2017-01-05

トランプ人事から占う米情勢(1)

トランプ次期大統領の就任予定の1/20が迫っており、この間、閣僚の主要ポストも順次決まってきている。

以下、ロイターの記事 より。

 

bbcBBCより 左がトランプ、右がジェームズ・マティス

 

<すでに指名が決まったポスト>

●米通商代表部(USTR)代表
*ロバート・ライトハイザー

●国土安全保障長官
*ジョン・ケリー(海兵隊退役大将)

●環境保護局(EPA)局長
*スコット・プルイット(オクラホマ州の司法長官)

●労働長官
*アンディー・パズダー(ファストフード大手CKEレストランツ・ホールディングスの最高経営責任者)

●住宅都市開発長官
*ベン・カーソン(元神経外科医)

●大統領首席補佐官
*ラインス・プリーバス(共和党全国委員長)

●首席戦略官兼上級顧問
*スティーブン・バノン(保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の元トップ)

●司法長官
*ジェフ・セッションズ(アラバマ州選出共和党上院議員)

●中央情報局(CIA)長官
*マイク・ポンペオ(カンザス州選出共和党下院議員)

●国家安全保障担当の大統領補佐官
*マイケル・フリン(退役陸軍中将、元国防情報局長)

●国連大使
*ニッキー・ヘイリー(サウスカロライナ州知事)

●教育長官
*ベッツィー・デボス(共和党の献金者。党の元ミシガン州委員長)

●厚生長官
*トム・プライス(ジョージア州選出共和党下院議員)

●運輸長官
*イレイン・チャオ(元労働長官。夫は共和党のマコネル上院院内総務)

●財務長官
*スティーブン・ムニューチン(元ゴールドマン・サックス(GS.N)幹部、選挙戦でのトランプ陣営の財務責任者)

●商務長官
*ウィルバー・ロス(著名投資家、ファンド「WLロス」会長)

●国防長官
*ジェームズ・マティス(元中央軍司令官)

●エネルギー長官
*リック・ペリー(前テキサス州知事)

●国家経済会議(NEC)委員長
*ゲーリー・コーン(ゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者)

●国務長官
*レックス・ティラーソン(エクソンモービル(XOM.N)の会長兼最高経営責任者)

●中小企業庁長官
*リンダ・マクマホン(プロレス団体の共同創業者で元最高経営責任者)

●内務長官
*ライアン・ジンキ(モンタナ州選出共和党下院議員)

●陸軍長官
*ビンセント・ビオラ(高頻度取引企業バーチュ・ファイナンシャル(VIRT.O)創業者)

●行政管理予算局(OMB)局長
*ミック・マルバニー(共和党下院議員、サウスカロライナ州)

●国家通商会議(新設、National Trade Council)
*ピーター・ナバロ(対中強硬派エコノミスト)

●国土安全保障・対テロ担当補佐官
*トーマス・ボサート(コンサルティング会社経営、ブッシュ前政権の国土安全保障担当副補佐官)

<名前が挙がっている候補者>
●連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)
*ジョン・アリソン(米BB&T(BBT.N)の元CEO、米保守系シンクタンクのケイトー研究所元所長)
*ポール・アトキンス(米証券取引委員会(SEC)元委員、政権移行チームで金融規制の助言担当)
*トーマス・ホーニグ(米連邦預金保険公社(FDIC)副総裁、元カンザスシティー地区連銀総裁)

●証券取引委員会(SEC)
*ジェイ・クレイトン氏(法律事務所サリバン・アンド・クロムウェルのパートナー)
*ポール・アトキンス
*ラルフ・フェラーラ(米プロスカウア・ローズ法律事務所の証券担当弁護士)
*ダニエル・ギャラガー(元SEC委員、共和党)

 

未だ反トランプ勢力(≒ヒラリー勢力)の影響があるせいで、これらの人物評や人選について、人種差別主義者だ、やれネオコン政権だ、やれ対中国強硬路線だと、特に日本のマスメディアでは批判的な主張含めて情報が錯乱している状況がある。そこで、本稿では各閣僚やメディアの背後にある勢力も含めて分析してみたい。

