2008-03-15

現代資本主義の根幹を揺るがす、ドイツの脱税スキャンダル

2月14日、「ドイツ郵便 ( Deutsche Post ) 」クラウス・ツムヴィンケル総裁の脱税が発覚し、辞任に追いやられた。脱税額がドイツ史上最高だったことから、大きなスキャンダルとなった。
この事件は、日本ではまったくと言っていいほど報道されていないが、現代資本主義=市場原理主義の根幹を揺るがす事件ではないかと感じている。
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Lichtenstein1.jpg
写真はリヒテンシュタイン城。根幹が揺らいでいる?

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まずはマスコミ報道
ドイツ郵政のボスがリヒテンシュタインのタックスヘイブンで脱税していたことが発覚し、摘発を受けたとのこと。
他にもドイツでは裕福な事業家や著名スポーツ選手、芸能人ら1000人もが税当局の目を逃れ、総計40億ユーロ(約6400億円)をリヒテンシュタイン内の秘密信託に預けていた疑いが浮上している。
しかしながら、リヒテンシュタインをタックスヘイブンとして活用しているのはドイツ人だけではなく、タックスヘイブンはリヒテンシュタインだけではないので、芋づる式に事実が解明されると、想像を絶する世界的な脱税規模が明らかになるはずだ。
こうなると、私を含めて、まじめに(?)納税してきた大衆の大ブーイングは避けられそうにない。
そうなる前に今回の事件がどういう意味をもつのかを落ち着いて整理しておきたい。
まず、原田武夫氏の2月27日ブログ記事
ドイツの「大脱税捜査」という裏サブプライム・ショック
を引用させていただきたい。

さらに考えていくと両者にはもう一つ共通点がある。
それはこれまでの金融資本主義ではそれが「常識」であったがゆえに、一定の方向での期待値が高まってきた事柄が急激に方向転換した結果生じた出来事だということである。
すなわち、「サブプライム・ショック」はそもそも米国における住宅価格(不動産価格)がさらに上昇するであろうとの期待の下、次々に「サブプライム・ローン」が売買され、世界中の金融機関にその芽がまかれていったところに特徴がある。

これに対し、今回の「大脱税事件」については、今度はカネをつくる場面ではなく、貯める場面においての「常識」として存続が前提とされてきた欧州の小国というタックス・ヘヴンが血祭りに挙げられてきたことを注目すべきである。つまりそこには「まさか欧州のタックス・ヘヴンがつぶれることはあるまい」との高い期待値があったということである。

カネをつくる場面における「高い期待値」と、カネを貯める場面における「高い期待値」———サブプライム・ショックとこの大脱税事件は、金融資本主義のいわば「入り口」と「出口」でつながっている出来事なのだといっても過言ではないのではなかろうか。

消費活動には限界があり、よって消費活動を動力源にした市場拡大にも限界があることに気付いた金貸したちは困り果て、新たな市場拡大手法を編み出した。
錬金術 = サブプライムに代表されるカネの創出手法の開発と
タックスヘイブンを活用した私財の保護 = 脱税の常識化が、その両輪。

国家を超越した、これらの金融システムによって、市場原理主義は文字通り暴走を始めたのである。
逆に言うと、国家を苗床にした消費経済が成長しなくなり寄生できなくなったので、彼ら=金貸しは、国家から市場を遊離させ暴走・膨張するよう加工したうえで、そこに再寄生する(金融業を営む)という生き残り戦略をとったのだ。
こうしてみてゆくと、昨年のサブプライム問題、今年に入ってのタックスヘイブン経由の脱税スキャンダルの重要性が理解できる。
暴走を続ける市場原理主義は、その両輪を一度に失いかねない状況なのだ。
膨張した市場が一気に破裂する可能性は高い。
もしそうなれば、世界中を巻き込み、空前の世界大恐慌を招くことが、否が応でも予想できるだろう。
(ところで、なぜ今ドイツがこのような強攻策にでたのか気になるところ。何か掴めれば別ブログででも取り上げてみたい)

List    投稿者 ohmori | 2008-03-15 | Posted in 未分類 | 12 Comments » 

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コメント12件

 deen | 2008.07.05 19:30

要は、消費税UPの前座のような物でしょうか?
喜んでお支払いになる方は、かなりCO2教の信仰が進んでるって事でしょうか?
ただ、罠にはめる方々は上手な物ですね。
おめでたい結婚式に、「是非、環境も永遠に!」なんて言われたら、そうそう断れませんよね。

 fanfan | 2008.07.05 19:36

みんなが環境問題を何とかしなくっちゃ っと思っている
から手軽に解決に向かうらしい「カーボンオフセット」に
飛びつく。
その事を知っている企業や政治家がまた新しい市場を
生み出していく。
こうなってくると全く解決などするとは思えません。

 匿名 | 2008.07.05 19:42

 カーボンオフセット商品って、そもそも商品自体をむやみに買わなければCO2の排出もないんじゃあ…。
 差額分が具体的にどう使われているかも良く分からないし、CO2削減の啓蒙活動に使われるとかだったら単に広告代理店を儲けさせているだけかも。

