2007-05-30

自動車市場の見通しは明るい?暗い?  日米で気になった2つのニュース

long060302_2.jpg←クラウンの製造工場



 販売台数でGMを抜き、世界1位となったトヨタ。売上高24兆円はロシアの国家予算に匹敵する(すげー!)。

今、そんなトヨタが販売台数を落としている国がある。



 それは…  日本

 国内での販売は2年連続の減少だ。ダイハツ工業、日野自動車を含めたトヨタグループ販売は前期比同4%減の227万台と、米国販売との差が広がる一方だ。国内市場全体の落ち込みより減少幅が小さかったため、トヨタのシェア(軽自動車除く)は過去最高の45.8%まで上昇したが、トヨタ車単独で11万台の減では、シェア上昇も手離しで喜べない。

【国内で車売れない危機打開策 トヨタ本気でアイデア募集】
 販売台数が落ちても国内シェアを伸ばしているということは、他の国内メーカーも軒並み販売台数を落としてるということ。これは日本国内の車需要は飽和状態で、市場が縮小状態に入ったことを示しているのではないだろうか。
 少子化の影響で若年人口はどんどん減ってきているし、全体人口の減少も確実。そもそも最近の若者は車にはあまり金を使わないらしい。(それを見越してレクサスなんていう団塊世代好みの車を作ったのか?)


 国内がダメなら、アメリカに売ればいいじゃない、クライスラーがもたついてる間に一気に米国市場を制覇だ!! と思ってアメリカを見るとコッチの事情もどうやら変化がありそう。

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【ついに自動車大国でもクルマ離れ…ガソリン高騰・都心志向で】

 米国民の自動車運転距離が26年間で初めて減少した。ガソリン価格の高止まりや公共交通の充実、都心部への居住増などが要因とみられる。
 USA TODAYが連邦道路管理局のデータをもとに分析した結果、過去18カ月の平均走行距離が0.3%しか伸びておらず、この間の人口増1%を考慮すると実質マイナスになった。

  
 アメリカ人もあんまり車に乗らなくなってきたらしい。最大の原因はガソリンの高騰にあると分析されているが、どうやらそれだけではない。

 1981年3月にガソリン価格が1ガロン(約3.8リットル)3.223ドル(約386円)になったときでも車の利用はそれほど減らなかった。今回の減少はガソリン価格の高騰が背景にあるとはいえ、生活スタイルの変化が大きく影響している点は見逃せない。

 記事の最後にさらっと載せているこちらのほうが本命なのでは?
 クライスラーを買収したヘッジファンド「サーベラス」は、どうやらその当たりに気づいているフシがある。自動車メーカーを買収しておいて『自動車メーカーが果たして完成車を作る必要があるのか?』とか言ってる。ジリ貧の販売台数を前に自前で完成車を作るのをあきらめ、ダッジやジープなどのブランド名の権利のみを残して、製造部門をアウトソーシングする気なのかも。
%E3%83%80%E3%83%83%E3%82%B8.bmp←クライスラーのダッジ・ラム(このサイズのまんまハイブリッドにしたりバイオエタノール仕様にして環境に優しくなんのか?)
 日米(おそらくEUも)といった先進国では移動手段としての自動車市場は既に飽和している。今は、そこに様々な幻想価値を付加して辛うじて命脈を保っている状態なのだろう。
 ryujin氏のエントリーで紹介されている「米国のCO2政策転換」や「バイオエタノールガソリン」等の流れも、自動車市場に新たな「環境」という幻想価値を取り入れ、それをテコに新たな需要を創り出そうとしているに過ぎない。

List    投稿者 kato | 2007-05-30 | Posted in 10.経済NEWS・その他2 Comments » 

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コメント2件

 hermes finland | 2014.02.02 3:16

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 wholesale bags | 2014.02.10 9:46

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