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とりあえず、上記の中でまず1名取り上げてみよう。

 

●国防長官 : ジェームズ・マティス(元中央軍司令官)

ジェームズ・マティス(wiki)

(wikiより)

主要メディアの報道

元中央軍司令官。海兵隊大将。アフガニスタンとイラク侵攻作戦の総司令官。かつて「人を撃つのは楽しい」と述べ物議を醸したことから、「狂犬」との異名を持つ。強硬派

実際の人物像

反イスラエル、反イランの反ネオコン派。イスラエルのヨルダン川西岸地域における入植地や壁の建設を「アパルトヘイト」と批判し、パレスチナ国家の成立を強く主張。また、イランの勢力拡大を警戒し、オバマ政権を批判。
(参考:『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2016年12月9日号 「MoneyVoice」より)

 

【略歴】
1950年生まれ、現在66歳。元アメリカ海兵隊の軍人で43年間在籍。
1991年の湾岸戦争で突撃部隊を、2001年にはアフガニスタン南部でタスクフォースを指揮。更に2003年のイラク戦争にも参加、翌年のファルージャ総攻撃でも主要な役割を果たした。米統合戦力軍、北大西洋条約機構(NATO)変革連合軍の最高司令官を歴任し、2010年に中央軍司令官に就任するも、2013年にイランへの強硬政策をめぐってオバマ氏と対立し、中央軍司令官を解任される。
「人を撃つのは楽しい」に代表されるように、現役時代からストレートな物言いで知られている。またオバマの中東戦略(戦略なき手法)に批判的なスタンスを保持。
海兵隊大将時代には、国防長官の指示により「統合戦略環境2008」(The Joint Operating Environment 2008-2030年代に米軍が直面する、戦略・作戦環境についての調査報告書-)をまとめている。また、戦略研究史の書籍7000冊を読むほどの追求肌で、生涯独身であることも相まって 「戦う修道士」という異名も持つ。

【分析】
軍で実績を上げ昇格してきた経歴とその過激な発言から、「戦闘指揮経験が豊富で、『狂犬』の異名を持つ」(朝日新聞 )、「かつて『人を撃つのは楽しい』と述べ物議を醸した」(日本テレビ)などと日本のメディアでは報道されている。
一方アメリカのメディアはどうか? 反トランプを打ち出している「ニューヨーク・タイムズ」は、社説に「国防総省に『経験』という選択」という見出しを付け、「反対意見にほとんど関心を示さない、危険なほど無知な大統領が率いるホワイトハウスに、マティス将軍は理性ある声をもたらすかもしれない」と書いている。ワシントン・ポストも同様の評価で「期待されるのは、トランプ氏が『将軍の中の将軍』と呼ぶ人物が次期大統領を支えることだ。既にマティス氏は(トランプが復活を唱える)拷問の有効性を慎重に検討するよう進言したようだ」と(Newsweek より)。
軍出身というだけで、ネオコンと決め付けるのは尚早。ネオコンはペンタゴンの非制服組[例:そのシンクタンクであるPNAC(Project for the New American Century)]であり、マティス氏のような制服組は戦争を回避する傾向がある。(参考:新ベンチャー革命2016年12月14日 No.1557より )

(まとめには早いが)一見ネオコン体制に見える、米露戦争へと舵を切ったように見える人事だが、内実はそうではない。つまり、ネオコンの背後にいるロックフェラーが戦争から強調路線へ転化したか、ロックフェラー勢力そのものが弱体化したか、その両方(弱体化→勢力維持のためには露・プーチンに屈して協調路線)を取らざるを得ないかだ。

一方のメディアは、米主要メディアは先述のように、反トランプ勢力がまだ根強く残っていることから、メディアを支配するロスチャイルドの力が、どの程度影響しているか継続的な追求が必要。

次回に続く。

List    投稿者 dairinin | 2017-01-05 | Posted in 08.金融資本家の戦略, 09.反金融支配の潮流No Comments » 

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