シリーズ「不動産投資ファンドの成長は続くのか?」6
【第6回:日本における外資の実態(モルガン・スタンレー編)】
今後、不動産投資ファンドの動向を具体的に見ていくために、外資の日本での動きを具体的に押さえておくことにします。今回は手始めとして、モルガン・スタンレーの日本における実態をまとめます。(前回は こちら )
なお、前回予告のJ-REITの決算等の実態に関して現在決算報告書等を分析中なのですが、オープンにされている資料では実情が見えにくいことがあり、報告できる状態にいたっておりません(すみません・・)。
見えている範囲をグロスで報告しておきますと、
①ここ数年で上場J-REITが増え、競争が激化している。
②全体では伸びているものの、数社は伸びが低下又は悪化している。
③見かけ上の成績を維持する為に、一部では「長期修繕の積み立て取り崩し」「負債の増加」「経費削減」が見られる。 ・・など
あと半月〜1年後にはハッキリした傾向が見えてくるのではないかと予想しています。何か良いデータや情報が御座いましたら是非御一報を・・・m(_ _)m コメントしてね
それでは本題へ
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モルガン・スタンレーの実態(日本版)
■本家J・P・モルガン(米国)の沿革に興味のある方にはこちらを紹介→「灼熱」
■1970〜1980年【日本進出〜基盤構築】
1970年 東京駐在員事務所開設
1984年 モルガン・スタンレー・インターナショナル・リミテッド 東京支店設立
1986年 東京証券取引所 加入
1987年 モルガン・スタンレー東京に設立
投資一任業務認可取得
モルガン・スタンレー投資顧問株式会社設立
大阪証券取引所 加入
1988年 モルガン・スタンレー・インターナショナル・リミテッドからモルガン・スタンレー・ジャパン・リミテッドに商号変更
1989年 東京金融先物取引所 加入
名古屋証券取引所 加入
■1990年台【投資活動の本格化】
1995年 モルガン・スタンレー投資顧問株式会社からモルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投資株式会社に社号変更
投資信託委託業務の免許取得
1996年 大手町より恵比寿に移転
1997年 不良債権の買い取りを通じオフィスを中心とした不動産投資を本格化
1999年 モルガン・スタンレー・ジャパン・リミテッドからモルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター・ジャパン・リミテッドとして営業開始
■2001年
モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター・ジャパン・リミテッドからモルガン・スタンレー証券会社に商号変更
11月 モルガンスタンレー日本証券を設立するも11月に個人投資家向け業務から撤退し同社を精算
12月 ダイエーから新神戸オリエンタルシティ(神戸市)を買収した。
■2002年
2月 空売りで金融庁から行政処分を受ける
5月 匿名組合を利用した不良債権投資で得た所得で、約180億円の申告漏れを指摘される
9月 整理回収機構の不良債権処理スキームにモルガン・スタンレーが組み込まれる
■2003年
2月 三井住友銀行にゴールドマン・サックス(米)などが1500億円を出資(全体の7%)
2月 2003年の日本株を中立以上に選考、オ—バーウェイトするとした
12月 新神戸オリエンタルホテル、新神戸オリエンタルアベニュー、新神戸オリエンタル劇場を買収
■2004年
ジャスダック証券取引所 加入
3月 株式会社メデカジャパンと健常高齢者向け集合住宅の供給で業務提携
9月22 ホテルサンフラワーサッポロ、ホテルポポロ東京、SAIPAN HOTEL CORPORETIONを買収
12月 ウェスティンホテル東京の土地・建物及びサッポロホテルエンタプライズを買収
■2005年
東京工業品取引所 加入
3月 2005.3.31現在の推定保有銘柄(196銘柄)
7月 興和不動産、第一生命、積水ハウス、モルガン・スタンレーの4社で「ジャパンエクセレントアセットマネジメント(株)」(REIT)を設立
10月2 「株式会社パノラマ・ホスピタリティ」を設立。不動産ファンド所有のホテルを運営管理
11月 家電量販店ニノミヤに会社更生法適用を申し立てる。関係者には多くの疑問が残った。
12月 ジェイコム株式を発行済み株式総数の31.19%保有
■2006年
モルガン・スタンレー証券会社から、モルガン・スタンレー証券株式会社として営業開始
7月 日本航空の発行済み株式の5.78%を取得し筆頭株主に。(注:06年8月には2.34%まで減少)
8月 日本製紙グループは北越製紙株の取得を助言する財務アドバイザーとなる
9月 日本SGIの株主へ(9.4%保有)
■2007年
2月 森トラストから藤田観光(株)14%を取得。第2位株主へ。
東京ドームからゴルフ・リゾート事業(6事業)を買収
3月 シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルとの合弁事業に関する契約を締結
伊藤忠ビルを約320億円で買収
4月 武蔵野銀行と提携し、証券化スキームを活用した住宅ローンの取扱いを開始
ANA直営の13ホテルを2813億円で買収
スズキ株を5.02%保有
日本の商業用不動産向けの融資債権を担保とした証券675億円相当を発行
地方銀行約20行と組み住宅ローン事業に参入。年間数千億円規模の融資を目指す。
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バブルが弾けた日本でオフィス中心に不良債権を買いあさり、空売りで行政処分されたり申告漏れを指摘を受けるなど、相当派手に展開していたと思われます。
その後は、整理回収機構に食い込んだり、企業の財務アドバイザーとしてM&Aを展開したり、REITを立ち上げたり、企業の株を取得(乗っ取り)したり、ローン展開に食い込んだり、相当大胆にかつ幅広く業務を拡大し続けています。
とりわけ不動産ファンドにおいては、自らホテル運営管理する部門を建て、オフィスからホテルの買収へと転換を図っているようです。ANA直営のホテルを2813億円で買収したことは目新しく、資金力をバックに競合他社を押しのけて驀進中といったところ。
ここには挙げていませんが、各企業のランク付けなどを通して易々と株価操作もできる力を持っていますし、なにより、証券界、不動産ファンド界に限らず、企業買収やM&Aなどを通じて相当広範囲にかつ深く日本市場に入り込んでいる実態が見えてきます。
そして、今後数年は更に勢力を拡大する動きにあり、莫大な資金力と情報量+市場操作力で日本資本の取り込みを図るものと思われます。
★上記データは、ネット検索で挙がった情報をまとめたものであり、まだまだ裾野は広いのだろうと思われます。何か情報が御座いましたら是非お教え下さい。また、本データは予告無く更新される場合が御座います。
★ネット検索していて関連するブログ等が御座いましたので、是非御参照下さい。
阿修羅/<特集>外資が日本を食い荒らす〜不良債権ビジネスの実態〜ハゲタカファンドは「リストラファンド」になれるか(週間エコノミスト11-27号)
阿修羅/【モルガン・スタンレー系土地買い叩き会社、ついに法務省に告発される!】「東京アウトローズ」NO18
阿修羅/モルガン・スタンレー証券レポート「備えよ、日本株を買う日は近い」=日本戦略に関して
灼熱/「世界を動かす国際金融(173)」モルガン家
灼熱/モルガン・スタンレーが最大3千億円で日本のホテル買収
Espresso Diary@信州松本/モルガン家の歴史感覚。
デジタリアンの散歩道/謎に包まれたニノミヤの会社更正法適用
株式日記と経済展望/モルガンスタンレーの不動産は典型的な底値買い+付加価値作戦でこれはかなり優秀なやり方です。大不動産ブームが来た!
お疲れ様でした。次回は、ゴールドマン・サックス編です。
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(by コスモス)
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転載ありがとうございます。今の米国は、何だかおかしな事ばかりですね。目が離せません。