2010-06-01

シリーズ「活力再生需要を事業化する」11〜農業参入が企業の社会的使命となる〜

シリーズ「活力再生需要を事業化する」も11回目となり、いよいよファイナル となりました。:cry:
   
これまでのエントリーは
「活力再生需要を事業化する」〜活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」2〜ワクワク活力再生!〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」3〜老人ホームと保育園が同居する施設『江東園』〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」4〜企業活力再生コンサル〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」5〜企業活力再生需要の核心は「次代を読む」〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」6〜金融、ITビジネスはもはや古い?!新しいビジネス“社会的企業”〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」7〜社会起業家の歴史・各国の状況
シリーズ「活力再生需要を事業化する」8 〜社会的企業を支える「アショカ財団」〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」9〜『生産の場として、儲かる農業』が、みんな期待に応えるのでは?〜
シリーズ「活力再生需要を事業化する」10〜就農定住の成功事例 山形県高畠町〜
をお送りしてきました。
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農村の夜明け(活力再生による農の夜明け)
  
これまでの流れを要約しますと
●シリーズ前半では、生産という部分を除外して国家の支援にもたれかかり、消費するだけとなってしまっている福祉や環境といった分野に対して、もう一度「既存集団から飛び出して、既存の枠組みを超えて活動する中で活力再生をしている事例」を紹介してきました。
 
●シリーズ後半では、社会にある潜在的な期待を発掘しながらそれに応えることで社会的評価を獲得し、活力再生需要を事業化している「社会起業家」の登場を紹介しました。
しかしながら彼らも私権・市場の旧い枠組みから脱しているとは言い切れず新たなor本当の可能性収束先として「農」に焦点を当ててきました。
 
●そして前回のエントリーでは、「就農定住」 について取り上げましたが、やはり個人では課題も多く、「人(=生産基盤)」「集団」をどう継続させていくのか、「社会を対象化するには?」「経営的視点は?」という課題が残りました。
そこで今回は「農」を活力再生させ、「就農定住」させていく回答として、『企業の農業参入』を提案したいと思います。
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いつもありがとうございます。m(_ _)m
1.「農業」「企業」「社会的状況」それぞれの課題
まず現状の「農業」と「企業」「社会状況」それぞれの問題点とその対策をもう一度押さえておきましょう。
シリーズ「活力再生を事業化する」9〜『生産の場として、儲かる農業』が、みんな期待に応えるのでは?〜の図解をもう一度見てみましょう。
       

    
この図解からそれぞれの問題点と対策をまとめると、
 
●問題点1:「農業」では
(1) 地方衰退による後継者不足
(2) 市場格差で儲からない

事業継続性は企業(集団)>個人!!+経営的支点で価格格差も解消。
 
●問題点2:「企業」では共認原理に転換した中において次代の方向性も暗中模索状態のなか、
(3) 共認欠乏から役に立ちたいという意識潮流
(4) 人材育成をどうするか

変化する自然外圧を前にして対象性を向上させ、協働作業により共認充足を得る!
 
●問題点3:そして日本が置かれている「社会的状況」は
(5) 自給率低下の危機感
(6) 食の安全性の確保をどうする

自給率・食の安全性が向上する!!
 
「農業」「企業」「社会的状況」それぞれに課題がありますが、実はこれらを同時に満たす対応策があるのです!!
 
それは『企業の農業参入』
これこそが、次代の共認原理に照らし合わせても、現存する私権(市場)をも凌駕していける、まさしく『活力再生需要を事業化する』の最終回答となるのです!!

 
ただし、現状の法律や市場の中ではでは、すぐに「企業」が「農業」に参入するというだけでは限界があります。 :roll:
 
そのためには「企業」が参入することによる「メリット」や「保護されるべき法整備」が必要となります。
 
そこで「社会的状況」にも対応でき、「農業」と「企業」の両方を活力再生させる、『企業の農業参入』への提言を紹介します。
       
  
2.農業参入が企業の社会的使命となる
 
以下に企業の農業参入による提言を紹介します。

農業参入が企業の社会的使命となる
 
農業への株式会社の参入を巡り、農水省では相変わらず議論が続いているようです。もっぱら農地の扱いを巡る議論に終始しており、抜本的に日本の農業の再生を図ろうとする気配は見えず、農家も補助金による国家丸抱えから脱却できそうにありません。
 
一方、企業もCSR(企業の社会的責任)や環境対策など御託を並べている割には実態はお茶を濁す程度です。そこで国家に代わって企業が農業を支えるために、企業毎に自給率を定める方式を考えてみました。以下その骨子です。
 
1.常時雇用者(パートを含む)100人以上の企業は企業毎に自給率を定める。
2.米、麦、イモ類、大豆など指定産品に基準を定める。
3.農業者やJA、他企業への委託契約も認める。なんであれ農業が活性化すればよい。
4.作物は国営倉庫に納入し、生産と消費を管理する。生産物は企業に属する。現物支給分は所得税を免除。
5.自給率基準を満たさなければ特別法人税を課する。基準を超えれば減税。
6.農地の所有、賃借いずれも認める。耕作放棄、転用には厳罰を課す。

