世界を操るグローバリズム-20~ウクライナやイスラム国に纏わる事変はネオコンによるプーチン打倒が目的~
ウクライナのクーデターもイスラム国の台頭もアメリカ:ネオコン(→CIA)が仕組んだ策略で、プーチンを巻き込み、「プーチン非難」の世界世論を形成しプーチン打倒を目指した事変であるとのことです。欧米のメディアも結託してその世論形成を押し進めました。
以前、当ブログでも紹介しましたが、ウクライナクーデター後、ウクライナ上空でのマレーシア航空機「撃墜事件」(『2016年世界情勢はこうなる!8~ウクライナ版「ノースウッズ作戦」:打倒カストロ政権~』)も、アメリカ:ネオコン(→CIA)の策略です。その後の報道でも「ロシア非難」に誘導しています。
簡単に紹介すると、アメリカが、インド洋で墜落したとされるマレーシア航空機を奪い、ウクライナ上空で「ロシアによる撃墜」を装うために使われたという、まるで映画さながらの仕掛けでした。
これと同様に、イスラム国によるテロでも、クライシスアクターという役者が参加する演劇やショーの世界になっており(参考:『2016年世界情勢はこうなる!12~テロという名の「ショー」~』)、これらの『演出』はネット普及も相俟って、今や世界にバレバレの状態でもあります。
>9.11以降のロックの余りにも見え見えのズサンな行動は、追い詰められた過激派の暴走と似ているようにも見えるが、どうだろうか?(『市場論・国家論14.戦後の東西冷戦を作り出したロックフェラーの世界主義と共産主義』)
でも言及されていますが、ロックフェラー勢力衰退後、残されたネオコン派が益々暴走を強めているようです。
>結局、ロックフェラーが作り出した全ては消滅し、何も残っていないことに気が付く。それも当然で、全てはロックフェラーの妄想に過ぎなかったからである。(同上)
>今やプーチン・習近平・トランプという民族派がロスチャをも抑えて主導権を握ったという点から言えば、グローバリズムという言葉さえも死語と化してゆくだろう。(同上)
からの紹介です。
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■ウクライナによるロシア人虐殺を報じない欧米メディア
ウクライナで起こったことは、ヤヌコビッチ大統領を追放し、親欧米政権を樹立するためのクーデターでした。クーデター止まりであれば、プーチンはクリミア編入をしなかったかもしれません。
ところが、クーデターでできた新政権はロシア人の迫害を始めました。
ウクライナの大部分の人々は、日常生活はロシア語を使っています。特に東ウクライナでは上から下までみなロシア語を使っています。ウクライナ語が国語と定められていますが、政府や公共機関の申請書を書くときにロシア語での申請も認めるようにロシア系住民を中心に運動が起こりました。この運動を受けて、ヤヌコビッチ政権のときに、公用語法が変更されて申請書類などのロシア語使用が認められました。
ところが、クーデター後の新政権ではロシア語の使用許可が廃止されました。それだけでもロシア系住民に対する大きな圧力です。さらには、ロシア系住民に対する迫害も始まったのです。
ウクライナ南部のオデッサでは、ロシア系住民が大量に虐殺されています。こうしたことは、欧米のメディアでも日本のメディアでも、全くニュースとして報道されていません。報道するとウクライナ危機の真相が暴かれてしまうので報道させないのかもしれません。オデッサの虐殺に続き、東ウクライナで起こっている戦闘は明らかなロシア系住民の迫害です。
メディアでは報じられませんが、それをやった人物の名前まで明らかになっています。黒幕はドニプロペテロフスク州の知事で膨大な個人資産を持った大富豪です。彼はイスラエルとキプロスの市民権を持っている三重国籍者です。巨大な資金を背景に私兵の武力集団を持っていて、言い方は過激ですが、ジェノサイド的にロシア系住民を殺害しています(但し、東部での停戦合意が成立したため、この知事は2015年3月に解任されました)。
東ウクライナでの戦闘が止まないのは、ロシア系住民への迫害・虐殺が続いているからです。ロシアはそのことを承知しています。プーチンを初めとするロシア人はこの残虐行為に激しく反発しています。
