2008-01-01

2008年、市場はどうなる?金貸しはどう動く?

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2007年は、世界市場に大きな動きが起きた年でした。
 
各メディアを賑わせた話題の一つはサブプライムローンの崩壊。8月の“パリバショック”を契機に広がった金融不安の火消しに、欧州中央銀行とFRBが数度に渡る大量の資金供給を続け、それでもシティ・グループを始め欧米の大手金融グループが3兆円を越える欠損を発表しました。アメリカ住宅バブルの崩壊が世界に飛び火した不良債権の闇は、まだまだ広がる気配を見せています。
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大量の資金投入を続けている欧州中央銀行の新本部ビル模型
 
もう一つ昨年目立ったのは現物市場の高騰です。とりわけ原油は、WTI価格が年初から2倍以上に高騰し、世界各地の経済に深刻な影響を与え始めています。原油だけでなく小麦・トウモロコシ・大豆などの食料、金、そしてレアメタルも急激に上昇しています。
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WTI原油先物が扱われるニューヨーク商業取引所
 
年の後半には、中東や中国の金融世界への台頭が目を引きました。サブプライムの損失への支援として、アブダビ投資庁はシティ・グループに75億ドル(8100億円)もの出資を実施。同様に、中国はモルガン・スタンレーに、シンガポールはメリルリンチに巨額の出資を表明し、これら新興国の政府系ファンドの存在感は急速に強まっています。
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急激な発展を見せるドバイの市街
 
これら一連の動きは、より大きな市場の地殻変動に繋がっています。それは、第二次大戦以来、世界経済の基本パラダイムとなってきた米ドル基軸通貨体制の終焉です。ここ数年でドルは新通貨ユーロに対して半分近くまで下落し、昨年はドルペッグからの離脱を匂わせる国が次々現れました。2007年の様々な出来事は、このドル離れを加速し、或いはドル離れへの対応策と見ることができるでしょう。そして、基軸通貨の終焉とは、米国=ドルに寄生し、富の拡大と各国の支配を進めてきた金貸し達の従来の世界戦略に限界が訪れている、ということでもあります。
 
2008年、本ブログでは、この基軸通貨体制の終焉という歴史的な大転換を前に、金貸し達がどう動こうとしているのか、各国国家の力関係はどう変わるのか、そして日本への影響、役割、可能性は何なのかを、歴史構造と現実社会の動きの両方を追求しつつ明らかにしてきたいと思います。

List    投稿者 s.tanaka | 2008-01-01 | Posted in 10.経済NEWS・その他3 Comments » 

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コメント3件

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