2008-03-27

サブプライム発・日本金融会社破綻も、公的支援の段階?

米国では、NY連銀のプライマリー・ディーラーの一つ、投資銀行(日本風では証券会社)のベアー・スターンズが破綻し、JPモルガン・チェースが救済する事態になった。 
 
プライマリー・ディーラーとは、米国政府証券の公認ディーラーの事で、代表的な巨大な金融会社である。現在は下記の20社である。 
 
その一つが破綻し、NY連銀が290億ドル(2.9兆円)の資金を出し、JPモルガン・チェースが吸収合併へ。NY連銀の支援はちょっと複雑な仕組であるが、実質『公的支援』の段階に入ったといえる。(訂正:3000億ドル⇒290億ドル。桁を一つ間違えていた  ) 
 
日本で言えば、日本国債引受シンジケートの幹事である大銀行が破綻する事態と同じ。危機の深さが知れる。 
 
プライマリー・ディーラーのリスト(2007年11月) カタカナ表記も付しておきました。

BNP Paribas Securities Corp.  (BNP・パリバ)
Banc of America Securities LLC (バンク・オブ・アメリカ)
Barclays Capital Inc.        (バークレーズ)
Bear, Stearns & Co., Inc.     (ベアー・スターンズ)
Cantor Fitzgerald & Co.
Citigroup Global Markets Inc.  (シティ・グループ)
Countrywide Securities Corporation (カントリーワイド)
Credit Suisse Securities (USA) LLC (クレディ・スイス)
Daiwa Securities America Inc.     (大和證券・アメリカ)
Deutsche Bank Securities Inc.    (ドイツ銀行)
Dresdner Kleinwort Wasserstein Securities LLC. (ドレスナー・・・・)
Goldman, Sachs & Co.         (ゴールドマン・サックス)
Greenwich Capital Markets, Inc.
HSBC Securities (USA) Inc.      (香港上海銀行)
J. P. Morgan Securities Inc.      (LPモルガン・チェース)
Lehman Brothers Inc.          (リーマン・ブラザーズ)
Merrill Lynch Government Securities Inc.  (メリル・リンチ)
Mizuho Securities USA Inc.       (みずほ・米国)
Morgan Stanley & Co. Incorporated  (モルガン・スタンレー)
UBS Securities LLC.           (UBS銀行/スイス)

リンク 
 
米国発の金融危機は、日本にも波及し、幾つかの金融会社で、破綻懸念が浮上した。 
 
まずは、イーバンクから

イーバンク銀、資本増強・政投銀から劣後債で100億円 (日経3月25日) 
 
インターネット専業銀行最大手のイーバンク銀行は25日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関連する運用の損失を埋めるため資本増強に踏み切る方針を決めた。筆頭株主である日本政策投資銀行が100億円の劣後債を年度内に引き受ける方向で調整している。サブプライム関連損失を理由に資本増強を迫られた日本の金融機関は3社目となる。 
 
イーバンク銀は集めた預金の一部をサブプライム関連などの証券化商品で運用していた。しかし同商品の価格急落で多額の評価損が生じ、2007年12月末までに約50億円の有価証券の売却損と減損損失を計上。08年3月期は100億円を超える最終赤字に転落する見通しだ。

イーバンクは、ネットバンキングの促進ということで、政府機関である日本政策投資銀行(昔の開発銀行)が筆頭株主になっている。 
 
日本政策投資銀行が100億円の資金供給を行う事は、実質『公的支援』である。 
 
続きを読む前に、クリックを! 
 

にほんブログ村 経済ブログへ


次は、滝野川信用金庫

信金中金、東京・滝野川信金に資本支援——サブプライムで損失 (日経3月14日) 
 
信用金庫の中央金融機関である信金中央金庫は13日、サブプライムローン関連損失で経営が悪化している滝野川信用金庫(東京・北)に200億円超の資本支援に踏み切る方針を固めた。同信金はサブプライム問題に端を発した金融市場の混乱で400億円以上の損失が発生。信金中金は現経営陣らに退陣を求め、早期の経営再建を促す。 
 
サブプライム問題で経営悪化が表面化した日本の金融機関は滝野川信金が初めて。自己資本比率が国内業務を継続するのに必要な4%を割れば、金融庁による早期是正措置の発動対象になる。信金中金はそれを未然に防ぎ、信用不安を引き起こす前に全面支援する。

このケースでは、上位組織である信金中央金庫が資金援助を実施する。破綻への『公的支援』の第一段階ともいえる。 

あいおい損保、今期連結最終赤字40億円に・サブプライム損900億円超(日経2月22日) 
 
損害保険大手のあいおい損害保険は22日、2008年3月期通期の連結最終損益が40億円の赤字になる見通しだと発表した。従来予想は165億円の黒字だった。07年3月期は161億円の黒字。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の投資損失が920億円と昨年9月時点の3倍超に膨らむため。日本の大手金融機関で、サブプライム関連損失で08年3月期通期が最終赤字になると発表したのは初めて。

あいおい損保のケースでは、まだ資本増強まで至っていない。損失規模が拡大した場合には、グループ損保として、トヨタが支援に入ることになろう。 

みずほ、2000億円追加支援・傘下証券にサブプライム関連で (日経1月30日) 
 
みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ証券が、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連で今期2500億円程度の損失を計上する見通しだ。昨年11月時点の見込み額のほぼ2倍に拡大する。グループ全体の関連損失も拡大、3000億円に迫る可能性がある。これを受け昨年末に続き、みずほ証券への追加の増資支援を検討。前回の1500億円を上回る2000億円超とする方向だ。

日本の最大手銀行、みずほグループがまずは損失の補填に入った。 
 
3月末での年度決算の確定で、上記以外にも損失拡大、資金支援の動きがでてきそうである。 

List    投稿者 leonrosa | 2008-03-27 | Posted in 10.経済NEWS・その他4 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2008/03/500.html/trackback


コメント4件

 トレフォ - 投資家のためのソーシャルニュースサイト | 2008.07.11 14:45

金貸しは、国家を相手に金を貸す | <食料価格高騰はなぜおこるの?>その3 物価の優等生・卵も値上がり!

物価の優等生という言葉があります。
かつて消費者物価が5%〜7%上がっていた時代に、殆ど値上がりしなかった食品が卵です。
その為、卵を指して物価の優等…

 mihori | 2008.07.14 14:43

卵の価格がほとんど値上がりしていないっていうのにまずビックリしました(@o@; 
それが、穀物価格△→飼料価格△や、海上運賃の高騰により、とうとう卵価格まで△しちゃうんですね…(>_卵の価格がほとんど値上がりしていないっていうのにまずビックリしました(@o@; 
それが、穀物価格△→飼料価格△や、海上運賃の高騰により、とうとう卵価格まで△しちゃうんですね…(>_<)  現物の高騰により実体経済への影響どこまで大きくなるんでしょうか??すごく気になりますね。。。

 hassii | 2008.07.14 20:37

コメントありがとう。
文面から推測するに若い女性とお見受けしました。
たかが卵、されど卵です。古来からの歴史を紐解けば歴史を反映していたのです。
物価高騰、インフレetc動きを注目してゆきます。そして何か動きがあれば報告します。

 blue hermes bags | 2014.02.02 1:19

herm¨¨s birkin 金貸しは、国家を相手に金を貸す | <食料価格高騰はなぜおこるの?>その3 物価の優等生・卵も値上がり!

Comment



Comment