国家と個人(農業者)だけでは完全に閉塞します。市場原理の枠内で企業参入を期待しても原理的に不可能です。国家の統合下で集団の力を活用する、企業の農業参入が不可欠だと思います。

 
ではまず、現状の企業の農業参入状況について見てみましょう。
実は農地制度の改正により、すでに多くの企業が農業に可能性を感じて参入しているのです。
 
以下のデータを参照して下さい。
 
『農地制度改正後の「企業の農業参入」を考える』農林金融2010
 
この資料によると、1997年1月にオムロンから2010年吉野家まで、農業とは異業種の大企業27社の農業参入が報告されています。
 
しかし、食への安心感や自給率に対する期待に反し、「農」も「企業」も活力再生には至っていないのが現状でしょう。
 
ではこれらを改善していくためにはどうしたらいいのでしょうか?
 
ここで企業の農業参入に対する具体的な提言の骨子について見ていきましょう。
 
1.常時雇用者(パートを含む)100人以上の企業は企業毎に自給率を定める。
⇒100人以上の企業は以下の表から、H18年で約56,560事業所、1422万人になります。
 
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  従業者規模別事業所数及び従業者数(民営、H18年):総務省統計局 からお借りしました
 
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   先進国自給率の推移:農林水産省 からお借りしました
 
 
例えば(極端ですが )各事業所に自給率100%(社員の分だけ)を定める(他は現状のままの自給率)とすると、日本の総人口1億2750万人(H21)に対する自給率は現状の40%から46.7%へと上昇します。これは先進国の最下位を免れるという程度ですが、「企業」も「農業」も活力がUPすれば、自給率の数値はもっと上昇することが期待できるでしょう。
 
それよりももっと大きな利点としては、農業者が企業内で顔の見える人であるという「食」への安心感が大きく向上していく効果があります。 :P
 
2.米、麦、イモ類、大豆など指定産品に基準を定める。
⇒生産品は主食の米の他に、日本人の食生活に必要な食品を指定産品として自給率を高めていきます。
 
3.農業者やJA、他企業への委託契約も認める。なんであれ農業が活性化すればよい。 
⇒現実的には自前で取り組めない企業もあるでしょうから、委託でも最終的には農業事業分野が活性化し、総需要を喚起させるという供給発の視点がポイントになります。
 
4.作物は国営倉庫に納入し、生産と消費を管理する。生産物は企業に属する。現物支給分は所得税を免除。
⇒生産物は企業の物であるが、生産と消費は国が管理する。企業内で現物支給されるものを免税とすることで、企業・従業員ともに有益となる。
 
5.自給率基準を満たさなければ特別法人税を課する。基準を超えれば減税。
⇒自給率基準を満たせば減税、満たさなければ課税とすることで、増産する意欲が沸く。
 
6.農地の所有、賃借いずれも認める。耕作放棄、転用には厳罰を課す。
⇒農業参入するには、農地の確保は必要。農地活用の流動性を促すとともに、自国の生産基盤である農地を守る!!(食料を他集団に委ねる集団など本来は有り得ない!)
 
 
これらの中味を整理すると、企業が農業参入することによって以下の内容が改善されていきます。
 
①国家に変わって企業が農業を支えることにより、安全な食を確保し自給率も高まる。
⇒ 食の安全と自給率の改善という社会期待に応える役割。
 
②企業(=集団・人)が農を担う(又は依頼される)ことによる地元民の安心感
⇒ 企業という安定した継続基盤(=人)と仕事(=雇用)が確保される。
 
③地元の就農者だけでなく、参入する企業自体も「農」を通じた協働作業や教育機能で活力をUPさせる。
⇒「農業」「企業」の活力再生であり、共認原理に基づいた地域の共同体再生にも貢献。
 
④法制度を改革することで、企業の農業参入を社会的使命とする。
⇒ 減税あるいは罰則課税をとおして、企業の役割が明確にされ、社会を対象化できる。
  
  
いかがでしたか?
なるほど、これら様々な効果を考えると「企業の農業参入は社会的使命」と言えるほど大きな役割を果たすことになりますね。
「国家」と「個人(=農業者)」だけでは閉塞してしまう状況ですが、「国家」の統合下で集団(「企業」)の力を活用することで、大きな可能性が開けてきます。
:D
 
 
「企業」が「農業」に参入することで、「企業」も「農業」もそれぞれが活力再生でき、かつ共認原理にも沿った社会期待にも応えていける、まさしく『活力再生需要を事業化する』そのものなのです!!
  
  
以上、シリーズ「活力再生需要を事業化する」は今回で終了させていただきます。
ご愛読、ありがとうございました。m(_ _)m

List    投稿者 kaz-tana | 2010-06-01 | Posted in 10.経済NEWS・その他2 Comments » 

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コメント2件

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