2010-09-30

国家と市場の成立→崩壊構造に迫る(6)市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある。

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前回は、「市場は社会を統合する機能を持たない」ということを明らかにしてきました。
今回は、「市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある」ということを明らかにしていきます。

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それでは、<超国家・超市場論11 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある>を引用しながら明らかにしていきます。(リンク

市場は、社会を統合することが出来ないという決定的な統合限界を刻印されているだけではない。市場は、自分自身の内に絶対的な拡大限界をも孕んでいる。
市場は、生存圧力(実体的には貧困の圧力)に基づく私権闘争を圧力源=活力源にしている。従って、市場活動によって物的な豊かさが実現すれば(=貧困の圧力が消滅すれば)、必然的に市場は活力源を失って衰弱(=縮小)してゆく。そして、むしろこの矛盾と限界こそ、市場の現実に差し迫った絶体絶命の限界である。

市場の拡大限界が国家の統合限界に行き着く過程を3段階に分けて整理してみましょう。
■国家の統合限界は次の3段階の位相に分かれます。(リンク
●統合限界Ⅰ
国家は私権闘争を活力源としながら、序列原理⇒身分制度によって私権の拡大可能性を封鎖します。(=国家の統合限界Ⅰ)
●統合限界Ⅱ
市場拡大し生存圧力が衰弱すると私権闘争活力は衰弱し、まず序列原理が崩壊します。(=国家の統合限界Ⅱ)反序列・反身分意識は’70年前後から一気に顕在化していきました。それに伴い、マスコミが第一権力として台頭してきました。
●統合限界Ⅲ
同時に唯一の私権闘争の抜け道(可能性)であった市場も縮小し始めます。そうなると、本当に私権闘争は終焉するので、国家の命運は尽きます。(=国家の統合限界Ⅲ)そこで、国家は人工的に私権闘争⇒市場の延命を続けます。これが国家が借金漬けになって尚、市場への資金注入を止められない根本原因なのです。
私権闘争の唯一の抜け道が市場で、市場拡大によって私権闘争の活力を維持し、国家は延命してきました。言い換えれば、市場が国家の命綱になったとも言えます。したがって、近世・近代は市場拡大が国家の第一目標となりました。
そして、今や、国家は、市場に資金注入をし続ける事によって、自身が、市場に取り込まれ、日本の借金(国民の借金)は、もはや1000兆円にもなってしまったのです。市場は、偽りの拡大によって成立していましたが、既に、国家による延命策も行き着くところまで行き、国家も統合限界を迎えたのです。

もし、国家(国債)による延命策がなければ、(バブル化もせず)市場はすんなり縮小過程に入った筈である。要するに、このまま市場を放置すれば市場は急速に縮小し、国家が延命策を施し続ければ国家が崩壊する。一体、どうすれば良いのか?
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もともと国家は、私権闘争を圧力源=活力源とする、力の序列原理に貫かれたその統合体として形成された。しかし、生涯固定の身分制度の下では、私権拡大の可能性は封鎖されて終う。そこで、私権闘争の抜け道としての市場が形成され、繁殖してきた。そして今、その抜け道としての市場さえ活力を失って終った。これは、明らかに私権闘争の終焉を意味する。そして、私権闘争が終焉したということは、私権闘争の止揚・統合体である国家の命運も、遂に尽きようとしているということに他ならない。実際、バブル期以降の国家の迷走ぶりは、すでに誰の目にも明らかである。

バブル期以降の国家の迷走ぶりの事例を挙げてみましょう。
1,諫早湾干拓事業(リンク
・未だに、事業そのものの見直しと排水門の開放を求める運動が続けられている。 加えて、この干拓事業の当初予算は1350億円だったが、それが2370億円に膨れ上がってる。
2,普天間基地(リンク
・未だに、沖縄県民は移転先に反対し、政府と米国の思惑と完全にすれ違っている。既にこの問題が発生してから15年が経過。普天間基地移設にともなう日本負担は3兆円と言われている。
3,八ッ場ダム(リンク
・民主党が、税金の無駄遣いとしてやり玉に挙げた公共事業。前原誠司前国土交通相は、建設中止を表明。2004年(平成16年)の第2回変更で建設目的に流水の正常な機能維持が新たに追加されると同時に総事業費が2,110億円から4,600億円に増額修正されている。
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その他にも国家の迷走ぶりは、後を立ちません。事例でも、過去莫大な資金を注入し、事業を成立させてきましたが、これが、全て、借金によって行われているのです。
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カギは、新たな活力源⇒圧力源の創出にある。貧困が消滅した’70年以降の30年間がそうであったように、今後更にそれを上回るスピードで私権の強制圧力が急速に衰弱してゆく以上、もはや人類は、生存圧力を背景とする私権闘争を圧力源=活力源として生きてゆくことは出来ない。人類の命運は、次の新たな活力源⇒圧力源を自らの手で作り出せるか否かにかかっている。

■人類の命運を握る“次の新たな活力源⇒圧力源”については、次回扱います。ご期待下さい!
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List    投稿者 orisay2 | 2010-09-30 | Posted in 03.国の借金どうなる?3 Comments » 

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コメント3件

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