2010-01-13

世界経済破局への長い序章? 5.中国2010年経済予測〜資産バブルの行方は?

 2009年世界経済が金融危機に見舞われる中、(主要国では)中国とインドのみ実質GDP成長率がプラス成長となりました。特に中国は、2008年名目GDP(国内総生産額)も43,262億ドルとなり、米国、日本に次いで世界第3位となったのです。(現在の成長率を考慮すれば)2010年中には、日本を抜いて世界第2位となると予測されています。 
 
注目すべき中国、2010年の経済予測はどうなるか? 
 
 今回は、中国経済の動向に焦点を当てます。中国経済論を専門としている柯隆(かりゅう)(富士通総研経済研究所上席主任研究員)さんの意見を参考に進めたいと思います。 
 
 
 

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どうなる?2010年の中国経済経済成長は「谷」から「山」へ、一方で懸念される資産バブルです。 
 
中国の経済を見る際には、やはり成長率というファクターは外せないと考えます。柯隆氏も同様に、実質GDP伸び率から話を進めています。中国の実質GDP伸び率は2007年には13%、2008年が9%、2009年推定は、8.5%と「谷」の状態となっています。氏はここから「山」へ転じると予測しています。 
 
中国の実質GDP伸び率の推移をご覧下さい。(記事より転写)
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拡大画像

問題は2010年の中国経済がどのようになるかである。 
 
 仮に2009年の中国経済が谷だったとすれば、2010年はまた山になると予想される。その理由の1つは上海万国博覧会と広州アジア大会といった国際イベントによる景気浮揚効果が考えられる。国際イベントの開催は単に関連の公共工事が増えるだけでなく、ヒトとモノの移動により消費が活性化する。 
 
 もう1つは、現在実施されている4兆元の財政出動のうち、半分の2兆元が2010年に実施されることである。

*hassiiのコメント
 なるほど、頷ける要因です。上海万博による経済効果の予測値に大小があるとは言え、効果なしという評価はありませんし、財政出動による効果は目に見えるところです。では、そういった中国経済に死角は無いのでしょうか?氏は、バブル化対策と雇用拡大の取り組みが求められると述べています。

 2010年はバブル化対策と雇用拡大の取り組みが求められる 
 
 以上のように、マクロ的に見ると、中国経済の成長率についてそれほど大きな不確実性はない。問題なのは、経済成長を維持するための景気刺激策が過剰流動性をもたらし、資産と一部の消費財についてインフレーションが再燃し、経済そのものがバブル化することである。 
 
 まず、不動産と株の資産バブルが心配される。中国政府のスポークスマンは資産バブルがまだ確認されないとしながらも、警戒すべきと明言している。 
 
 しかし、住宅価格(平均値)と勤労者家庭の平均年収との倍率を計算すると、一般的に安全なレベルとされる6倍をはるかに超えて、20倍近くに達している。このまま行けば、不動産を購入した勤労者家庭は将来的に住宅ローンを返済できなくなる恐れがあり、商業銀行のバランスシートに巨額の不良債権が表れる。 
 
 そして、食品を中心にインフレ気味になりつつあるのも事実である。国家統計局が発表するマクロ経済統計では、消費者物価指数(CPI)は依然0%かマイナス近辺で推移しているが、食品価格指数はすでに大きく上昇に転じている。 
 
 したがって、2010年の政策課題は資産バブルの対策に重点を置かなければならない。

 不動産と株の資産バブルと言えば、1989年日本の(不動産を下地にした)株バブルが弾けた事実や、昨年の米国リーマンショックを契機とした経済破綻など、大きな問題に発展しかねない問題と捉える必要があるのだろうか?と疑念が膨らみます。 
 
 そこで、中国の不動産バブルは、どの様な状況にあるのか?ここの見極めが重要になってくると思います。まずは現象としてどうなっているのでしょうか?㈱日本システム評価研究所不動産鑑定士・社団法人不動産証券化協会認定マスター 山田毅氏の分析を参考に見つめます。 
 
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 写真は大紀元リンクより 
 
中国、不動産バブル再燃

株価、不動産価格がバブル前夜 
 
 中国国内では、過剰流動性から株価、不動産価格の上昇が急ピッチで進んでいるため、早くもバブル警戒感が日増しに高まっている。そして7月29日、市場関係者の肝を冷やす出来事が起きた。 
 
 当日、中国・上海株式相場が急落。上海A株指数がザラ場で7%強安、終値で前日比5%安の3266.432を付け、下げ幅は08年6月19日(192ポイント安)以来という大きさだった。 
 
