2007-05-03

メーデーで格差是正は成るのか?

もはやメーデーと言っても、ピンとこない人のほうが多いと思いますが、4月28日に連合系のメーデーが開催されたようです。
テーマは、昨年に続き格差是正。
果たしてメーデーで格差是正は成るのか?
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4万2千人(主催者調べ)が参加した東京・代々木公園の中央大会には、来賓として柳沢伯夫厚生労働相、民主党の小沢一郎代表らが出席した。
連合の高木剛会長はあいさつで「働き方の格差が所得の格差を生み、ワーキングプアといった極めて所得の低い労働者を多数生み出している」と指摘。格差是正のため、最低賃金の大幅な引き上げなどを求めた。

最低賃金の大幅引き上げの要求、これで格差が是正されるのだろうか?
というのが冒頭の疑問です。
その前に「メーデーってなに?」を調べてみました。
まず、その由来から。

労働者の日としてのメーデーは、1886年5月1日に合衆国カナダ職能労働組合連盟(後のアメリカ労働総同盟)が、シカゴを中心に8時間労働制を要求するデモンストレーションを行ったのが起源。
1日12時間から14時間労働が当たり前だった当時、「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために」を目標に行なわれた。
1889年に第二インターナショナル創立大会で1890年5月1日を8時間労働実現のためのデモを行うことが決議された。当日、ヨーロッパ各国やアメリカなどで第1回国際メーデーが実行され、以後も労働者の権利を主張する運動、また、国民がその時々の要求を掲げ団結と連帯の力を示す日として発展してきた。

「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために」
ですか。。。ん〜、見事なまでの要求運動ですね。今、こんなこと言っている人がいたらちょっと引いてしまいます。
でも、1日12時間〜14時間の強制労働の時代では、普通だったのかも。『労働者の権利と要求を実現するための運動』が必要とされたのも分かるような。
では、日本ではどうだったか?

日本では、1905年(明治38年)メーデーの魁となる平民社の主催で茶話会というかたちで開かれている。労働団体が挙行にいたるのは1920年5月2日日曜日に第1回のメーデー(主催:友愛会 司会者:鈴木文治)が上野公園(現在の東京都台東区)で行われ、およそ5千人の労働者が「八時間労働制の実施」「失業の防止」「最低賃金法の制定」などを訴えた。
・・・中略・・・
1936年以後1945年まで戦時下などの理由で、また、太平洋戦争激化などの理由で開催されなかった。敗戦直後の1946年の大会では、「働けるだけ喰わせろ」をスローガンに掲げ、11年ぶりに盛大に開かれた(飯米獲得人民大会 “食糧メーデー”の別名でも)。
・・・中略・・・
その後、労働組合組織の分裂に伴い、分裂開催が定着した。さらに労働組合活動が低調になり、前後がゴールデンウィークで長期休暇を取る例が増えてきたため参加者数が減少してきた。

始まりはアメリカと同じような感じですが、外圧が高まっていたとき=戦時中は開催されなかったようですね。
で、終戦=外圧低下で再び盛大に開催されるようになり、その要求が実って?貧困=強制労働を脱したあとは再び下火に。
と、まあメーデーがピンと来なくなった理由がなんとなく分かったところで、あらためて。
それでも4月28日、代々木公園に4万2千人集まった。で、テーマは格差是正。
う〜ん、大いに違和感。というのも、
・労働者層の権利・要求の主張が成ったのは、メーデーの歴史でも分かるように、自由な経済競争により市場が拡大→貧困が消滅したから。
・現代、格差が生じている原因は、貧困消滅後のモチベーションダウンによって、いまだ社会を牛耳る自由な経済競争について行けない層がでてきたから。

なんですよね。
だから、どう考えても格差是正のために今やらなきゃならないのは、
①貧困脱出に代わる、誰もが目指せる新しい活力源=目標の創出
②自由な経済競争に代わる、社会統合システムの創出

ということになるはず。
言い換えると、
「さあ、一緒に作り出そうぜ!」という当事者の時代。
なのに、いまさら権利・要求を主張してどうなるの??
意味ないばかりか可能性に蓋してるだけじゃん!
ってのが、メーデーがピンと来ない真の理由なのではないかと思う今日このごろです。
BY OHMORI

List    投稿者 ohmori | 2007-05-03 | Posted in 10.経済NEWS・その他No Comments » 

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