2022-03-04

世界情勢~ウクライナ 感情に支配されず自らの頭で考える材料

●ロシアによるウクライナ武力侵攻
メディアは「平和」「正義」「自由」を錦の御旗に、露・プーチン大統領のネガティブキャンぺーンに躍起。

〇看板壊されたロシア食品店、ツイッターで訴えた「私たちは人間です」 店員、実はウクライナ人「懸け橋に」
ロシアによるウクライナ侵攻から、日本に住んでいるロシア人やロシア関連施設への嫌がらせが起きています。東京・銀座にあるロシアの食品を扱っている店では、店の看板が何者かによって破壊されました。この店の代表はウクライナ人女性でした。取材に「私たちは人間です」と強調した、思いを聞きました。

日本国内ではこのような憂慮すべき事態も起きてしまっている。
感情に支配されては支配層の思う壺。冷静に事実をもとに自らの頭で考える必要がある。

手がかりとしては「図解ウクライナ なぜロシアは侵攻したのか」(日本経済新聞)が端的に整理されていて参考になる。

〇ソ連崩壊後のNATOとロシア

・1991年3月:NATOに対抗するワルシャワ条約機構解散。
加盟国:ソ連、ブルガリア、ルーマニア、東ドイツ、ハンガリー、ポーランド、チェコスロバキア、アルバニア(1968年脱退)。オブザーバー:モンゴル、北朝鮮
・1991年3月:NATOにポーランド、ハンガリー、チェコ加盟
・1991年12月:ソビエト連邦崩壊により、ロシア連邦が成立
・1999年12月:ロシア・ベラルーシ連盟国創設条約が調印
・2004年3月:NATOにエストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア加盟
・2008年5月:南オセチア紛争が発生。ソ連崩壊後、ロシア初めての対外軍事行動
・2009年4月:NATOにクロアチア、アルバニア加盟
・2014年2月:ウクライナで親米派による武装クーデター(ウクライナ革命)
・2014年3月:ロシア、クリミアを併合
・2015年9月:ロシア連邦軍がシリア・アサド政権を支援する直接的な軍事介入
・2017年6月:NATOにモンテネグロ加盟
・2020年3月:NATOに北マケドニア加盟

にほんブログ村 経済ブログへ

〇欧州諸国の天然ガス供給のロシア依存度とパイプラインの敷設状況

欧州諸国は天然ガス供給の60%近くをロシアに依存。依存度の高い国は下記の通り。
・北マケドニア:100%
・フィンランド:94%
・ブルガリア:77%
・スロバキア:70%
・ドイツ:49%
・イタリア:46%
・ポーランド:40%
・フランス:24%

欧州諸国における天然ガスのロシア依存度

もし経済制裁の報復にロシアが天然ガスの供給を停止すると価格が5倍にも跳ね上がるという想定すらあるらしい。欧州諸国が米国ほど強気に出られないのは、こういった背景がある。

【追求ポイント】田中宇氏の記事「敵にガスを送るプーチン」によれば、欧州への供給量を増やしているという。プーチンの思惑は一体なにか?

2014年まではロシアから欧州への供給は、ウクライナのパイプラインを経由し、ロシアは親ロ政権支援もあって、ウクライナに巨額の使用料を支払っていた。ところが、親米政権成立後は、黒海経由の海底パイプライン、バルト海経由のノルドストリーム・パイプラインを設置してウクライナを迂回、ウクライナの天然ガス収入は大きく低下した。

天然ガスのパイプラインの敷設状況

ちなみに、前述の2014年2月の親米政権成立後の2014年5月に当時のバイデン副大統領の息子、ハンター・バイデン氏が、ウクライナ最大のガス会社プリスマの役員に就任。

なぜ、アメリカがバイデン政権になって以来、ロシア敵視を強め、ドイツに加圧してノルドストリーム2の稼働を止めさせたのか?
バイデン大統領がここまで露・プーチン敵視を強める発信に躍起になっているのか? こういった背景を知ると見えてくるものがある。

MASA

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2022/03/9465.html/trackback


Comment



Comment