2007-12-28

米国の医療債務を債権化し取り立てる実態

医療破産についてもう少し詳しい記事を見つけたので紹介します。
(Half of Bankruptcy Due to Medical Bills — U.S.Study)
By マギー・フォックス、医療科学専任記者:ロイター通信2005/02/02付け記事より引用 
 
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米国内で破産した人のおよそ半数が、医療費の高騰が原因で破産しており、病気のために自己破産に陥った人々の大半は中産階級で医療保険加入者であることが調査で判明した。 
 
Health Affairs誌上で発表された研究によれば、医療費が原因による自己破産により、債務者や、約70万人の児童を含む扶養家族など、毎年約200万人の米国民が影響を受けていると見積もられている。 
 
「研究結果は恐ろしいものでした。ビル・ゲイツでもない限り、誰でも深刻な病気にかかったりしたら破産しかねない」研究を指揮したハーバード・メディカル・スクールのデビッド・ヒメルスタイン医師は語る。 
 
「医療費が原因で破産した人のほとんどは、たまたま病気になった平均的アメリカ人でした。医療保険はほとんど役に立たなかったのです」 
 
調査担当者達は、カリフォルニア州、イリノイ州、ペンシルベニア州、テネシー州、テキサス州の裁判所で、931人の個人破産記録を入手する許可を得た。 
 
「調査対象のおよそ半数が医療費を破産原因として挙げており、全米で190万から220万人(破産者とその扶養家族)が医療費破産を経験していると推定される」と研究者達は指摘している。 
 
「病気から自己破産に陥る者のうち、病気になってからの個人負担費用平均額は1万1,854ドルであり、病気に罹患した際に保険に加入していた者は75.7%だった」調査対象となった破産者は、医療保険に加入している場合、平均して1万3,460ドルを患者負担費用、免責費用、保険対象外サービス費用に支払っている。保険未加入者は平均して1万893ドルを自己負担費用として支払っている。 
 
「医療保険に加入する中産階級の家族でさえ、病気にかかれば、しばしば経済的災難へ陥ることになる」調査担当者は報告する。 
 
破産の専門家によれば、それらの数値は聞きなれたものであるという。 
 
「1982年から1989年に、私は南カリフォルニアで申請された自己破産について調べましたが、その結果自己破産には大きく二つの原因があるという結論に達しました。医療費と離婚です」コロンビアを拠点とするネルソン・マリンズ・リレイ&スカボロー法律事務所の弁護士ジョージ・コーセン氏は説明する。 
 
「南カリフォルニアの自己破産のうち、その二つがそれぞれ1/3づつを占めています」コーセン氏の話では、クレジットカード破産は破産者全体のわずか1%以下とのことである。「あれは本当に神話なのです」電話インタビューに彼は答えた。自己破産者のうち中産階級家庭が多数を占めるとの報告を聞いて、コーセン氏は驚くこともないと語った。 
 
「通常は、何か守るものを持つ人々が自己破産を申請するのです」コーセン氏は言う。「本当の貧困者—路上で見かける人々には、救済策は一切ないのです」 
 
ハーバード大学の助教授で全国民医療保険加入を訴える内科医のステフィー・ウールハンドラー医師は、研究結果が医療改革の必要性に繋がるとしている。 
 
「保険未加入者を保護するだけでは不充分なのです。医療保険加入者に対しても、継続的な保護が必要なのです」ウッドハンドラー医師は表明している。
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そして多大なる経済的負担を強いる医療債務がどのように取り立てられるのか?
下記の記事がありました。 
 
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Brian Grow (BusinessWeek誌、アトランタ支局記者)
Robert Berner (BusinessWeek誌、シカゴ支局記者)
協力:Jessica Silver-Greenberg
2007年12月3日発行号カバーストーリー「Fresh Pain for the Uninsured」  
 
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 これは新手の“錬金術”の話だ。公的医療保険制度のない米国においては、医療保険に加入していないか、加入していても十分な給付金を受け取れない患者が多い。そんな患者からカネを搾り取るため、様々な金融業者と手を結ぶ病院が増えている。 
 
