2009-05-26

米国住宅ローン破綻は増大中、3月・4月は過去最高の34万件

3月に入り、各種経済指標の下落幅が縮小してきて、「景気回復の芽生え」という楽観的な論調が、支配的になっていた。 
 
しかし、しかしである。
5月の米住宅着工・許可件数が、過去最低水準に沈み、米国住宅部門の崩壊が改めて確認された。 
 
まずは、着工・許可件数の記事から。 
 
4月米住宅着工・許可件数はともに過去最低水準【ワシントン・5月19日、ロイター】
   リンク

米商務省が19日発表した4月の住宅着工・許可件数はともに過去最低水準となり、住宅市場の安定化は近いとの期待に水を差す格好となった。 
 
4月の住宅着工件数は前月比12.8%減の年率45万8000戸。1959年1月の調査開始以降の最低水準となった。 
 
フォレックス・ドットコムの主席為替ストラテジスト、ブライアン・ドラン氏は「住宅市場が安定してきているとの見方に明らかに疑問を投げかける内容」と述べた。 
 
4月の許可件数は前月比3.3%減の49万4000戸。1960年1月の調査開始以降の最低水準となった。 
 
ナイト・エクイティ・マーケッツのマネジング・ディレクター、ピーター・ケニー氏は、弱い住宅着工件数は不安材料としながらも、許可件数の減少は今後住宅市場が上向く環境につながる可能性があるとの見方を示した。 
 
「住宅セクター改善に向けた最初のステップが在庫の解消だ。市場には住宅在庫が積み上がっているため、できるだけ早期に建設を停止し、現在の在庫を消化することが好ましい」と指摘した。

ロイターの論調でも、「過去最低の数字は、在庫調整に寄与する」との記事コンテキストをとり、「景気回復の芽生え」という記事の終わり方をしている。 
 
本当にそうだろうか? 
 
新築住宅に加えた住宅在庫の発生源である「住宅ローン破綻件数」(破綻住宅の市場への放出)は、過去最高を更新中である。 
 
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RealtyTrac社の住宅破綻件数を四半期毎にまとめたものが、最初のグラフです。 
 
2009年の第Ⅰ四半期(1〜3月)は、ついに90万件の水準になっています。
  usfo01.bmp 
 
次に月別の推移をみてみましょう。
  
ポップアップです。 
 
3月が破綻件数34万1千件、4月が34万2千件で、月間記録を更新中です。 
 
Second Straight Month with Record High Foreclosure Activity Total U.S. Foreclosure Activity Up 32 Percent from April 2008 
 
「景気回復の芽生え」では、決してありませんね。 
 
参考記事 
 
住宅市場は新芽の季節? 
 
住宅売れなきゃブルドーザーで在庫調整 
 

List    投稿者 leonrosa | 2009-05-26 | Posted in 10.経済NEWS・その他12 Comments » 

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コメント12件

 ふぇりちゃん | 2009.12.03 1:10

新シリーズ!
今後の展開が楽しみですね♪
仕分けについて
>1つの事業案にかける時間はおよそ1時間程度らしい・・・
って、本当ですか!?
1時間なんて、あっという間じゃないですか
たった1時間で何がわかるっていうんだろう。。
生活保護。
働くたくても働けなくて、何かしたくてもできなくて・・・という方も大勢いるでしょう。
でも「あら?どうしてあなたが??」という方も周りでちらほら・・・
「ただお金をばら撒けばいい・受け取ればいい」ではなく、「そこから何ができる?」という意識を持って生きていく・行動していくことが大切だと想いました。

 ぴぴ | 2009.12.03 1:20

コメント早っ!!いつもどうもです。
「生活保護」を受けなければならないのも、働き口がない実情に起因します。
制度と併せて、“供給発”で考えれば、仕事=意識生産業を創出すれば、ただお金をバラ撒く手法から脱することが可能と考えます。
成果を上げた分だけ報酬が得られる、真っ当な市場を形成していこうということです。
今後とも応援よろしくです。

 けんと | 2009.12.03 11:24

生活保護ってきれいごとだと思います。
生活保護されている人は考えさせる
思考も止めさせて、働かないようにどんどん
なっていくと思います。
なんか役に立たないから、お金だして生活してくださいって言っているような気がします。

 shushu | 2009.12.03 19:32

生活保護の全支給額は年2兆円にもなるんですね。。。  お金を支給するというのは直接的で一時は助かりますが、やはり働けないことには根本解決しませんよね。目先の援助ではなく、先も見据えた生活保護ということを考えるなら、お金よりも、やはり仕事の供給だと思います。

 rino | 2009.12.03 19:33

>なんか役に立たないから、お金だして生活してくださいって言っているような気がします。(けんとさん)
確かに、これって消費発の発想ですよね。
役に立たないから消費だけでもしておいて、消費拡大に貢献してろと。
記事のとおり、
本当に国民のことを考えるのであれば、賃奴たる消費生活にしばるのではなく、”活力”を生む生産、すなわち供給発の発想が必須になるのだと思いました。

 minezo | 2009.12.03 19:38

 今まで水面下で処理されていたような事業が、表舞台に引きずり出され、必要か否かを判断する土壌に上げられたということでは、「仕分け」の効果はあっただろうと思います。
 今後は、予算削減を主目的とするのではなく、事業内容そのものの評価へと進んでいくことを期待したいですね。

 もやしもん | 2009.12.03 19:39

世の中で、本当は必要な仕事だけど、市場の中ではペイしない仕事ってけっこうあります。そういった仕事を国家側が支援して軌道にのせれば社会も、もう少し健全に社会も回るように感じます。
生活保護で、お金を一律で国民にばら撒くのではなく、「こんな仕事があるので、働きたい人を募集します。」と国家側が仕事を供給することは、出来る気がします。

 daiconna | 2009.12.05 11:53

コメントを入力してください
何事でも事実の認識が大切。不正受給は2兆円の中の92億円。0.0046%です。人間が生きていけるのは自尊心があるからで、生活保護を受けることで自尊心はひどく損なわれている。特に日本人はそのことに平気な人はほんのひとにぎり。大体生活保護を受けている人に対して周囲は優しくない。そんな周囲の目に対して平気な人種は、子どもではまずいないし、大人もとことん隠すだろう。社会保障費は、日本はまだ低い。問題は経済を活性化する事が重要ということ。だから社会保障費を削っても良いということではない。

 田舎から | 2009.12.09 10:38

所得の再分配や社会保障は困窮しているその人を助けることはもちろんですが、高所得者が死蔵したり国外に流出したりする資金を奪い、消費に遠慮している(つまり低所得者も額は小さいが通貨を死蔵する)低所得者にばら撒くことで、流動性を高めて経済の効率を最大に近づけるという目的があります。
我が国の所得格差の大きさを考えると、生活保護(名称が悪い)の金額は数倍に増やすのが正しいと思います。
高所得者がいて構いませんが、彼らが金を「持ちっぱなし」にすることは経済的には悪に他なりません。
所得再分配は受給者のモラルの問題ではありません。
しかし経済効率には関わってきます。
受給者が働こうが働くまいがそんなこととは無関係に所得再分配は必要な行為です。

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