2012-10-19

『世界経済の現状分析』【5】米大統領選の分析その3(米大統領選の行方?)

アメリカ大統領選挙は、11月6日の投票日に向けて、民主党オバマVS共和党ロムニーの大接戦が続いていますが、果たして大統領選の行方はどうなるのでしょうか?
日本にとって最も影響力の強い国の選挙だけに、その行方と日本への影響がどうなるかが注目されます。
今回は、前の2回の基礎調査の記事を踏まえ、米大統領選の行方を占ってみたいと思います。
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<米大統領選の第2回討論会(16日):画像はこちらからお借りしました>
過去記事は以下をご覧ください。
【1】プロローグ
【2】米国経済の現状(ファンダメンタルズ)
【3】米大統領選の分析その1(両候補の政策の違い)
【4】米大統領選の分析その2(両候補の支持層の違い)
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1. 民主党オバマVS共和党ロムニー両陣営の資金力?
アメリカ大統領選挙の勝敗を左右するのは、結局資金力だと言われています。大統領選では戦後67年、より多くの資金を集めた候補が勝ってきた現実があります。これまで集金力に乏しい候補が大統領に当選したことはありません。今回は、米国史上最も金のかかる大統領選になりそうだとも言われています。<リンクより>
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<大統領選キャンペーン:画像はこちらからお借りしました>
★両陣営の資金源はどうなっているのでしょうか?
共和党ロムニーが主に大企業からの献金によるところが大きいのに対し、民主党オバマは一般市民からの草の根的な寄付を多く集めているのが特徴です。

>オバマ大統領が、ライバルの共和党候補予定者のミット・ロムニー氏と比べて大きく違うところは、少数の利害を伴う後援者の莫大な寄付によるのではなく、数多くの一般市民の参加が大きいということです。<リンクより>

★そうは言っても、資金力という点では、莫大な資金力を持つ大企業の影響力は大きいと思われます。両陣営の背後の金貸し勢力(ロスチャVSロックフェラー)の動きはどうなっているのでしょうか?
※基礎知識として、以下の一覧表が民主党VS共和党の背後の金貸し勢力を見るうえで参考になります。
米国の共和党と民主党
それでは、背後の金貸し勢力の動きのトピックスを拾ってみます。
●民主党オバマのバック

オバマ政権とモンサント社の深い関係
モンサント社はロックフェラー系の会社ですが、オバマは農業政策では、モンサント社系の指導者を登用しています。ロックフェラーは、得意の産業分野ではオバマ政権にも影響力を及ぼしていると推察されます。
2010-01-11 政治資金でオバマを操る戦争請負会社が予型する更なる“市場原理主義
オバマは就任当初は軍縮路線でしたが、民間の戦争請負(傭兵派遣)会社を採用したり、日本に対しても領土問題で紛争圧力を高めたりと、戦争屋=ロックフェラーの影響力が強まっていると見られます。

●共和党ロムニーのバック

>資金の寄付者は、オバマ氏の場合、ハリウッド・スターが中心であるが、ロムニー氏の場合、米国1%に属する富豪者やウォール・ストリート(WS) の最高経営責任者(CEO)などである。WSの一部のCEOは、2008年の大統領選ではオバマ氏の強力な支持者だったが、今年は共和党候補に乗り換えるようだ。<リンクより>
>ミット・ロムニーが握手をした人々の中には、保守派の億万長者で選挙への大型寄付者でもあるデビッド・コークもいました。(中略)デビッド・コークと兄のチャールズ・コークの関連諸団体は、2012年の選挙に向け4億ドル近くを投入する予定です。<リンクより>
>共和党の米大統領候補ロムニーはタックス・ヘイブンの世界で儲け、税金を回避できる金持ちだが、カネ儲けの出発点でエル・サルバドルの「死の部隊」とつながっている。<リンクより>

こう見てくると、大企業や大富豪の資金源が豊富であるという点からみて、資金力では共和党ロムニー陣営の方が有利だと予想されますが、最新ニュースでも、資金力は伯仲しています。
民主党オバマ:約7.79億ドルVS共和党ロムニー:約7.84億ドル
リンクより>
8月時点では、民主党オバマ陣営の方が資金集めでは一歩リードしていました(リンク)が、終盤に来て共和党ロムニー陣営の方が僅かながら逆転しているところからみて、共和党ロムニー陣営が追い込みにかかっていることが伺えます。残された選挙期間中にどれだけの資金戦争が繰り広げられるかが注目されます。
※2010年の中間選挙で民主党が大敗して以降、ロックフェラーは農業や戦争などの得意の産業分野では民主党オバマへの影響力を強めており、支配力を強めるべく共和党に政権を奪回させるよう動いていると考えられます。

