2009-04-05

世界中で過激化する、反・金貸しの大衆運動

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G20前日の4月1日、ロンドンの金融街シティのイングランド銀行前で警官隊ともみあうデモ参加者たち

日本は、貿易収支やGDPの急激な落ち込みなど、世界金融危機の影響が先進国の中でも大きく、経済の見通しは極めて厳しい状況にある。とはいえ、それで治安が乱れるといったことは今のところ起こっておらず、日常的には平穏状態を保っている。一方、マスコミの報道は少ないが、欧米をはじめ世界では今、金融支配に対する大衆の激しい怒りが沸き起こり、至る所で火を噴き始めている・・・。
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実は、この動きは2ヶ月以上前から欧州で既に顕在化していた。以下は、『園田義明めも』3月1日のエントリーより

暴徒化する世界
金融危機、経済危機の影響によって社会不安も深刻化。
各国とも若年失業が深刻な社会問題となっており、
特にヨーロッパでは抗議デモが暴動へと発展する最悪の事態も多発。
呼び水となったのはギリシャ
昨年12月の警官による少年射殺事件をきっかけに暴動が全土に拡大。
学生や失業中の若者が自発的に集合し、商店や銀行を破壊。
警官隊との衝突を繰り返しています。
昨年12月、ロシア政府が輸入自動車への関税引き上げを決定。
これにより極東のウラジオストクでも抗議運動が発生。
1月31日には野党・共産党支持者ら約2500人が反政府デモ。
経済政策への不満が「反プーチン」へと拡がる気配。
1月の失業率が9%を超えたアイルランド
その首都ダブリンで2月21日には10万規模のデモが発生。
2月26日にはゼネラル・モーターズ(GM)傘下の独オペル本社前で、
GMからの独立、政府救済、リストラ反対を訴える従業員約1万5千人のデモ。
今年に入って、暴動やデモが相次いでいる中国
金融危機の影響で少なくとも2000万人の出稼ぎ労働者「農民工」が失業。
さらに増え続ければ、混乱が拡大する可能性も。

そして、アメリカで起こったAIG巨額ボーナス問題に対する市民の反発。

AIG巨額ボーナス支給に全米35州100カ所で抗議デモ
 アメリカの保険最大手「AIG」=アメリカン・インターナショナル・グループの本社前では、巨額のボーナスを支給したAIGに対して、激しい怒りをぶつけるデモが行われています。
 約250人のデモ参加者は、高い給与をもらっていながら経済を破たんさせたとして、AIGなどの大手金融機関の幹部らが責任を取るよう要求しました。
 デモ参加者:「救済に使われたお金は教育や道路、雇用創出など納税者のために使われるべき」
 抗議デモは全米35州100カ所以上で行われ、1万人あまりが参加したということです。

さらに、その怒りの発露は、金貸しの本拠である英米で過激さを増していく。

ボーナスという責任 憤る世論を前に金融業界は——フィナンシャル・タイムズ
お前を殺すという脅迫メールが舞い込む。元社長の自宅が襲撃される。町中で抗議行動。巷には今、かなり危険な空気がたちこめている。1930年代以来の最悪な国際金融危機を引き起こした張本人だと指差しされている金融業界に対して、世論は激しく反発しているのだ。そして「唾棄している」と言ってもいいこの世論の反発は、今や英米と欧州本土でいっそう激烈なものになりつつある。

大衆的なポピュリストのふりをしたい政治家たちは、公的資金を得ている大手組織で年25万ドル以上を得ている人たちのボーナスに対し、税率90%という懲罰的な課税法案を急きょ可決した。しかし一般市民はさらに、もっと過激な手段に打って出たのだった。一部のAIG社員は殺人の脅迫を受けた。AIGスタッフと家族は「首にピアノ線をまきつけられて」処刑されるべきだ—などとする、恐ろしい脅迫文もあった。AIG宛ての別の手紙には「重役たちの家族は安心するな。お前たちの血で町中を染めてやる」などとあった。

英国エジンバラでは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のサー・フレッド・グッドウィン元CEOの邸宅が襲撃された。窓を割り車を破壊した人々は、200億ポンドもの公的資金で救済されなくてはならなかったRBSから、50歳で早期定年退職したサー・フレッドが、年間70万ポンドもの年金を受け取っていることに憤慨していたようだ。

4月2日に行われたG20の前にも、開催地であるロンドンを始め欧州各地で激しいデモが繰り広げられ、シティでは死者も出た。

欧州:各地でG20抗議デモ ロンドンでは3万5千人
 【ロンドン町田幸彦】ロンドンで4月2日に開かれるG20金融サミットを前に、欧州各地で28日、抗議デモが繰り広げられた。ロンドン中心部では労働組合や市民・環境団体など約150組織、計3万5000人(警察発表)が参加、サミット参加国の首脳に「市民の利益を最優先すべきだ」と訴えた。警察当局は厳重な警戒態勢を敷いている。
 英BBC放送によると、ロンドンのデモでは貧困や失業などの解決を求めるポスターが並び、「資本主義は役に立たない」と書かれた横断幕も登場した。参加者の男性(73)は「国民は解雇されているのに、銀行家たちは政府の援助でうまい汁を吸っている」と批判した。抗議デモは4月1、2両日もロンドンで行われる。
 ドイツでは28日、ベルリンで数千人、フランクフルトで約2万人がそれぞれ同様のデモを実施。パリローマなどでも数百人規模の抗議デモがあった。
毎日新聞 2009年3月29日 20時41分(最終更新 3月29日 23時36分)

金融危機に怒り、5000人デモで死者…ロンドン
【ロンドン=是枝智】英メディアによると、ロンドンの金融街シティーの中心部・イングランド銀行前で行われた1日のデモで、男性1人が死亡した。混乱の中で倒れているのが見つかった。
 ロンドンでの金融サミットを前に、金融危機に怒った約5000人がデモに参加し、騒ぎは1日夜まで続いた。このうち、一部の参加者が警官隊と乱闘になるなど暴徒化し、80人以上が逮捕され、けが人も多数出た。
(2009年4月2日10時58分 読売新聞)

G20は閉幕したが、世界経済危機は一向に去っていない。そして、怒りの矛先は、巨額ボーナスを持ち逃げした銀行幹部のみならず、金貸しが支配する資本主義社会そのものへと向けられ始めている。この過激化する反・金貸しの大衆運動はどこへ向かうのか?
新たな世界経済秩序を巡る論争は、現在のところ、各国政府とその背後にいる金融勢力同士の縄張り争いの域を出ないようにも見える。大衆の激しい反発行動は、新しい秩序づくりに影響を与えることができるのか?それとも、階級対立・民族対立から新たな紛争や戦争への火種となってしまうのか?今年は、この世界的な意識潮流の動向からも目が離せない。

List    投稿者 s.tanaka | 2009-04-05 | Posted in 09.反金融支配の潮流3 Comments » 

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コメント3件

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