2007-03-26

米国の口座凍結解除でも進まなかった「6カ国協議」その理由は?

 米国は19日、マカオの「BDA(バンコ・デルタ・アジア)」の北朝鮮関連口座2500万㌦の凍結を全面解除し北朝鮮に返還することで同意したと発表しました。
 この大幅な譲歩と見られる同意で進展するかに思われた6カ国協議。しかし、結局は譲歩を引き出したはずの北朝鮮・金外務次官が帰国してしまうという結末で、次回の開催時期も決まらずに休会してしまいました。
 理由は「送金が確認されてからじゃないと協議はしない!(北朝鮮)」ということらしいのですが、
               
 ・なぜ北朝鮮がここまで送金確認にこだわるのか?
 ・なぜ6カ国代表が雁首揃えてたかが2500万㌦(29億円)の金が動かせないのか?
               
いろいろ事情があるようです
               
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          ↑「I shall return」とは言わなかったらしい…。
               

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 ニュースではこんな感じで伝えられていました。

■米財務省、北への資金返還で中国・マカオ当局と協議へ
米財務省は23日、ダニエル・グレーザー次官補代理が25日に北京を訪れ、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮関連資金の返還問題で、マカオと中国の金融当局と協議すると発表した。
 同資金は中国の国有商業銀行「中国銀行」の北朝鮮口座に送金されることになっているが、中国当局は、「資金洗浄などに使われた」として送金受け入れに難色を示している。
 米財務省は発表文で、「財務省の専門知識を生かして、中国とマカオの当局が問題解決する手助けをしたい」としている。(YOMIURIONLINE)

               
     どういうことかというと…
               
 
米国はBDAの北朝鮮口座の凍結全面解除。

でも既にBDAは資金洗浄の主要懸念先銀行として米国と取引停止。(倒産確定?)
 ↓
取り付け騒ぎもあって、BDAにはすでに支払い余力はないかも?アセる北朝鮮
 ↓
議長国の中国が北朝鮮の金を中国国有銀行に移すことに合意(実質的に中国負担?)
 ↓
だが中国銀行は、今や上場済で外資も参入。株主や市場に逆らってヤバイ橋は渡れない。
 ↓
結局、中国銀行が国際的信用を失う事を嫌って引受拒否(武大偉副部長には想定外)。 
 ↓
他に引き受け手が表れるはずも無く送金不能(ヒル米国務次官補にも想定外?)。
 ↓
金外務次官は想定外の出来事にビビりながらも協議拒否して帰国(将軍様に相談しなくちゃ!)
               
               
               
               
               
               
               
               
               
               
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           ↑この人にとっても想定外 (゜Д゜≡゜Д゜)マジ?
               
 ということのようです。(6カ国協議に参加してる人たちって、副とか次とか補とかつく役職ばっかだと思っていたら…実はあんまり大した権限はないらしいです。)
               

■ならば、政治的判断で超法規的措置として、むりやり中国銀行にうん、といわせるか?しかし、そんなことすると、「やっぱり、中国ってそんな国だよなあ。政治的判断で、黒い金も引き受けちゃうんだ。株主の利益を損なってもぜんぜん平気なんだ」と、外国の投資家から思われてしまい、農業銀行の上場を含む銀行改革に暗雲が…。そんなことになれば、中国金融当局もだまっていられません。もちろん中国銀行の信用度も株価も落ちるでしょう。そうそう、今日(23日)も株が下がってましたね。
■そこで記者たちは考えます。中国銀行送金以外に、北朝鮮があの現ナマを手に入れる方法は?BDA問題を解決する方法は?
■H記者:(今回協議期間中には)韓国の銀行にひきうけさせるという話もでたそうだ。でも、さすがに嫌がったそうだよ。
T記者:そりゃ嫌だろ。あの中国銀行ですらおじけついた北朝鮮の黒い金だから。
私:しかもたった30億円ぽっち。ババ抜きのババみたいなもんですよね。

↑の話は、産経新聞中国総局記者の福島香織さんのブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」です。今回の裏事情を詳しく解説してるので読んでみてください。
               
               
それにしてもアメリカ…

>「財務省の専門知識を生かして、中国とマカオの当局が問題解決する手助けをしたい」

とか言ってるわりには、周到な準備で中国に責任を押付けてるようにしか見えません。う゛〜む、さずがエゲツない。
               
 中国は、6カ国協議の議長国という立場もあって政府としては引き受けたものの、言うことを聞くと思っていた中国銀行は一足先に市場原理に取り込まれ操縦不能→中国政府のメンツ丸潰れ。昨年、反資金洗浄法もできたばっかりだし、中国の四大銀行といえども外資を受け入れるようになると、欧米のルールに従わなければならなくなるということです(テマセク・ボリテクニク社やロイヤルバンク オブ スコットランドといった外資が大量に株式購入しているらしい。ロスチャイルド系やロックフェラー系がどの程度食い込んでいるかはわからないが、大丈夫か中国?)。
               
 北朝鮮としては、なにも今すぐ2500万㌦の現ナマが欲しいわけではなく(いや、ひょっとしたらもの凄く欲しいのかも知れないが) 、BDAに代わってドル建てで決済できる口座がいるのです。口座が無くてはミサイルも麻薬も売れない。貿易が一切出来なくなってしまいます。ところが、銀行にしてみれば自分のところの口座でそんなもん決済された日にゃ米国に目を付けられること確実。テロ支援銀行とか言われかねない。
 まぁそもそも現在のドル建て決済システムからして全て米国を通すようになっているのですから、北朝鮮程度の国の生殺与奪権は米財務省が握っているのも同然。なのに、今だに生かしているのは何らかの利用価値を見出しているのかも知れませんが。
               
 結局、今回の6カ国協議の休止(←再開のメドすら立たない)は、各国政府間(の下っ端)の取り決めを市場の統合原理が上回った結果と言えそうです。

List    投稿者 kato | 2007-03-26 | Posted in 10.経済NEWS・その他2 Comments » 

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コメント2件

 mukai | 2007.04.14 23:14

◆肥大化するダイエット産業◆
アメリカでは現在、肥満に伴う生活習慣病の人が増え、その公的健康保健であるメディケアが国家財政をパンクさせる勢いで増加しています。
この状態が進むと、経済破局より前に自国にはびこっているこの現代病が原因で国が滅びてしまうでしょう。

 wholesale bags | 2014.02.09 20:10

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 肥満市場拡大の意味

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