2. 世論調査の動向?
9月13日時点での調査では民主党オバマ優勢が伝えられていました。
『世界経済の現状分析』【3】米大統領選の分析その1(両候補の政策の違い)
その後の10月3日のTV討論会等の影響を受け、世論調査の結果は共和党ロムニーが逆転しました。
米大統領選、ロムニー氏が支持率でオバマ氏抜く=調査
ところが、10月17の第2回討論会ではオバマが巻き返しているようです。
焦点:オバマ氏が第2回討論会で態勢挽回、市場予想の当選確率は上昇
★有権者の主な関心は何でしょうか?
やはり経済・雇用が最大の関心事のようです。

>内政の中でも景気や雇用の回復は最大の争点である。
>米は1970年代以降、製造業が空洞化し、80年代のレーガン政権時代に新自由主義的な経済政策を推し進めて金融市場が肥大化した。その結果、市場の危機が起きるたびに金融政策で弥縫(びほう)する。一時は景気が回復したかに見えても貧富の格差が広がり、失業者は増え続けた。
>オバマ氏はブッシュ前政権が残したリーマン・ショックという「負の遺産」を強調し、その克服へ再選が必要だと訴えてきた。自動車産業復興への公的資金投入、金融市場の暴走への規制強化などを通じ、経済再建は途上である—と主張する。
>それでも景気や雇用の回復には十分功を奏していない。財政出動の効果が出ず赤字ばかり膨らむ現実に、不満を募らせる国民が目立つのもうなずけよう。
>ロムニー氏はそこを突き、「オバマ氏は4年前と同様、より大きな政府、支出、課税、規制を掲げている」と批判する。
リンクより>

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<「ウォール街を占拠せよ」デモの様子:画像はこちらからお借りしました>
★なぜこの10年で支持層の変化が起こったか?

>一昔前は、米民主党はリベラルで労働者階級・移民の支持、共和党は経営者や白人ホワイトカラー層の支持を受けていたと印象を持つ方も多いと思いますが、この10年で米の政党支持基盤は大きくかわりました。
労働者が変える共和党の政策:もはや「大企業・富裕層の党」では生き残れない:民主党の支持基盤は「ワイン派(知的労働者層)」、共和党の支持基盤は「ビール派(労働者階層)」。
『世界経済の現状分析』【4】米大統領選の分析その2(両候補の支持層の違い)より>

仮説ですが、中間層の没落という社会構造の変化が有権者の政治意識の変化をもたらしている可能性があるのではないでしょうか?
かつては労働者階級では民主党支持者が多かったわけですが、所得格差が拡大し、中間層が没落していくにつれ、白人労働者を含む中間層の多くが格差拡大に不満や反発を感じ、共和党支持に変わっていったのではないかと考えられます。
実際、2010年の中間選挙で共和党が大勝した要因として、下院選挙の出口調査によれば、白人・大卒未満の投票者の62%が共和党候補に投票しているというデータもあります。<リンクより>
今回の選挙戦でも、共和党ロムニーは民主党オバマの経済・雇用政策の失敗を糾弾し、戦略的に白人労働者の票を取り込む策に出ています。(4年間で1200万人の雇用を創出するという公約に実現性があるとは思えませんが、民主党オバマ(4年間で100万人の雇用創出)より派手なキャンペーンを張っています。)

3. 米大統領選の行方?
これまでの世論調査でも両陣営の支持率は拮抗しており、予測は難しい状況ですが、当初は民主党オバマ優勢と伝えられていたのに対し、この終盤に来て共和党ロムニーが相当巻き返してきています。今のところは民主党オバマが僅かにリードの予測は変わっていないようですが、流れによっては、共和党ロムニー逆転ということもあり得るかも知れません。
いずれにせよ、白人労働者を含む中間層の動向が選挙結果を左右することは間違いないと思われます。米国政治は、アメリカの経済覇権の崩壊→中間層の不満・反発に対して難しい舵取りを迫られています。
ロックフェラーは基本的には共和党のバックですが、中間選挙以降、民主党にも影響力を強めており、おそらくどちらが勝っても対外的な強硬路線を強めてくるだろうと予想されます。
日本に対しては、TPP、ACTA、領土問題等で支配圧力を強めてきており、ロックフェラーの悪あがきに対してどう国を守るか?がますます重要な課題になりそうです。

次回は中国の現状を見ていきます。お楽しみに!

List    投稿者 yukitake | 2012-10-19 | Posted in 10.経済NEWS・その他No Comments » 

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