2018-02-21

世界を操るグローバリズム-24~民族文化と欧米化を両立させた日本は世界のモデルケース~

プーチンvsオリガルヒ習近平

中国脅威論そのものがアメリカによる情報操作の可能性が高い。それはアメリカ軍産複合体による武器輸出が狙い。

 

中国の経済成長はどうも眉唾ではないか?との見方。砂漠に建設されるいくつもの人の住まない都市が象徴している。その目的は、中国共産党幹部が自分の利益のための投機。彼らは民族意識が弱く、自身の(せいぜい家族の)利益のことしか考えていない。アメリカウォールストリートの金融資本家とのつながりが深く、資産は海外の銀行に蓄えている。

 

世界的な欧米化の波で、欧米以外の国々は自国文化をいかに守るか苦心している。日本は完全ではないが、民族文化と欧米化を両立させた世界のモデルケースとなっている。

 

プーチンが今やろうとしていることは、日本の明治維新をモデルにした国づくり。ロシアの伝統的なスラブ主義と融合させて、ロシア的な産業国家をつくろうとしている。

プーチン、トランプ、習近平が民族自決に動き出している。(参考:『市場論・国家論16.奥の院は90年代に共産革命から民族革命へと戦略転換』)プーチンは本物だとして、寄せ集め国家のアメリカや戦乱を繰り広げ民族意識が弱い中国など、それぞれ温度差はあるもよう。

 

以下、『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く(馬渕睦夫著)

からの紹介です。

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中国の脅威を煽るアメリカには裏の意図がある

最近のアメリカのメディアは中国の驚異を煽っています。そこには何か思惑があると疑って見るべきです。

中国のGDPは大きく拡大しており、経済成長に伴って、軍事費も二桁成長を続けていると報じられています。GDPの規模は、すでに日本の二倍を超えていますが、このまま成長を続ければ、いずれはアメリカを超える経済大国になると予想されています。

 

アメリカのメディアがこうした報道を続けているのは、中国の驚異を煽るねらいでしょう。中国の驚異を強調すれば、アメリカ人に対して、「もっと防衛予算が必要だ」と思わせることができ、日本人に対しては、「やはりアメリカしか頼りにならない」と思わせることができます。

 

中国政府は鈍化したとはいえ、ほぼ7%成長を保っていると発表していますが、本当の数字かどうかは分かりません。実際にはマイナス成長の可能性もあります。中国の軍事費についても、額だけでなく中身を確認しないと実態は分かりません。 

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かつて共産国家ソ連が誕生して、十数パーセントの成長を遂げていたことがあります。当時は、このままの成長が続けば、ソ連はアメリカを抜くといわれていました。資本主義国の次の体制は社会主義国であると考えられていた時代があったのです。

しかし、実際にはソ連は破綻しました。正確に言えば、ソ連を維持する必要がなくなったのでソ連を作った勢力によって解体されました。

 

中国では、幹部達が自分達の金儲けのために、人民からひたすら搾取しています。このようなことを続けているわけですから、経済成長どころではなく、必ず行き詰まりを見せるはずです。

ブレジンスキーは「中国は大国に離れない」とはっきり述べています。その理由は、エネルギーと食糧を中国は自給できないからです。

 

GDPの数字だけを見れば、中国の国力は日本にとって驚異に移りますが、日本に対して中国の脅威を説くアメリカの学者は、おそらくエージェントではないかと思います。彼らは「アメリカに付くか、中国に付くか」と日本に迫り、アメリカに付くように仕向けるか、或いは日本の世論を分裂させることにねらいがあるのだろうと思います。中国脅威論そのものがアメリカによる情報操作の可能性があります。

 

繰り返し述べているように、共産主義中国と言うのは、そもそもアメリカがつくった国です。アメリカ政府を動かしている国際主義者たちが中国を共産化させたのです。

冷戦構造でアメリカと共産圏が対立しているように見せながら、裏で繋がっていました。今でも、アメリカと中国は金融界を中心に密接に繋がっています。それなのに両国が対立しているかのように見せて、脅威を煽っているのは、裏の意図があると見るべきです。

 

中国が自壊する可能性が高いのは、地理的に漢民族が住んでいる地域がなくなるというのではなく、共産党支配が終わるという意味です。中国共産主義政府をつくった金融資本家達の意向次第です。

 

ジャック・アタリは『21世紀の歴史』の中で、2025年に中国共産党の支配が終わると予想しています。たいした根拠はなさそうですが、どの政権も一定年数以上は続かないと見ているのです。ソ連が崩壊したのは誕生から74年後でした。中国は1945年に誕生しましたので、74年を足すと2023年になります。さらに二年を加えている理由はわかりませんが、だいたい70年前後で共産党政権は崩壊すると見ているようです。

 

常識的に考えても、一党独裁政権で、国民の不満が限界近くまで達している仕組みが長く持つことはないと思います。中国共産党幹部は自国の崩壊を見越して海外に口座を作り、すでに資産を移転させています。