 ロシアのRTS、ブラジルのボべスパ、インドのSENSEXといった新興国の株式市場は上昇後、6月に調整が入ったが上海A株指数は年初から一本調子で上げてきた。高値警戒感が市場に漂い、投資家の一部が利益確定のタイミングを図っていたところに中国政府がバブル警戒感から銀行融資の抑制や株式取引に係る印紙税引き上げへ動き出したという観測が広がって市場に動揺を生み、売りを誘って急反落した。 
 
不動産バブル生成の背景〜中国経済の急速な回復 
 
 09年に入り中国国内のマクロ指標も顕著に改善されてきている。例えば生産水準の上昇だ。鉱工業生産は08年11月の底から09年に入り在庫調整完了で回復基調。発電量も北京オリンピック後の昨年9月のボトムからマイナス基調だったが09年6月に前年同月比で3%プラスに転じた。
 銀行融資と通貨供給量も急増している。1—6月の銀行融資累計は7兆3667億元で2008年の通年実績の1.5倍に達した。マネーサプライも6月末の通貨供給量は前年同月比で28.5%増えた。
7月3日 ロイター記事では、「上海証券報によると、2009年の中国の銀行融資は10兆元(1兆4600億ドル)に達する可能性が高い。同紙によると、4大国有銀行の人民元建て融資は6月に4970億元。また、上半期の国内銀行全体の融資は7兆元に達した。」 
 
 過剰流動性から余剰マネーが株式市場や不動産セクターなどへ流れ、最近の株価&不動産価格の上昇を加速させている構図になっている。

*hassiiのコメント
 要するに、経済危機から(内需主導で)いち早く脱出した中国では、危機脱出に用意した融資で余剰マネーが発生、株や不動産へ投資流れるという、過去日本でも生じた金余り現象と同じような構造にあるようです。

不動産バブルの行方 
 
 中国の住宅需要は都市部の拡大傾向や政策の後押しを受け今後も堅調に伸びるという見方が多い。
「08年11月の4兆元の景気対策の中にも「経済適用住宅」など政策住宅に対する新規投資拡大が公表され、09年3月に開かれた全人代では政策住宅とその関連投資が4兆元の1割を占める4000億元になると明言された。こうした対策による都市部住宅建設への押し上げ効果が注目されている。」(みずほ総合研究所レポート「中国都市部住宅建設投資」) 
 
 また中国国内の住宅需要は都市部の可処分所得の伸びと相関性が高い。中国不動産開発集団公司 副総経理 張俊生氏の「中国不動産業の将来性と手続き」によると、「専門家が様々な要因を分析した結果、当面は所得の伸びが1ポイント高まる毎に、住宅需要0.16ポイントの伸びを引き出す」といわれている。 
 
 さらに都市化の広がりと都市部の人口増加傾向が不動産市場の強力な支えとなるが、張俊生氏のレポートをさらに引用すると「予算的制約条件下での都市部の1人当たり住宅延床面積と人口規模の予測をもとに計算すると、都市部住宅の延床面積は2004年の131億㎡から2010年には200.89億㎡に増えると見られ、年間伸び率は7.35%に達する」となる。このようなデータから見て都市部住宅需要の伸びにかなり期待できることが解る。 
 
 内需拡大策が功を奏してV字回復をしている中国経済だが、いくつかの国内リスク要因が潜在している。まず輸出の不振が挙げられる。世界同時不況からの立ち直りはおもな輸出先の日、米、欧など海外先進国で遅れており、海外需要の落ち込みから中国の輸出は2桁の減少トレンドが続いている。 
 
 年後半には日欧米などの世界経済の回復から輸出の改善が期待されるが、どの水準まで回復できるかは現時点で不透明だし、各国の景気刺激策効果の賞味期限切れで下振れリスクも考えられる。
また世界同時不況は中国国内の製造業、特に輸出向け製造業を直撃しており、空前の景気対策をしても大幅な雇用調整が進む可能性があり、雇用削減で国内個人消費が低迷するリスクがある。供給サイドで、造船、セメント、鉄鋼など重厚長大産業の需要を上回る過剰設備も指摘されている。 
 
 中国政府は、国内のリスク要因を制御するためにも8%を超える高い成長軌道を維持する舵取りを求められているが、成長シナリオが歪むとマネーが暴走、やがて資産バブルが崩壊し、中国内需頼みの世界経済も下降軌道へ向って逆旋回することになるだろう。

 好調に見える中国経済成長も、(その裏を返せば)資産バブルとも成り得る融資マネーの構造であると言えます。
 だから、一歩間違えば、今度は中国経済が世界経済破局への引き金を引く恐れもあると言えます。
こういう事態であると言うことがはっきりしました。故に2010年世界経済、とりわけ中国経済の動向に焦点を当てておく必要があると思います。 
 

List    投稿者 hassii | 2010-01-13 | Posted in 10.経済NEWS・その他3 Comments » 

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