2009-04-09

政府紙幣が発行されると、何が変わる? 〜序章〜

100年に一度といわれる経済危機に直面し、中央銀行である日銀の金融政策も機能しない状態の日本は、今後どうなっていくのか?
いよいよ今回からは、最後の切り札かもしれない「政府紙幣」について、考えていきます。
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※大日本帝國政府紙幣 50銭(昭和17年発行、昭和23年廃止)  出典元 「貨幣資料館」
日銀券と政府紙幣の違いってなんでしょう?
大きな違いは、「発行元の違い」と、もう一つ。
それは、借金になるか、ならないかです。
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現在日本で流通している紙幣は日本銀行券(以降、日銀券といいます。)で、日本銀行が発行しているものです。
これに対して、今話題になっている政府紙幣は、政府が直接発行する紙幣のことです。
日銀券は、日本銀行の資産等を担保に発行されるので、日本銀行にとって負債となります。
また政府が資金調達する際には、国債を発行して、それと引き換えに日銀券を手に入れますから、政府にとっても借金です。
借金ですから、国債の償還(返済)時には、利息を支払う必要があります。
一方政府紙幣は、政府が自ら発行するものですから、製造代を除いた残りはすべて収入になります。借金ではありませんから、当然元本返済や利息を支払う必要は生じません。
いくらでも自由に発行できて、元本返済や利息を支払う必要は生じない。
そんは政府紙幣が発行されることで、何がどう変わるのでしょうか?
まずは色々と想像してみましょう。
①国の借金がゼロになる?
これは、一番最初に行なわれることかもしれませんね。どんな方法で行なわれるのでしょうか?
②日銀券は無くなる?それとも2種類の紙幣が共存する?
いきなりすべてを入れ替えることは出来ないでしょうから、共存する期間は必ずありそうです。その時2種類の紙幣の関係はどうなるのでしょうか?等価交換?流通に問題はでない?
③日本銀行はいらなくなる?
今まで独り占めだった紙幣発行権を侵食され、挙句の果てに政府が直接紙幣を市中に流通させる事になれば、日本銀行の存在意義はどうなる?
④金利がなくなる?
財政においては、借金が無くなるし、する必要もなくなります。公共事業を行なう際も、借金をせずに自由に必要なだけ資金を準備できるわけですから、金利を設定する必要がなくなります。ということは、少なくとも国レベルでは金利という概念は無くなる?
⑤銀行はいらなくなる?
国債が発行されなくなれば、安定した投資収益先を失う事になります。ハイリスク、ハイリターンの投資に出ることができなければ、企業向けの貸し出し業務に戻っていくしかない?
そもそも金利が無くなって、国有化されてしまえば、決済業務だけを行なうことになるかも?
⑥世の中に紙幣が溢れて、インフレになる?
政府紙幣が発行されて、紙幣供給量が増えれば、貨幣価値が下落してインフレになる?現状はデフレギャップ(需要よりも生産能力の方が上回っている状態)といわれているので、インフレにはならない?
無秩序に紙幣をばら撒き続ければ、いずれは貨幣価値が下落してインフレになるでしょうから、それを防ぐ為の方策は必要でしょう。では、その方策はどんなもの?
⑦税金がなくなる?
税金に頼らなくても財政は確保できるのだから、税金はなくなるかも?でも税金が無くなったらどうなる?物価は安くなる?経済活動は活発になる?それとも停滞する?
⑧国内の経済活動は活発になる?それとも停滞する?
過去のバラマキ財政を繰り返せば、経済は停滞し、労働意欲は失われるでしょう。経済活動を活発にする政策が、政府紙幣の発行と同時に必要ではないでしょうか?その政策とは、いったいどんなもの?
⑨為替はどう変動する?
政府紙幣に対する貨幣価値はどうやって判断される?それによって為替はどう動く?
諸外国との関係において大きく影響する要因でしょう。国際社会から日本は孤立させられる?それともある程度のところで為替はバランスする?
思いつくままにあげてみましたが、皆さんはどうですか?
これらの項目について突っ込んで調べていけば、政府紙幣発行の可能性、それに必要な制度等が見えてくるのではないかと思います。
これから一緒に追求していきましょう。

List    投稿者 minezo | 2009-04-09 | Posted in 03.国の借金どうなる?8 Comments » 

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コメント8件

 finalcut | 2009.10.05 22:40

’50〜’60年代の若者がエネルギーを爆発させた情景は小説と映画でしか知らないが、その時代に少し遅れた私たちの世代にはまぶしいものだった。
私たちが大人になったのは’70年に貧困が消滅してしばらくしてからのこと。旧規範の制約はかつての若者たちほど受けていない。輝きたくって奔放に振舞おうとするものの所詮はマスコミに踊らされた幻想だったのか、前世代のような突出したムーブメントにはならなかった。
前の世代も、私たちも、あとに続いた若者もマスコミが描く若者像を演じようとしていたに過ぎない。そのエネルギーは旧規範の残存度合いに比例して小さくなっていく。いまでは家庭も学校も旧規範の残影は消えてなくなった。
いまの若者はあらたな収束先を捜しはじめています。若者がマスコミの操り人形である時代は、早晩終わりを迎えるでしょうね。

 どんぐり | 2009.10.06 1:29

日本戦後の復興とその後の経済発展の原動力が、実は恋愛と消費という自由な性に支えられたものであることが良くわかります。
まだ、’70年までは、貧困の圧力も強く働いており、各個人の私権追求のエネルギーが、それまでの序列規範を解体しながら、物質的豊かさ追求につながっていった様子が良くわかりました。

 いるか | 2009.10.06 12:49

>「民主主義」が欺瞞に満ちた騙しであることを端的に示している。
民主主義って理由なくいいものって思える感応観念だったんだ!ってことが気づきでした。本当に実現しようなんて思ってないお題目だから、識者はそこを避けたし、企業から序列はなくならなかったんですね〜。
序列・貧困に対する反の意識が作り出したものだから、現代、平成デモクラシー(=民主主義、自由主義的な運動)とか言っても響かないのでしょうね。

 じゅごん | 2009.10.06 22:49

学校で“民主主義”を習って、違和感を感じたのを覚えています。
身分制度が無くなった。選挙権がある。多数決。といっても、やはり世の中は序列原理で統合されていたからですね!
いくら響きの良い言葉でも、実現できなければ騙せない。
>経済破局後の新たな時代に向けて、今求められているのは、日々、大半の時間と精力を費やす仕事の場=企業集団を、いかにして序列原理の集団
から共認原理の集団に改造してゆくかという、その答えである。
“民主主義”みたいに押し付けの原理でなく、みんなが求めている原理にとても可能性を感じました☆

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