2016-12-07

世界を動かす11の原理-1~プロローグ:「世界のほんとうの姿」を知るための大前提~

クレムリンメソッド 西沙諸島

著者の北野幸伯氏は、卒業生の半分は外交官に半分はKGBになるといわれる「ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学」を卒業し、カルムイキヤ共和国(2014年現在、22あるロシアの自治共和国の一つ)の大統領顧問を務め、24年間に亘りモスクワに住んでいた経歴をもつ。

 

その間に、様々な支配者達との交流を通じ、ロシアだからこそ得られる情報を基に、世界を表から、裏から客観的に見てきた方。それをまとめたのがこれから紹介する『「クレムリン・メソッド」~世界を動かす11の原理~』です。

 

この書籍では、「どうやって世界情勢を分析し、未来を予測するのか?」その方法や原理を、11項目「クレムリン・メソッド」として紹介されています。

前回の『2016年世界情勢はこうなる!』シリーズで、ベンジャミン・フルフォード氏の書籍の内容を紹介しましたが、内容については、彼の見方とも共通する部分が多々あります。

 

今回『世界を動かす11の原理』シリーズでは、前回シリーズも踏まえての補足を加えながら、紹介していきます。

 

以下、「クレムリン・メソッド」~世界を動かす11の原理~(北野幸伯著)

からの紹介です。

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「クレムリン・メソッド」の11項目を挙げておきます。

①世界の対極を知るには、「主役」「ライバル」「準主役」の動きを見よ

②世界の歴史は「覇権争奪」に繰り返しである

③国家にはライフサイクルがある

④国益とは「金儲け」と「安全の確保」である

⑤「エネルギー」は「平和」より重要である

⑥「基軸通貨」を握るものが世界を制す

⑦「国益」のために、国家はあらゆる「ウソ」をつく

⑧世界のすべての情報は「操作」されている

⑨世界の「出来事」は、国の戦略によって「仕組まれる」

⑩戦争とは、「情報戦」「経済戦」「実戦」の三つである

⑪「イデオロギー」は、国家が大衆を支配する「道具」にすぎない

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●「真実」は、「言葉」ではなく「行動」にあらわれる

私は、2008年に出版した『隷属国家日本の岐路―――今度は中国の天領になるのか?』のなかで、「尖閣諸島から日中対立が起こる」ことを予想しました。

 

ご存知のように、その二年後の2010年、事実「尖閣中国漁船衝突事件」が起こりました。そして、2012年に日本が尖閣を国有化すると、日中関係は戦後最悪になってしまいます。

そのことで、メルマガの会員をはじめ、多くのかたがたから、「2010年から現在までの出来事を、なぜ予測できたのか?」とよく質問されます。実を言うと、私は難しいことは考えず、ある「事実」を見て予想しただけだったのです。では、その「事実」とは具体的にどんなことか?

 

アメリカが撤退したある地域、或いはアメリカの影響力が低下した場所で、中国は過去に何をしたか?

 

単純に、その「事実」を見てみたかったのです。

すると、何がわかったか?

 

①ベトナムの場合

34の小島からなる南シナ海・西沙諸島。現在、ベトナム、中国、台湾が領有権を主張しています。1970年代初めまで、中国が西沙諸島の北半分、南ベトナムが南半分を実効支配していました。

 

皆さんご存知のように、アメリカが1960年~70年代初めに掛けて、南ベトナムを支配していました。しかし、1973年に撤退します。

その翌年の1974年1月、中国は、西沙諸島の南ベトナム実行支配地域に侵攻し、占領。

その後、どう諸島に滑走路や通信施設を建設。軍隊も常駐させ、着々と実効支配を強化していきました。

 

②フィリピンの場合

1992年、アメリカ軍は、フィリピン国内のスービック海軍基地、クラーク空軍基地から撤退しました。

フィリピン議会が、アメリカ軍の基地使用協定延長を拒否したからです。

アメリカ軍が去ったのを喜んだ中国。

1995年1月、フィリピンが実効支配していた南沙諸島ミスチーフ環礁に軍事監視施設を建設し、そのまま居座ってしまいました。

 

中国が起こしたこの二つの事件(事実)を日本に当てはめるとどうなるか?