では、なぜロシア系住民への迫害を続けているのか。
それは、プーチンを怒らせ、プーチンに軍事介入させるためです。プーチンがロシア系住民を守るため、ロシアの軍隊を東ウクライナに派遣すれば、すぐさま「プーチンは領土拡張主義者だ」と非難することができます。
世界の世論を反プーチンに持っていくために、プーチンに介入させたいのです。世界的に反プーチン運動を起こし、ロシア国内で大規模な反プーチンデモを起こさせて、プーチンを引きすりずり降ろすのが狙いです。こうした背景を伝えずに、ひたすら「プーチンに非がある」としているのが欧米メディアです。日本のメディアも、欧米のメディアの情報を真に受けて真相を探ろうともしません。
現在、安倍政権は日ロ関係の改善に力を入れていますが、それを快く想わない勢力もいます。日ロ関係の改善を阻止したい意図もあって、アメリカ政府を動かす人たちと欧米メディアによって反プーチンの情報が流し続けられています。
■ウクライナもイスラム国も利用されている
プーチンの核準備発言の脅しが利いたのか、アメリカの動きは少しおとなしくなりました。しかし、アメリカはもうルビコンを渡ってしまったと私は見ています。
ルビコンを渡ったというのは、プーチンを倒すためにウクライナを徹底的に利用する覚悟を決めたということです。プーチンが倒れるまでウクライナを安定させずにおいて、プーチンをウクライナに誘い込み、プーチンを追いつめるつもりです。
東ウクライナだけではなく、イスラム国問題も、プーチンを倒すために演出されたドラマである可能性があります。シリアのアサド政権は、イスラム過激派に効果的に対処している唯一のイスラムの政権です。エジプトのムバラク政権、チュニジアのアリー政権、リビアのカダフィ政権はアラブの春によって倒れました。アラブの春の次のターゲットはシリアのアサド政権でした。そのアサド政権は今も持ちこたえています。
シリアは伝統的にロシアと友好関係にあります。シリアはロシアの軍港のような役割を果たしており、シリアをロシアが支えてきました。つまり、シリアはプーチンと深い関係を持った国ということです。
ウクライナとシリアで同時平行的に紛争を起こせば、プーチンは介入せざるを得なくなります。プーチンを何とか引きずり込んで、プーチンを倒そうというのが欧米金融勢力の動きです。
日本の新聞、テレビの記者達は、背景を読むという発想をあえてしないのだろうと思いますが、アメリカのメディアのトップは、裏事情をよく承知した上で、プーチンを引きずり降ろすための情報を意図的に流し続けている可能性が高いと私は見てます。
オバマ政権はイラクからアメリカ軍を撤退させましたが、それによって不安定だったイラク国内がさらに混乱することになりました。その混乱の中からイスラム国と称する勢力が生まれてきました。イスラム国を生じさせた原因はアメリカにあります。さらにいえば、イスラム国というテロ集団をつくったのはアメリカ(ネオコン勢力)と言うことも可能です。
イスラム国を打倒するという口実の下に、アメリカはシリア内のイスラム国拠点の空爆を開始しました。ところで、シリアのアサド大統領は反イスラム国であるにもかかわらず、アメリカはアサド大統領とは協力しないと明言しているのです。もし、残虐なイスラム国打倒がアメリカの真の目的なら、アサドと協力できないはずがありません。
そう考えますと、アメリカはイスラム国の存続を実は許容しているとさえ思えるのです。
2015年9月下旬の国連に於ける米ロ首脳会談では、アサドの退陣をあくまで要求するオバマ大統領と、アサドと共に米ロ共通の敵イスラム国に対処しようと主張するプーチン大統領との溝は埋まりませんでした。その後、ロシアはシリアのイスラム国拠点への空爆を開始しました。これに対し、アメリカはシリア反体制派への空爆も行われていると非難しています。どう見ても、アメリカの態度は矛盾していますが、日本のメディアはプーチン批判一色であることに変わりありません。
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