきます。
まさに、その通りだ思います。表では、環境問題を掲げ裏では儲けを企むその構造を知ると、他の問題、例えば動物保護運動も同じ構造にあるように思う。
不安を煽り人々の同情を誘うように仕向ける、その背後をもっと明らかにしていきましょう。

 匿名 | 2010.06.12 19:37

一般の人は、環境問題の胡散臭さに気付き始めているように想います。
普通に考えれば、エコカーと言いつつ、車の製造が止まるどころか増え続けるのはおかしいって分かりますもんね。。。
それにしても、エコカーの補助金は国の税金・・・
みんなの税金を環境破壊を促すものに使うのってなんか許せないなぁと想います!

 匿名 | 2010.06.12 19:37

エコ商品など、環境問題に対して、企業も一見色々対策しているように見えるけど、何かしっくりこない。
それは、それら対策の中に、企業の利益が絡んでいるからなのではないかと思いました。
結局企業は環境問題を餌にして、商品を売っているだけなのですね・・・。

 miya☆ | 2010.06.12 19:38

一般の人は、環境問題の胡散臭さに気付き始めているように想います。
普通に考えれば、エコカーと言いつつ、車の製造が止まるどころか増え続けるのはおかしいって分かりますもんね。。。
それにしても、エコカーの補助金は国の税金・・・
みんなの税金を環境破壊を促すものに使うのってなんか許せないなぁと想います!

 日本を守るのに右も左もない | 2010.06.12 21:22

亀井大臣辞任〜戦争屋は、何故ここまでしぶといのか?

亀井静香金融担当大臣が辞任した。 『株式日記と経済展望』2010年6月11日の記事では、次のように述べられている。 亀井大臣の郵政翻法案に対する海外から…

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