2020-01-14

国際情勢の大変動を見抜く!-47~北方領土・竹島・尖閣問題は英米が日本を分割統治するために仕組んだ~

領土問題

表題のとおり。現在も問題になっている北方領土、竹島、尖閣諸島の領有権を巡る問題は、1951年のサンフランシスコ講和条約の段階で、日本とソ連、韓国、中国との長きに亘る対立を目論んで、イギリスとアメリカが仕組んだものとのこと。その背後にはもちろん金貸しがいる。

 

1951年サンフランシスコ講和条約で、日本は朝鮮、台湾、南樺太、千島を放棄し、また日米安全保障条約がこの時締結されている。この際、北方領土、竹島、尖閣諸島の帰属問題や領有権については、アメリカは明言しないというのが基本路線。それが紛争の火種となっている。

 

これは十字軍依頼長きに亘る金貸しの「分割統治」という常套手段。目先の紛争のみに集中させ、大きな戦略に目を向けさせない支配構造。かつ、敵対する双方に戦略物資を供与し、濡れ手に粟の利益を獲得する軍産複合体の戦略。これは次回のベトナム戦争の回で詳しく述べることとする。

 

『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■1951年 サンフランシスコ講和条約

◇通説   :日本は平和条約に調印して独立を回復し国際社会に復帰した。

◇歴史の真相:アメリカやイギリスは日本と隣国との紛争の種をしっかり蒔いていった

 

●分割統治の鉄則

1951年9月8日、時の総理大臣・吉田茂がサンフランシスコ講和会議において平和条約に調印し日本は独立を回復しました。日本は朝鮮、台湾、南樺太、千島を放棄し、また日米安全保障条約がこの時締結されています。

 

現在、日本は北方領土、竹島、尖閣を巡ってロシア、韓国、中国との軋轢に苦労しています。これは、隣国との間に不和の種を仕込んで於いて、日本が米英の意向に逆らうのを牽制する策略です。植民地を人種や言語、宗教などによって争わせて分断し宗主国が支配しやすくすることを「分割統治」と言いますが、英米は独立後の日本に対し「分割統治」方式で日本の行動を縛ったというわけです。

以下順に見ていきたいと思います。

 

【北方領土】

日本が占領下にあった1951年、在京のイギリス大使館が本国に「対日平和条約において、日本に千島列島を放棄させるが、この放棄させる千島列島の範囲をあいまいにしておけば、この範囲を巡って日本とソ連は永遠に争うことになり、これは西側連合国にとって利益となるであろう」と極秘電報で報告していることが、元駐ロシア大使の丹波實氏の著書『日露外交秘話』に紹介されています。情報公開30年ルールにのっとってイギリスの外務省から、この電報の公開の可否について外務省に問い合わせがありました。日本の外務省は不必要な論争を恐れ、「公開不可」としたそうです。

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しかし英国側は公開しました。丹波實氏は「英国外交は恐ろしい」と記しています。しかし、日本の英国大使館は公開された電報のコピーを取らなかったようです。後に、丹波氏が親しくしていたロストロポービッチという世界的に著名なロシア人音楽家は、「日本とロシアがいかに西側連合国側に、“引っかけられて”争っているか、北方領土は日本に返還し、こんな争いはやめるべきだ、とどこかに書きたい」として、この電報のコピーを欲しがったそうです。そこで丹波氏が在英日本大使館に問い合わせたところ、ロンドンの英国公文書館には確かに「千島列島の戦略的価値」というファイルは存在するが、ファイル自体は紛失中である、という返事が来たそうです。

 

私は丹波氏の著書を読み、コピーを取らなかった日本外務省は何と大きな魚を逃がしてしまったものかと残念な気がしました。

 

【竹島】

日本と連合国との講和条約交渉が大詰めを迎えている頃、韓国政府が、講和条約の条件に竹島の放棄を入れるように要請しました。米国政府はこの要請を却下しています。竹島は1905年頃より島根県の管轄下にあり、朝鮮によって竹島の領有権の主張がなされた形跡はない、というのが米国ラスク国務次官から韓国政府への回答でした。この米国の立場は、秘密裏に韓国側に伝えられました。そして1952年、韓国は国際法違反である李承晩ライン(海洋境界線)を設定し、竹島を自国側に取り込んだことから竹島という領土問題が発生したのです。

 

注意したいのは、韓国から要請があった時、竹島は日本領だとアメリカが公言していれば、韓国はアメリカに従わざるを得なかったでしょう。アメリカはなぜ公表しなかったのでしょうか。日韓両国が竹島の領有権を巡って紛争し続けることを望んだからです。

 

親日派で知られる韓国の評論家キム・ワンソプ氏は著書『親日派のための弁明』の中で、「アメリカは日本を再興させてはならないという意志を持って、韓国において強力な反日洗脳教育を行うと同時に、産業面においては韓国を、日本を牽制するために既知として育てました。その結果、韓国にIT産業、造船、鉄鋼、半導体など日本をコピーした今日の産業構造が作られたといえます。そしてこうしたこの戸の背景には、有色人種を分割した後に征服するという「ディバイド・アンド・コンカー」の戦略があったと思われます」と述べています。要するに、アメリカは日韓を「分割統治」するために反日教育などを強行したと指摘しているのです。

 

竹島問題を考える上でも、歴史認識問題や経済をはじめ様々な分野での日韓関係を見る上でも、このようなアメリカの意図を十分に認識しておく必要があります。

 

【尖閣諸島】

尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲であるということは、長く、日米間の共通認識です。国務長官以下、問われれば決まってそれは公言しますが、尖閣列島の帰属問題についてアメリカはコメントしません。日本の領有権の主張については態度を表明しない、というのがアメリカの立場です。

 

不思議な話です。日本はアメリカの同盟国ですが、中国は大国ではあるものの同盟国ではありません。にもかかわらず日本の領有権を支持しないというのはつまり、竹島のケースと同様、尖閣諸島の領有権をめぐって日中を対立させておきたいからです。

 

ジミー・カーター政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたズビグニュー・ブレジンスキーが著書『ブレジンスキーの世界はこう動く――21世紀の地制戦略ゲーム』、『孤独な帝国アメリカ――世界の支配者化、リーダーか』、『ブッシュが壊したアメリカ――2008年民主党大統領誕生でアメリカは巻き返す』でアメリカの戦略の本音を明かしています。日本と中国に対するアメリカの基本政策は「中国に関与」「日本とは同盟」、そして「安定的な日中関係へ向け調整」です。「調整する」とは、日中関係がアメリカのアジア戦略にとって望ましい事態になるように介入することを意味しています。裏を返せば、日本と中国がアメリカの意図と離れて勝手に行動しないように監視する、と言っているのです。

 

中国に対しては、尖閣諸島は安保条約の適用範囲であるということで「尖閣諸島の帰属問題はアメリカの関与抜きには解決できない」と思わせています。日本に対しては、尖閣の領有権問題は日中間で解決しろということで、日本は中国との関係においてはアメリカの後ろ盾を必要とせざるを得ないように仕向けているのです。

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