 エイプリル・ダイヤルさんとホットスプリング郡医療センター(アーカンソー州マルバーン)との間で起こった出来事を見てみよう。“未払いの医療費”を“消費者の借金”に切り替えることで、病院がいかに手早くカネを手にし、経済的余裕のない多くの患者が一層の苦境に陥っているかがよく分かる。 
 
年収1万7000ドル、医療費請求が1万4000ドル 
 
 ダイヤルさん(23歳)はドライブインでウエートレスとして働き、年1万7000ドルの給料とチップで暮らしている。彼女は1型糖尿病にかかっている。血糖値レベルの急激な低下で、ここ3年の間に4度も緊急治療室の世話になった。9月にホットスプリング郡医療センターに3日間入院し、うち2日は集中治療を受けた。糖尿病の合併症治療のためだ。請求書の金額は1万4000ドルを超えた。勤務先は医療保険に加入していなかった。  
 
 ダイヤルさんの母キャロリンさんも、同じドライブインで働くウエートレスだ。非営利病院であるホットスプリング郡医療センターにはずっと前からゼロ金利の支払いプランがあり、これを利用して最近まで毎月100ドルを送金していた。 
 
 しかし、ダイヤルさんは自分では支払いができないと言う。合併症の治療費とインシュリン代に毎月150ドル以上かかるからだ。  
 
 10月になってダイヤルさんは、ホットスプリング郡医療センターが医療債務をコンプリートケア(本社アーカンソー州ノースリトルロック)という会社に売却したことを知った。 
 
売買される医療債務、GEなど大手も参入 
 
 世間ではまだほとんど知られていないが、数多くの小規模な企業が医療債務について大きな変化を起こしつつある。コンプリートケアはその1つだ。そうした企業は、無保険者や保障の薄い保険にしか入っていない患者を巨大な潜在市場と見ているのだ。ゼネラル・エレクトリック(GE)やUSバンコープ(USB)、キャピタル・ワン(COF)、シティグループ(C)などの米大手金融企業も、医療債務分野での急拡大や新規参入に打って出ている。 
 
 コンプリートケアからダイヤルさんに届いた通知によると、新たな債権者となった同社の複雑極まる条件によって、彼女の毎月の最低支払い額はこれまでの4倍以上、455ドルになるという。ダイヤルさんは、家賃や食費、通院費を差し引くと、そんな金額はとても払えないと訴える。「必要最低限以外のお金はすべて医療費の支払いになってしまうわ」。  
 
 医療費を自己負担するダイヤルさんのような患者からの回収は、医療事務担当者の頭を長年悩ませてきた問題だ。即時支払いがされない場合、病院の平均的回収額は、専門の集金係を雇った場合でさえ、請求額1ドル当たりせいぜい10セント前後である。 
 
 そこで病院側はもっと効率的な回収手段を取るようになった。患者に対する債権をまとめて第三者——金融専門業者、銀行、クレジットカード会社、さらにはプライベートエクイティ(非公開株)投資会社まで——に売却してしまうのだ。 
 
 新たな債権者の多くは債務額の評価にクレジットスコア(消費者個人に与えられる信用力評価点)やリスク分析用ソフトウエアを駆使し、延滞債務に対しては27%もの高利息を課す。
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世界的な巨大企業のGEまでが参画していたとは驚きですね。 
 
アメリカではこの医療請求権(MRSA)を医療機関から購入する為に金融商品にして市場から金を集めているようです。日本でも例えばMRIインターナショナルというような投資会社が年間利回り6.5%〜8.5%という高利回りの金融商品を個人投資家向けに売り出しているようです。ここでも日本はアメリカの資金供給源の役目を果たしているようです。

List    投稿者 shigeo | 2007-12-28 | Posted in 10.経済NEWS・その他3 Comments » 

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コメント3件

 たぬき | 2008.04.12 23:22

比率はそうですが、総額が増えただけなのでは?とおもいました。どうなんでしょ??

 norway hermes bags | 2014.02.02 2:25

hermes aux usa 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 米国債は、米政府が5割強を保有して買い支えている!

 wholesale bags | 2014.02.11 0:49

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 米国債は、米政府が5割強を保有して買い支えている!

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