 二十五国民 | 2008.07.05 20:40

地球温暖化は実際に生じているのは明らかです。
しかし、「異常な」温暖化をもたらした人類の工業化、特に、西洋人主導の物欲文明は罪に満ちたものであるだけでなく、それを「CO2の削減で対処できると考えるのも西洋人主導の傲慢な考え方」です。
さらに、温暖化防止はCO2削減で可能であるとの十分な科学的証明もないように見えます。関係する方程式をきちんと検証した政治家、学者、エコノミスト、評論家はほとんどいないのではないでしょうか。非常に恣意的に構成された数式のようにも見えます。
*****以下引用****
2008年02月04日
何故みんな地球温暖化で踊るのか??
…..
そんな折、ポット出てきたのが二酸化炭素犯人説による地球温暖化問題だ、当初これを提唱し出したのはなんと気象学者ではなく公害問題専門家や環境保護団体だった。彼らは60年代から70年代後半にかけて社会問題化した工場等の排ガス問題が80年代に入りほぼ解決したのを受け、仕事がなくなっていた。そこでこの温暖化問題を飯の種にと飛びついたのだ!と言えば少し意地が悪いだろうか???
今でこそ温暖化問題専門家は温暖化懐疑論者は石油会社の回し者で、気象学者は殆どいないと嘯き、また懐疑論を矮小化しようとする。
しかしながら京都議定書策定過程で、重要な意見を述べていた学者の中に気象学者は実は殆どいなかった。桜井教授の著書の後書きを参考にされたい。落ち着いたトーンで当時の状況を書いている。今でこそ温暖化に賛同すればIPCC研究費が下りてくるので多数の気象学者が温暖化論の太鼓持ちになっているようだが。
また環境問題における論文を査定する機関がIPCC事務局ということになるが、これほどバイアスが掛かった諮問機関は無いだろう。なんせ温暖化に反対する意見は全く取り上げないのだから。政治的圧力が強いと見ていい。
つまり、学会と産業界、政界の思惑が一致して作り上げたのが、温暖化問題ではなかろうか、勿論偶然の産物とも言えるだろうが、アメリカ以外の先進国には魅力的な物語だった。
そして、アメリカもついに舵を切った。自動車産業はハイブリットカーの開発で日欧に追いつく目処が立ったし、オイル産業と並んで政治力と世界的支配力のある穀物メジャーが大きな収益を上げれる目処が立ったからだ(言わずもがなバイオエタノールなどに絡む穀物相場高騰である)。アルゴアの様に道徳観から二酸化炭素抑制策に転換したなどと私は微塵も思っていない。
人間の善意に訴えかける温暖化問題は、その実、各国のエゴと利害が激しくぶつかる経済問題でしかないと私は思う。
では日本人としてどう取り組もうというのか?
最後に意見を述べたいと思う
気候温暖化の原因は何か—太陽コロナに包まれた地球 (神奈川大学入門テキストシリーズ)
http://blog.livedoor.jp/kitawaki812/?blog_id=2087521
******引用END******
一昔前は原子力発電所が反体制派による攻撃の象徴的なターゲットでした。
今では、中国が何十基もの原発計画をたて、アメリカ企業が売り込みをかける。米中の蜜月化で日本の反体制派の原発反対運動も下火になりました。
信用できないのは、欧米の「金持ち・知識人」と中国・日本の「イデオロギー人」というところでしょうか・・・
★救世主イエス曰く「彼らは災いである。上席に着くのを好む」
 

 watasin | 2008.07.05 23:52

>deenさん コメントありがとうございます!
>喜んでお支払いになる方は、かなりCO2教の信仰が進んでるって事でしょうか?ただ、罠にはめる方々は上手な物ですね。
ホントですね。
ちなみに、カーボンパスウェディングのサイトで排出料の換算ができます。
例えば羽田空港から新千歳までいくとCO2排出量は212kg分。1kg=4円と計算しておよそオフセット金額は848円なり。まさに消費税分くらいの価格でリアルです。
>おめでたい結婚式に、「是非、環境も永遠に!」なんて言われたら、そうそう断れませんよね。
確かに。
おめでたい席だったら、みんなよろこんでしまうかもしれません。。。

 watasin | 2008.07.05 23:56

>fanfanさん コメントありがとうございます!
>その事を知っている企業や政治家がまた新しい市場を生み出していく。
こうなってくると全く解決などするとは思えません。
お金で解決させて、本質を見えにくくさせている。そんな感じでしょうか。手軽に「いいことしちゃったな」と思わせることで消費者の思考をますます停止させているような気がしますよね。うーーーむ。困ったものです。。。

 watasin | 2008.07.06 0:02

>匿名!?さん コメントありがとうございます!
>カーボンオフセット商品って、そもそも商品自体をむやみに買わなければCO2の排出もないんじゃあ…。
シンプルに言ってそのとおり!!!
ですよね。
何か買っている時点でその背後に大量の資源やエネルギーが使われているんですもの。。
>差額分が具体的にどう使われているかも良く分からないし、CO2削減の啓蒙活動に使われるとかだったら単に広告代理店を儲けさせているだけかも。
差額分の内訳が確かにわかんないですよね。
企業の売り文句やCO2幻想の圧力などいろいろあると思いますが、企業としてはここがミソでしょうね。

 watasin | 2008.07.06 0:11

>二十五国民さん コメントありがとうございます!
>さらに、温暖化防止はCO2削減で可能であるとの十分な科学的証明もないように見えます。関係する方程式をきちんと検証した政治家、学者、エコノミスト、評論家はほとんどいないのではないでしょうか。非常に恣意的に構成された数式のようにも見えます。
確かにです。
CO2温暖化説は本当なのか???
多いに疑問ですね。
以下に参照してみてください。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=162457
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=162471
ブログ見ました。
温暖化についてかなりつっこんで勉強されているんですね!

 kanikani | 2008.07.24 13:29

カーボンオフセットって、変と普通の人は思うだろうけど、
その前提の「Co2=悪」が刷り込まれていきそうで、怖いですね。

 グッチ バッグ | 2012.10.17 16:10

お世話になります。とても良い記事ですね。

 まいけるこーす | 2013.11.04 11:54

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