中国は、「尖閣諸島はわが国固有の領土である!」と宣言している(最近は、沖縄県全部が固有の領土と主張)

 

アメリカのパワーが衰えれば、中国は尖閣を取るためにアグレッシブになっていくだろう。

そして、アメリカの衰えは著しいから、日中は尖閣を巡って対立することになるだろう。

2008年の時点で私はこう予測し、そのことを本に書いたのです。

 

「過去に、中国は、ベトナム、フィリピンに対し、こういうことをした」というのは事実です。私は、その事実から、「日本にも同じことをする可能性がある」と予想、予測しただけ。何も難しいことはありません。

 

●「愛」が「世界のほんとうの姿」を知るのを邪魔している

ところが、多くの人は、そうドライに考えられません。『隷属国家日本の岐路』にそのことを書いたところ、事実、2010年に日中関係が悪化する前まで、多くの人から様々な批判も多々寄せられました。

 

その根拠は二つです。

一つは、「中国は「平和的台頭」を宣言しているので、あなたの書いているような「バカなこと」はしないはずだ」というもの。

 

こういった人達とメールでやり取りしていると、ある共通点が見つかりました。

彼らは何らかの理由で、おそらく「中国が好き」な人達だということです。

 

4000年と言われる中国の歴史と文化に、畏敬の念を抱いているのかもしれません。

ひょっとしたら、職場や会社に中国人の親しい、あるいは善良な友達や知人が居るのかもしれません。もっと言えば、中国人の恋人が居たり、中国人と結婚していたりしているのかもしれません。

 

とはいえ、「それ」と「これ」とは別問題。「中国は『平和的台頭』を宣言しているので、あなたの書いているような『バカなこと』はしないはずだ」

これは、どこまでが「事実」で、どこまでが「中国への愛」「人間愛」に基づく「主観」なのかよくわかりません。

確かに、中国が「平和的台頭」を宣言しているのは、「事実」です。ところが、「いっていること」と「やっていること」が異なっている。

 

こういう場合、

「言っていること」より「やっていること」を重視しなければならない。

たとえば日本の政府高官が、「消費税を上げるつもりはありません」と言った。しかし、政府は、実際に「消費税の増税」をやった。そうなったら、政府高官が「上げるつもりはありません」と言ったことは、何の意味もない。

同じように、中国が「平和的に台頭する!」と言っても、実際にベトナム、フィリピンを攻撃していたら、「攻撃した」という行動を重視する必要があります。

 

「世界のほんとうの姿」を知りたければ、「言葉」よりも、「実際の行動」を重んじよ。

 

●いまだに「21世紀に戦争が起こらない」と信じ続ける「平和ボケ」日本人

 

もう一つの批判は、以下のようなものでした。

「いまの時代、そんなこと(中国が尖閣を侵略すること)があるわけないでしょう、あなた!」

この人は、確かな事実的根拠もなく、単に希望的に、「現代に、戦争など起こりえない」と信じているのでしょう。

私は、こういう人達を、「平和ボケ」と呼びます。

しかも、かなりの重症です。

 

日本人の多くが、「第二次世界大戦後、世界は平和になった」「人類は二度の世界大戦で数え切れないほどの教訓を学び、戦争の悲惨さや無意味さを体験した。だから、21世紀に戦争など起こらない」などと信じているのです。

これは「事実」でしょうか?

それとも単なる「妄想」でしょうか?もちろん「妄想」です。では、「事実」はどうなのか?

 

●世界では、今も戦争状態が続いている

21世紀に入ってから起こった主な戦争(内戦も含む)を列挙してみましょう。

 ①2001年~・・・アフガン戦争

②2003~2011年・・・イラク戦争

③2008年・・・ロシアvsグルジア戦争

④2011年・・・リビア戦争

⑤2014年・・・ウクライナ内線

⑥2014年・・・アメリカと同盟国による「イスラム国」空爆

 

「いまの時代、戦争なんか起こらない!」「20世紀は戦争の時代だった。でも21世紀は平和な時代」

これは「事実」でしょうか?それとも「妄想」でしょうか?

 

私達は、ほとんど日本人しか掛らない「平和ボケ」という重い病気をまず徹底的に治す必要があります。もちろん、それは簡単なことではありません。「戦争」を直接知らない昭和20年(1945年)生まれの人達は、もはや70歳になろうとしています。つまり、いまの日本人のほとんどは、生まれたときから「平和な国」で育った。そのような人々が「戦争」をイメージするのが極めて難しいのは当たり前だからです。

しかし、もしあなたが「世界のほんとうの姿」を知りたいと思うならば、日本以外の世界では、今もまだ戦争時代は続いている。という材前提をまずは認識しておく必要があります。

なぜなら、それは「事実」なのですから。

 

 

List    投稿者 tasog | 2016-12-07 | Posted in 09.反金融支配の潮流No Comments » 

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