 中国国内では環境破壊・公害が止まらず、砂漠の中に誰も住まない都市が次々と誕生しています。投資と言うよりも投機です。中国の人民には気の毒なことですが、中国という国は、共産党幹部とウォールストリートの人間達の金儲けの道具と化しています。

 

急成長を続けているといわれる中国経済の実態は、先進国が経済成長をしてきた経緯とはまったく異なります。中国脅威論を叫んでいる人は誰なのか、そこをよく見極めることが必要です。中国の脅威をいたずらに煽る論調には冷静に対処すべきです。

 

日本の領海・領空に侵入してくる点については、ある意味での脅威ではありますが、対応の仕方はいくつもあります。今は日米同盟強化の考え方が強いですが、日米同盟を維持しながらロシアと組んで中国を挟む方法も考えられます。私は、同じナショナリズムを守る国として、ロシアと協力することは日本の国益に沿った戦略だと考えています。

 

■民族文化と欧米化を両立させた日本は世界のモデルケース

 明治以来の日本の近代化は、わかり易くいえば、西洋近代化と日本の伝統文化をどのように両立させて日本が生き延びることができたかということに尽きます。

今、欧米以外の各国が国づくりで悩んでいるのはこのテーマです。どの区にも欧米化は避けられない状況ですが、その中で、いかにして自国の伝統文化を守り、両立を図っていくかと言うことで悩んでいます。この難しい課題に立ち向かって、完全ではないものの一応の成功を収めたのは、世界の中で日本だけです。

 

今から15年程前に、私がタイに赴任していたときに、タイはグローバル化に悩んでいました。外資の攻勢が激しくなり、国内市場をある程度開放しなければならないのは分かっているけれども、いきなり開放するとタイの伝統的な村落共同体の人間関係がつぶれてしまう。伝統を守りながら、どのように外資を受け入れるかで悩んでいました。伝統文化と欧米化を両立させて今日の繁栄を築いた日本の秘訣を教えてほしいと言われました。

 

これはタイだけでなく、欧米以外の全ての途上国の共通の課題です。ロシアも、韓国も同じ問題を抱えています。

本欄中国でも同じ悩みを抱えるはずですが、中国の場合は、伝統文化と欧米化との両立という発想はあまりないのだろうと思います。と言うのは、中国には固有の文化というものがないからです。多くの日本人は、中国は文化を持つ文明国だと思っていますが、まったく違います。

何度もいいますが、中国人には家族が一番大切なものであり、彼らにはもともと民族主義と言うものはありません。ですから、国としてのまとまりを持った固有の文化というものが人民の間に根付かないのです。

 

習近平がいくら「中華民族主義」を叫んでみても誰も踊りません。中国ではいくら指導者が笛を吹いても中国ナショナリズムというモノが起こりません。「反日」を掲げて多くの人民が日本を敵視することはありますが、彼らが民族意識でまとまっているわけではありません。

支那事変に際し、蒋介石はナショナリズムを鼓舞して日本に対抗しようとしましたが、結局、軍閥割拠の内戦を収めることはできませんでした。

 

■プーチンが目指すのは日本の明治維新モデル

 

プーチンが今やろうとしていることは、日本の明治維新をモデルにした国づくりです。グローバルな市場も尊重するけれども、ロシアの伝統的なスラブ主義と融合させて、ロシア的な産業国家をつくろうとしています。

 

現在のロシアは、単なる資源輸出国であり、サウジアラビアとほとんど変わりません。国際市場で石油価格を暴落させられると国家の収入が半分になってしまうような経済構造です。それを変革したいと考えているのがプーチンです。

 

ソ連の共産主義は、ウォールストリートの金融資本とつながるユダヤ系の人たちによって作られたものです。彼らは冷戦構造を作り上げて、米ソの対立を煽りました。ソ連に軍事力を増強させて、アメリカ国民に脅威を植え付け、アメリカの軍産複合体が利益を上げるためです。ソ連の軍事力増強は、アメリカ政府を牛耳る人たちに無理やりやらされたようなものです。

 

その証拠に、ソ連の軍事力増強はロケット技術などの特定分野に集中しており、いびつな形の軍事力整備でした。アメリカ国民に恐怖を感じさせることが主たる目的だったので、総合的な軍事力を強化する必要はなかったのです。

 

通常は、軍事力を強化するために研究開発を行えば、その技術は民生分野にも波及し、国民経済に寄与します。ところが、それの場合は民生的な経済はまったく伸びませんでした。一部の人たちによってつくられた人工的な国ですから、本当の超大国にはなれませんでした。用済みになったら、すぐに解体されました。

 

このような現状は、プーチンのようなロシアの愛国者達には、我慢のならないものであり、本当の意味でロシアを大国化したいと、彼らは本気で考えています。プーチン大統領にとって、ロシアの大国化とはロシアを資源輸出依存国からハイテク産業国に転換することです。

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